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課税要件法定主義【やんわり租税法 No.8】

こんにちは。今日も一緒に勉強していきましょう!
個人的な用事に忙殺されていたために、前回から3か月も空いてしまいました。。

今回からは「租税法律主義の内容」について学んでいきたいと思います。租税法律主義についてはNo.1「租税法律主義」で簡単に触れたのですが、もう一歩踏み込んで勉強していこうと思います。
まず、「租税法律主義」を簡単におさらいすると、「国民から税金をとるためには法律が必要」ということでした。
そして、この租税法律主義はさらに枝分かれします。

・課税要件法定主義
・課税要件明確主義
・合法性の原則
・手続的保障原則
・遡及立法禁止原則(又は遡及課税禁止原則)

以上の5つです。ただし、「手続的保障原則」と「遡及立法禁止原則(又は遡及課税禁止原則)」については学者さんによって入ったり入らなかったりしますが、どちらかが間違っているというわけではなく整理の仕方の差のように思われます。
さて、今回からの「やんわり租税法」は「租税法律主義の内容」シリーズとしてこれらの考え方について学んでいきたいと思います。
この「内容」という表現がやや抽象的に感じますが「構成要件」と置き換えてもらったほうがイメージしやすいかもしれません。

まず今回取り上げるのは「課税要件法定主義」です。租税法律主義のいわゆる”核”ともなる「課税には法律による定めが必要」というルールを示したものです。
やんわり租税法No1でも触れたように、租税法律主義とは「課税権者による恣意的課税」を防ぐことがその目的でした。
すなわち、租税は本来財産権の侵害であるところ、私たちが自ら納税することを定めています(憲法30条「納税の義務」)。ところが、資金が必要だからといって課税権者によってどんどんと課税されてしまってはかないません。
そこで、租税法律主義(憲法84条)により、課税権者に一種のブレーキをかける仕組みを作ったのです。

さて、課税を徴収するために法律で定める要件のことを一般的には「課税要件」といい、具体的には「租税の種類」「課税の根拠」「納税義務者」「課税物件」「課税標準」「税率」や、「納税の時期及びその方式」などが定められています。
が、特に暗記しておかなくても構いません。具体的にいろいろ定められていますよ、といった程度でよいでしょう。
ところが、このような具体的な要件を定めていても、私たちの生活が常に変化したり、経済活動自体が様々な行動に基づくものであるから、法律ではなく行政に一定の裁量を与える「委任」が認められるかどうか、という論点があります。
これは税法に限ったことではなく、法律ではなく政令、省令という下位法令への委任の「程度」をいかほどにするか、ということが問題となるのです。
つまり、税法の場合、税務署等の代表される行政機関に丸投げするような委任はダメだけど、法律で行政に「ここまでは依頼しますよ」ということが明らかになっていればOKと考えられています。
この委任についての考え方は難しいので、まずは「基本は法律(立法)で課税要件を決める。行政に委任する場合は法律で具体的に定める」と考えておけばよいかと思っています。

今回もお読みいただきありがとうございました。
次回はもっと早く更新ができるよう頑張ります。笑

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