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【ばーばのボヤキ】定年のおっちゃんねるさんの世界#もしスキがお金だったら

#もしスキがお金だったら
いただいたみなさんの募集記事に、PONOがショートショートを書かせていただいてます。
今回は定年のおっちゃんねるさんの世界↓

ここは、2099年の日本。
2070年、国連は「世界中で2080年から20年間の鎖国」を決めた。

10年間の準備期間を経て、日本は江戸時代に戻ったような鎖国を始めていた。
温暖化の抑制に失敗し、新たな感染症COVIDー68のパンデミックは世界の人口減少を加速し、人流を止めるための鎖国を決議するに至っていた。

日本の人口は4千万人。今や親・子・孫の3代が同居するのが当たりまえである。
世界中が化石燃料を使わずに自然エネルギーだけで生活をし、自給自足することにチャレンジを始めて、19年と8か月、約束期間終了まで残り4か月に迫っていた。

日本は、通貨「円」の供給を止めて「スキ」がお金の代りとする国連推奨政策を10年の準備期間を経て採用していた。

「スキ」は、自分以外の誰かのために行動したことをセンサーがキャッチしたら国連のサーバー「RITA(リタ)」からAIとブロックチェーン技術で生成された仮想通貨「SUeKe(スキ)」が各自のアカウントに供給される。

RITAは、日本語の「利他」から採用された名前である。米国人には「リタ」は発音しずらいようで彼らがRITAと言っても「ウライタ」にしか聞こえない。日本人から言えばなまってる。

SUeKeも日本語の「好き」から採用された「Shared Universal Electric Key currency in the harmony with the Environment」という通貨の代りとなるものである。

(孫:タロウ)ばーば、10万スキも入ってるね。

ばーばのタブレットを覗き込んだタロウが満面の笑顔で言った。

(ばーば)おや?、ほとんどタロウがもらった”スキ”だよ。
何があった?

「スキ」は、世帯口座に入ってきて、誰がいくつ獲得したかを毎日確認することができる。

(孫:タロウ)うーん…昨日、授業参観で作文の発表があったんだ。
それかなあ。昨日の夕ご飯はママがボクの好きなハンバーグ作ってくれたし、スキがいっぱいだったらまたハンバーグ食べれるかな。

(ばーば)そうだね。たしかに昨日はママのごきげんよかったね。
その作文かな。ばーばにも見せてくれる?

(孫:タロウ)うん…いいよ。

「家族がみんなスキがいっぱい」 得虎タロウ

ボクはお母さんとおばあちゃんの伝言を伝えるのが毎日の仕事です。

お母さんは家でゆにゅうの仕事をしているので、さこくで外国に行けないから、ゆにゅうの仕事が忙しいといつもパソコンの前でお仕事をしています。

おばあちゃんはお母さんが忙しいから、お父さんにイライラしたりしているのを見て心配しています。

ボクはお母さんが「タロウの勉強見てください」っておばあちゃんに言ってと言われたら
タロウが勉強をがんばってるのは、おばあちゃんが見ててくれるからです。ありがとうございます。
って、おばあちゃんに言います。

おばあちゃんが「忙しいのはいいけどちゃんと掃除もしたら?」ってお母さんに言ってと言われたら
いつも部屋がきれいでうれしい。ありがとう。」って
お母さんに言います。

ボクはうそはついてません。だってお母さんもおばあちゃんも、どっちも好きだから言うんだなってわかるからです。
ボクは勉強は自分でするし、お手伝いすれば家はきれいになります。

それより伝言を伝えたら、お母さんもおばあちゃんも笑ってくれます。
気もちがいいです。スキがいっぱいです。
だからボクの仕事はうれしい伝言屋さんです。

でも本当はお母さんもおばあちゃんも自分で言えばいいと思ってます。
それまではボクは伝言屋さんの仕事を続けます。楽しいです。

(孫:タロウ)この作文読んだら、ママもほかのお母さんたちも泣いてたよ。なんでかな?

(ばーば)…(泣きながら)なんでだろうねえ。
たぶんタロウが利他の心を持ってるからだねえ。
だから”スキ”が入ったんだね。
タロウありがとうね。

じゃあ、今日もおいしいものを食べよう。
今日はタロウの好きな唐揚げにする?
もちろんママに作ってもらおうね。
ははははは。

★☆★☆★☆

あれ?わたしはムスメしかいないから
嫁はいないし姑にはなれないんだけど…。
あれは夢だったの??

おしまい

・・・・・・・・・・・・・
「RITA(リタ)」と「SUeKe(スキ)」の設定が好きすぎる!!
Shared Universal Electric Key currency in the harmony with the Environment
環境と調和したユニバーサルエレクトリックキー通貨!すきだあ!
定年のおっちゃんねるさん、ありがとうございました!

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