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村上ラヂオ2『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』を読んでnoteの目標が定まった。

のっけから大胆な発言ではありますが、ごきげんママ♡はこの本を読んで、私が書きたかったのはこんな文章だ!と思いました。村上春樹さんのファンの方にはもちろん、そうでない方にも不遜な発言をすることにお詫びしたいと思います。でも、言論の自由、ということでお許しください。

村上春樹さんの小説といえば『ノルウェーの森』。歳がバレるのであまり書きたくないですが二十歳過ぎの頃に出されました。赤と緑の上下巻の名著は今も色褪せないロングセラーでしょう。

その本を当時素敵だな〜と思ってた方に差し上げましたが「いまいち良さが分からない」と一言で終了してしまいました。今思えば本のプレゼントなんて厄介なことをよくやったものです。若さって大胆。

その後たくさん小説を出されていますが、しっくりくるものとわたしには難解すぎるものとに大きく二分され、多分10作くらいしか読んでいないと思います。だから熱烈なハルキストの皆さんの足元には及ぶべくもありません。

でもエッセイは大好きです。どれくらい好きかというとランを趣味にされている村上さんを真似て走ってみよう!と思い立つくらいです。もともと運動音痴のわたしですから2ヶ月くらいでやめてしまいましたが、今でもランをしている時の高揚感と、ランを習慣にしている人への敬意はカラダに染みついています。

さて、このエッセイ、大好きな大橋歩さんの挿絵がまたよく引き立てています。アンアンに毎号連載されていたもので文字数1200くらい。毎朝私がnote に書いているのとほぼ同じくらいの分量です。一つ一つのタイトルもそれほど特異なものではなく、先日はこの本の中の『ハンバーガー』というタイトルに着想を得てエッセイを書きました。

なんというか柔軟で控えめで多面的で静謐で媚びなくてユーモアとウイットに富んで、しかもフレンドリーなんだけど孤高な感じの文体が好ましいです。何気にHな話でも村上さんにかかるとサラッといやらしくなく書ける技。そしていつまでも若々しい感性、透明で曖昧で垣根のない世界観…村上ワールドとしか表現できません。

オスロで買ったオメガ3系脂肪酸摂取用のあざらしの生の油の描写は特に面白かったので引用します。

「朝目が覚めたら身体の上に大きなあざらしが一匹乗っかっていて、どうやってもはねのけられず、無理やり口をこじ開けられ、生あたたかい吐息とともに、湿った舌をぐいぐいなかにつっこまれてきた」くらい臭い

どうですか?臭さ、伝わりましたよね。

エッセイについては、どうでもよいことをぽつぽつと書いているのでつまらないと思っても適当に見逃して、と書かれています。エッセイでもnoteでもYouTubeでも、何を言ってるかより誰が言っているのかが大事。だから村上さんが書かれていること自体に値打ちがあるわけです。

それはわかっていますが、55日間手探りでnoteに書いてきてやっと自分が目指すものが見つかった気がして仕方ないのです。少年よ大志を抱け、と言いますが、おばさんもいつかはあのようなエッセイを書けるようになりたいという大志を抱いてもいいでしょうか。



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