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パンダの思い出:2021年10月28日(パンダの日)

母、叔母、妹と私の4人で女だけの東京旅行をしたのは、私がまだ6歳のときだった。

9人兄弟だった母の4番目のお姉さんが当時は東京に住んでいたので、田舎町から寝台特急列車に乗ってワクワクしながら向かったことをぼんやりと覚えている。

もう30年以上前のことなのだけど、遊びに連れて行ってもらった先で、はっきりと覚えているのは上野動物園のパンダ舎だった。

大行列に並んで、大人たちの腕の隙間から見た大きなパンダ。

その姿は、テレビや図鑑でみた愛らしく笹を食べたり、吊るされたタイヤで無邪気に遊んだりする姿とはかけ離れていた。

ガラス張りの展示室の中に敷かれた笹の上で、後ろ向きで寝そべっていたのだ。
休日のお父さんのような姿のパンダ。想像していた愛らしい姿とは違い、周りの「可愛いパンダを見よう!」という熱気とがなんだかちぐはぐで可笑しかった。

じっくりとパンダが動くところを見たくても、行列は進まなければならない。
とりあえず「パンダを見た」ことにはなったけれど、その時の動かないパンダには幻滅した思い出だ。

帰りの電車の中で私は「レッサーパンダのほうが可愛いね」と言っていたと後から母から聞いた。


10月28日はパンダの日。1972年のこの日、日本で最初のジャイアントパンダ「ランラン」と「カンカン」が上野動物園に来園した。

東京に転勤になってから上野には美術展を観によく行っていたけれど、上野動物園には一度しか行っていない。
パンダの赤ちゃん「シャンシャン」が生まれた後だ。

パンダ舎も30年前の当時とは変わっていて、開放的な屋外の広い庭のようなスペースになっていたのだけど、その時のパンダも大きな体で笹の葉の上に座っていた。

でんっと座り込んでのっそりと動く丸いパンダ。
子どもの頃はがっかりしたけれど、今はなんだかパンダののんびりとした姿を見ると安心した。


調べてみると、どうやらマレーシアでもパンダに会えるようだ。

クアラルンプール郊外にある国立動物園で今年の5月にちょうどパンダの赤ちゃんが生まれていて、10月から一般にも公開されているとニュースになっていた。

マレーシアのパンダも日本のパンダのようにのんびりと笹の葉の上にいるだろうか。

パンダに会えるズーネガラ(Zoo Negara)まではクアラルンプールから12キロほど、週末はマレーシアのパンダに会いに行ってもいいかもしれない。



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