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ハグはしあわせ

日本生まれ日本育ち純ジャパニーズのごきげんママ♡の挨拶はもちろんお辞儀、たまに握手。これはカリフォルニアに住んでいた5年間で変わりませんでした。順応性、適応力低めかも。

それは日本への帰国が決まって引っ越しの荷物もまとまった日のことでした。小学校5年生の長女の友達の家にご挨拶に行きました。そこは男女四人のお子さんがある、ご主人がアメリカ人の家庭です。我が家ももうすぐ二歳になる下の子を含め三人子どもがいたので親しくしていました。

いつものように家族ぐるみで楽しく遊ばせてもらった帰り。いよいよお別れです。友人が玄関でギュッと私にハグをしてきました。たぶんそんなに長い時間ではなかったけど結構長く感じてそれはとってもあたたかくて力強いものでした。

今までありがとう、楽しかった!どうぞこれから元気でね!!

無言で彼女のすべての思いが伝わってきました。アメリカ人が交わし合っているハグにこんなに力があるなんてその時まで知りませんでした。むしろ公衆の面前でそんな照れくさいことよーやるわ、という感じでした。

それから日本に帰ったので友人とハグをする機会はありません。でもたまに子どもたちには遠慮がちにハグします。

駅に迎えに行って周りに人がいないのを見計らってお帰り。

旅行に行くときは気を付けて行ってらっしゃい。

たぶん子どもたちは迷惑に思っているだろうけど優しいので嫌な顔はしません。

私を見送ってくれた彼女は風の便りでその後まもなく離婚したと聞いていますが、まだインターネットで連絡を取り合うような時代ではなかったのでそれ以来ご無沙汰してしまっています。このコロナの中、アメリカで元気にしているかな。子どもを通じて連絡先を探ってみようかしら。赤ん坊だった男の子は軍隊に入ったといいます。お願いだから戦争だけは起こらないで。

今はハグなんてとんでもない世の中です。海外では徐々にワクチン接種が始まりました。またみんなが何の心配もなくハグし合えるようになるのでしょうか。あの時のハグのぬくもりが今も私の中で力となって生き続けているような気がします。

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