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常に同じ角度から世界を見ないようにできるか?:【学びと気づき:悪と全体主義】

日曜の朝は恒例のZoom勉強会の時間です。

恒例の一言コーナー

勉強会の最初は恒例の一言コーナー。今日のテーマは「自分が周りの人にどんな幸せを届けられているか?」でした。

楽しい空気を作る、安心感、応援、分かりやすく説明すること、安定しないこと等、参加者の皆さんそれぞれで回答をされている中、私の場合は情報を調べて伝えて幸せを届けるということをお話させていただきました。

例えば、旅行の計画を立てるときも美味しいご飯が食べられるお店を調べて予約をしたときに、「調べてくれたおかげで美味しいご飯を食べられた!」と言われると、私もとても嬉しいです。

今日の一冊目:「悪と全体主義」

今日は一冊目から難しそうなタイトルの本。「悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える」からのアウトプットでした。

・勉強会アウトプットの内容

勉強会ではビジネス書や自己啓発系の書籍が取り上げられることが多いのですが、今回は歴史的事実とそれに対する社会の考え方についての解説書でした。

書籍の内容はドイツ系ユダヤ人の哲学者ハンナ・アーレントの著書である「全体主義の起源」、「エルサレムのアイヒマン」を元に全体主義への考察がされています。

全体主義や社会主義など、高校生の時の授業を思い出しますね。

また、題材となっているナチスドイツについて、私はあまり詳しいほうではありません。
学生時代の歴史の授業と手塚治虫先生の名作「アドルフに告ぐ」、映画「シンドラーのリスト」で情報を知っているくらいです。

今回の発表では、ナチスから考える全体主義の構造、またアイヒマン裁判での主張全体主義に陥ってしまうことへの問題についてまとめていただきました。

・歴史的に見る「全体主義」

まず全体主義とは何か?について。

個人の自由を認めず、個人の生活や思想は、国家全体の利害と一致するよう統制されなければならないとする思想または政治体制

また、全体主義の対義語は個人主義です。

歴史の中で、ナチスドイツは全体主義の下で架空の敵であるユダヤ人を作り、国全体で迫害しました。
第二次世界大戦が終結した後に、ユダヤ人大量虐殺の責任者であったアドルフ・アイヒマンは逃亡中に捕まり裁判にかけられます。

アイヒマンは、ヨーロッパ全土で150万人を超えるユダヤ人を絶滅収容所やその他の殺害現場に移送する中心的人物でした。

その姿はどんな極悪人なのだろうと裁判には注目が集まりましたが、当時特派員として裁判を傍聴したハンナ・アーレントによると「普通の人」だったと著書である「エルサレムのアイヒマン」に記されています。

下記のコラムでもアイヒマンのことに触れられていますが、アイヒマンの主張は「当時のナチスの法に従って行動したまでだ」ということでした。

つまりはアイヒマンは全体主義国家の方に基づいて自分の仕事を全うした普通の人だったという結論なのですが、大量虐殺をおこなった人物が「普通」かどうかというのは私には疑問です。

ただ、誰もが全体主義の「わかりやすさ」「極端さ」に陥ってしまう可能性があるのだと感じました。

・現代での「全体主義」

発表を聞きながら、つい最近のマレーシアのニュースを思い出していました。マレーシアの商業施設でマスクを着用していない女性が入店拒否となり、結果罰金刑となったというニュースです。

印象的だったのは、女性の「ここは自由の国!」という主張とTwitterで発表されたマレーシア保健省カイリー長官の「郷に入れば郷に従え。」というコメントです。

このニュースについて見ようによっては全体主義的な側面があるかもしれません。ただ、国全体として感染対策に取り組もうとしていることは、国民を守るためになされていることです。

全体主義は悪なのか?と言うと、行き過ぎてしまうとそれは悪になります、対して個人主義がとても素晴らしいものかと言うと、これも行き過ぎると悪になるでしょう。

今回の発表のまとめにもありましたが、異なった意見を持つ他者との対話は不可欠で、常に同じ角度から世界を見ることを強いられた人たちは、次第に人間らしさを失ってしまう「複数性」が重要であるとのことでした。

確かなことが分かりづらくなっている世の中ですが、ただひとつ言えることは人の話を聴く「謙虚さ」はいつも忘れないようにしたいです。

全体主義の渦に世界は再び巻き込まれようとしているのではないか?という危機を書いたこちらのコラムも興味深かったので紹介します。

・今日の学びまとめ

発表者の方がビールメーカーHeinekenのCMのことを最後に話してくださったので早速視聴してみました。

価値観の違う人と仲良くなれるか?つまりは、常に同じ角度から世界を見ないようにできるか?ということへの試みです。

「飲めば仲良くなれる」ということではありませんが、価値観が違う人同士でもそれを言い合い認め合うことで、より自分の視野を広げていくことができます。

そのためには、まずは自分の視野を広げていくこと。

今日の1冊目の発表でもまた一つ自分の中で大事なことに気づきました。

やっぱり調べることや勉強は楽しいですね。

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