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世の中はママのキッザニアじゃない

ごきげんパパ♡は家事を一切しません。お金の管理を家事と言うならお金の管理だけはします。ゴミ出ししません。ゴミの分別もしません。ご飯の炊き方もお湯の沸かし方も知りません。加えて言うなら子どものこともごきげんママ♡に任せっぱなし。おむつを変えたことも片手で余るほど。

そんな家事分担ですからなかなか外に仕事に行けませんでした。結婚前の仕事は一般事務。会社は楽しかったけど仕事は楽しくなかった。次に働いたのは前回書いた不動産屋さんの事務。宅建とったのに時給が10円しか上がらなかったので虚しくてやめました。

二箇所のコールセンターでも働きました。ひとつはエアコンなどの修理の受付でもうひとつは放送局のテレビの画面に出てくる字幕を消す仕事です。これらは時給が良くて同年代の女性に人気でした。やってみると電話だけで顔を見ずにコミュニケーションするのは神経を使います。全部録音されて放送局では対応が上手にできないと呼び出されるなど結構ストレスフルでした。

家事の延長でできるかと思ってトライしたのがダスキンのお掃除とおむすび屋さんのアルバイトです。お掃除は研修を受けて家の掃除にも生かせるかと思ったのですが、20分ほどのビデオを見せてもらってあとはおうちでいつもしているようにしてください、とのこと。あれ?これも時給はいいと思ったけど現場まで移動するのが大変。駅から遠いおうちもいくらでもあります。腰を痛めてすぐ辞めてしまいました。

あるバラエティ番組で、死ぬ前に食べたいものを話しているのを見かけました。四人のうち木村拓哉さん以外はおむすびでした。安住アナとか。(木村拓哉さんはスパゲティボロネーゼとおっしゃっていましたっけ) それでふと、おむすびが輝いて見えました。塩加減とか、握る強さとか、結構奥深そう。美味しいおむすびを作れるようになりたい!子どもには間に合わなかったけど孫には食べさせられるかもしれない。そう思って応募したのがおむすび屋さんでした。

これは人手不足の業界で即採用。はじめての飲食、はじめてのレジ打ち、「いらっしゃいませ」というのもはじめて。楽しいのは楽しいのですがスピードについていくのが大変です。お客様は皆さんお急ぎの様子。焦るとますますうまく行きません。裏方で黙々とおむすびを作るイメージで応募したのに新米はまず販売からとは。キッチンでは若い先輩方がにこやかにてきぱきとツナや鮭や梅やおかかや変わり結びを大量に作り上げていかれます。いつ教えてもらえるんだろう。

ところが慢性的に人手不足なのでもっとシフトに入れませんか、と言われるのがツライ。そのお店はとっても善良。材料にこだわるし価格が庶民的なので利益が少なそう。詳しいことは新入りの私にはわかりませんが消費者目線で言うともっと値上げしても買うし、人件費を上げて働く方もやりがいがあるようにしたらいいのに。とてもじゃないけど時給千円程度の体力消耗度ではありません。

というわけでその職場も辞めた時に子どもに言われたのが「世の中はママのキッザニアじゃない」の一言。これから仕事を探す主婦の皆さんの参考になれば嬉しいです。そして今の仕事は長く続けようと心に誓うごきげんママ♡なのでした。



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