小さな神社の神対応
年末にドライブに連れて行ってもらって立ち寄った小さな小さな神社がありました。交通の便が悪くて細い山道を登ってやっとたどり着きました。地元の人に連れて行かれないと知らないところでした。
参拝のあと、蕎麦処に立ち寄りますと、地元のお野菜や名産品と並んでそばかりんとうがありました。ご近所の常連さんたちも迎春準備のお野菜などを買いに来られています。何気なくそばかりんとうをお茶請けに2袋買って帰ったところ、細くて硬くて香ばしく甘すぎず油こくなく素朴でとても美味しいのです。こんなに美味しいならもっと買えばよかった…
若い人はそばかりんとうなんて地味なおやつを好まないだろうと予測したのは大間違い。家族にも爆売れです。神社に連れて行ってくれた親戚にお願いして段ボールで買って送ってもらいました。うんうん、美味しい。
もとより大して高いものではありませんが、こんなに美味しいなら友人にもお裾分け、ということで会う人ごとに気前よく配ったりもしていたのです。中にはうちも取り寄せたいんだけど、という人もいました。あ、また送ってもらったらあげるよ〜なんて気楽に言ってたのです。いつでも手に入ると思っていましたから。
それから何度か送ってもらったのですが、緊急事態宣言中は休業とのこと、仕方なくあきらめていました。五月のある日、またお店が再開したと送ってくれました。やった〜と家族で開封。
??
なんか湿っぽい?太ってない?気のせいかな。
次の袋行ってみよ〜
あれーなんか違うよね。うーん、こんなんだっけ?と言いつつ納得がいきません。でも、もともと食いしん坊一家のこと、何袋か食べてしまいました。
ある日、やっぱりお店に電話してみようと決心。
「すみません、そばかりんとうなんですけど、湿ってる気がするのですが」
「それはこちらこそすみません。実はほかの方からもご意見いただいてます。交換させてもらいますわ。」
あぁなんて方言ってあったかいんでしょ。関西のアクセントに癒されます。
「ではある分だけ送ります」とお答えしました。
到着後、電話がかかってきました。
「申し訳ないんですけど、今こちらにあるのも同じようなもので、送りなおしても満足していただけないと思いますねん。今回は返金対応させてもらえませんか。また勉強しなおしますわ」
もちろん無念は無念なのですが、あくまでも素朴で低姿勢。飾らない感じでこちらが恐縮してしまいました。コロナで作る方が変わってしまったのでしょうか。レシピがなくなってしまったのでしょうか。理由はわかりません。
2日後、丁寧なお手紙と共に綺麗なお札で代金が戻ってきました。心のこもった丁寧な字を見るとお人柄が偲ばれます。
「ピンチがチャンス」とはよく言ったものです。湿気ったようなかりんとうの後の対応でますますお店のファンになりました。元のようなかりんとう、そろそろできたでしょうか。明日にでもお電話して尋ねてみましょう。
実は、そのあとそば粉を買ってきて自作のかりんとうを何度か試してみたのですが全く違う代物ができました。あー幻のそばかりんとうが無性に食べたい!神社にお参りに行って心を清めたはずなのにあくまでも俗人なごきげんママ♡なのでした。
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