虹色パンダ 第2話
「ジェンシー!」
森の奥から、僕を呼ぶ声が聞こえる。
大きくて丸くて可愛い、僕の大好きなヤンヤンだ。
「ヤンヤン、会いたかったよ。」
当時、18歳だった僕は相手が別の生き物でも、自分の好きと言う感情に抗えなかった。
ヤンヤンと抱き締め合っている時のモフモフが、堪らなく心地よかった。
ある日、父にこう言われた。
「お前とパンダが付き合っている事が村中に知れ渡っている!もう会うのはやめなさい!」
僕の父は凄く厳格な人だった。逆らえるはずもなく、ヤンヤンとは会えなくなってしまった。大人になって家を出たら、ヤンヤンに会いに行けばいい…そう思った。
でも、その日の翌日パンダ襲撃部隊に入れられてしまった。そう、パンダの生存率が人間より多かった為、パンダ大量虐殺の計画が企てられていたのだ。僕はそんな事したくなかった。だから、自分の部屋に引きこもった。パンダを殺すなんて、イヤだ!
僕の大好きなヤンヤン…会いたいよぉ。
そう願いながら、毎日眠った。
つづく…
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