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首から下全麻痺、入院・リハビリ・原因を振り返る【リハビリ日記59】

人生初の緊急入院、手術、7ヶ月後に退院、ヘルパーさんの力を借りながらリハビリをしつつ自活。

退院数日後にも経過を綴りましたが、退院から2年5カ月が経った今、あらためて振り返り、体調を崩した原因、経過などを綴ります。

私は食生活に気を付け、健康に留意する生活を送っていたはずでした。それなのに、どうして?

腰を傷めると腰から下の下半身に痺れや麻痺が出るといいますが、私の場合は首だったため、首から下の痺れや麻痺だったのかと思われます。(首から上も、うっすらと痺れが出ています)

皆様も体調崩されませんように、経験が少しでも健やかな日々を過ごす参考になればと思います!

(途中までは、以前書いたものとほぼ同じです。)

入院までの経過

退院後のnoteからコピペ。入院に至る状況です。↓

*経過*
2019年11月13日(水)
派遣仕事に出勤。食欲が無いものの、残業して、ふらふら帰宅。

11月14日(木)
出勤しようと電車に乗り途中まで行ったが、具合が悪く引き返してくる。

11月15日(金)
公休。ふらふらするものの、ゴミ捨ても行う。休んでも治らず、明日は病院に行かなければと思う。

11月16日(土)
私「家の中を歩くのもやっとで、ふらふらなんだけど、何科に行ったらいいだろう?」
友人「そんな状態で、なんで一人で家にいるの! とにかく早く病院に行って!」
看護師の友人にメールすると、即レス。

頸椎の痛みで通っていた整形外科に電話で症状について相談。「とりあえず来てくれ」とのことで、整形外科へ。ふらふら度が増してくる。
「これは脳の問題かも」
診察後、紹介状を書いてもらい、脳を診てくれる病院へ。

神経内科でMRI。
「脊髄がダメージを受けている。ここでは治療できないので紹介状を書きます。今日(土曜日)でよかった。週明けだったら間に合わなかった」(脳ではなかった)

大学病院まで救急車で搬送。

退院数日後のnote↓

搬送先の神経内科で再びMRIなどの検査をしまくり、紹介状に書かれていた症状についての説明を受けた。ところが。
「MRIの結果をよく見たところ、どうやら紹介状の症状ではないようです。今までの説明はすべて忘れて下さい。脳外科に移します」
診断ミス??
大学病院内で神経内科⇒脳外科へ。

「MRIで脊髄近くに影が写りました。それがなんなのか、月曜日に検査します」
「脊髄がダメージを受けているので、心臓や肺が止まることがあります」
脳外科で説明を受けた。

運良く(運が良かったでは済まされない、ほんとありがたいこと)運び込まれた大学病院のMRIで正しく診断してもらい、適切な治療を受けられたため助かりました。

どんどん体が動かなくなる

11月16日(土)入院。
18日(月)に予定されていた検査が1日ずつ延期になる。一刻も早く治療して欲しいのに。やっと検査を受けられたのが20日(水)。

入院時には動けていたのが、痛みを感じる左肩からだんだん痺れが広がり動かなくなっていった。水を飲み込むこともできなくなる。

「どんどん悪くなります」
やってくる看護師さんや訓練士さんに訴えていた。
「なんの治療もしてもらえない。検査しただけでは良くならないですよね」
「検査が延期になるのは、重症じゃないからですか?」
看護師さんに聞いたのは、私が泣きながら訴えたという記録になっていたらしい。

自然治癒しないことは、素人の私でもわかった。神経を圧迫しているものを取ってもらわなければ。

具合が悪いことを伝えた友人知人から連絡が入ってるかも。でも眩暈がしてスマホをチェックすることも無理。

11月20日(水)
やっと受けられた検査直後、検査技師に言われた。
「一番大切な神経、脊髄がやられました」

だからどうなの? もうダメなの? 言葉を失っていると、続いた。
「治療していきましょう」
治療できるのか…と思っていたら、付き添っていた主治医が笑顔で言った。
「どんな気分? 大丈夫?」
言葉もなく主治医を見つめた私の表情は、きっとどんな俳優よりも完璧な“戸惑い”の症状をしていたと思う。

「私、死んじゃうんじゃないですか?」

翌日だったか、検温をしたら37度あった。熱っぽいとも感じなかったが、
「肺炎になっちゃう」
主治医の判断でICUへ。看護師さんも訓練士さんも大わらわ。

病室に来た執刀医が言った。
「原因もわからなーい、時期もわからなーいけど、首から肩のあたりでドバー、ドバー、ドバーと出血したので、それを取る手術をします」

「どんどん悪くなります。私、死んじゃうんじゃないですか? 大丈夫なので言って下さい。それなら言い遺したいこともありますし」
少ない貯金だけど葬式代くらいなら足りるかも。部屋にある私物は仕分けずに全処分で。

執刀医は私の手を握り、言った。(なんかドラマじみていた)
「我々は、良くなることを信じて治療をしています」
(遠くをキッと見つめて)
「頑張りましょう!」
「はい!」
雰囲気にのまれ、私も目をきらきらさせながら答えていた。

「お疲れ様」と言われなかった

ICUに運ばれてから呼吸が不安定ということで、人工呼吸器を装着。声も出せなくなった。最後まで動いていた右手も指1本動かなくなり、ナースコールも押せない。

ICUにいても、声も出ずナースコールも押せず、助けを呼べない状態。
意識はしっかりあるのに、首から下、全部麻痺。目をぱちぱち、口をパクパクさせているだけ。

死んじゃうなら手術前がいいなあ。手術代も高いだろうし。
次に心臓か肺が止まるなら、苦しくないほうがいいなあ。

あの世から誰か迎えに来てくれないかな。
「よく頑張りました。生き抜きましたね。お疲れ様」
ストレスで疲れ果てていたから、「お疲れ様」と言われたかった。
でも誰も迎えに来てくれなかった。亡くなった祖父母や父、敬愛するブライアン・ジョーンズにも会えなかった。

まだ終わりじゃないんだ。
と思った。本心は「もっと生きたい」だったのかもしれない。

生きるのなら、きちんと生きよう。
気持ちが切り替わった。

手術を受けなくては。何が何でも手術を受けて良くならなくては。

やっと手術が決まった。11月22日(金)。早朝、地震があったのを覚えている。
長時間(6時間?)の手術だった。目が覚めた時、痺れは全身に残っていたけど、右手の指先が動いた。最後まで動いていた右手の指が最初に回復した。

成功。「あとは良くなるだけ!」自分の内からか、どこかからか、聞こえた。そうだ、あとは良くなるだけ。

首から下、全麻痺で「どんな気持ちだったか」というと、ひたすら「無」の境地。特にネガティブな感情が浮かんでくると 、即、切り捨てた。イメージとしては、はぎ取って後ろに放り投げる感じ。

「この状況でパニックにならない私、実は器がすっごく大きいのでは」
超楽天的なだけかアホなだけなのかもしれないが、自分の性質に感謝。

原因1:ストレス

検査を受けたので、医師からきちんと説明があるのかと思っていたけど、手術前に説明はほぼなかった。

前述のように、執刀医が病室に来て、
「原因もわからなーい、時期もわからなーいけど、首から肩のあたりでドバー、ドバー、ドバーと出血したので、それを取る手術をします」
と言われたのが、私が受けた唯一の説明。(弟は説明を受けたらしい)
ちなみに、執刀医の先生の腕は素晴らしく良かったと思う。お陰様で助かりました。

(内出血した)時期もわからないと言われたけれど、いきなり悪くなったわけではなくて、じわじわ具合が悪くなった。ふらふらしてきてからは、数日だったけれど、それ以前からストレートネックで首が痛く、頭痛もしていた。

執刀医はさらに、
「原因不明だけど、まあストレスじゃない?」
と言った。

何の症状であっても、原因不明だとストレスのせいと言われがちなのかもしれない。

そして、私の場合もストレスも大きな原因であったと思う。

「突然のことで驚いたでしょう?」
行く先々で言われたけれど、別に驚いていなかった。

ストレスにまみれていた。
安らぎの場がなかった。
どうしたらいいのか、わからなかった。
発狂しそうだった。

散らかっているのがわかるのに、部屋の片付けすらできなかった。人はこうして病んでいくのかなと、ぼんやりと考えていた。

だから体が悲鳴を上げて体調を崩したんだ。当然のことと思えた。

「ここで孤独死したら大家さんに迷惑をかけてしまう」
と思ったから、病院のベッドの上にたどり着いて、「ミッション終了」。

手術前には説明を受けなかったものの、転院したリハビリ病院で聞いてみたら、説明を受けられた。

病名としては「海綿状血管腫」。

血管の奇形があり、それが出血したとのこと。

奇形があるのが悪いわけでもないし、あったとしても必ずしも出血するわけではない。

そのまま奇形に気付くことなく、出血することもなく、体調も崩さず、一生を終えることもある。

でも私の場合、たまたま出血し、それが固まって腫瘍のようになり、脊髄を圧迫してしまったため、痺れとともに身体が動かなくなっていった。

なので、それを取る手術をした。

原因2:ストレートネック

医師からは「(生活習慣などによる数値の異常も無しで)原因不明、まあストレスじゃない?」と言われたけれど、自分で思う出血の原因は「ストレートネック」ではないかと思っている。

デスクワークでパソコンを見る機会が多く、左側の首が痛かった。

姿勢を正そうと、グッズを使っていたけれど、根本的には良くならなかった。

左手の先が痺れてきたので、整形外科に行くと、予想通り「ストレートネック」と診断された。治療を受け鎮痛剤を処方されたけど、ストレートネック自体は治らず。

時間がなくて、運動をする機会も持てず、身体を動かすことによって姿勢を直すこともできなかった。ストレッチをする余裕すらなかった。

よって、普段の姿勢もストレートネックのまま。

入院のベッドの上で、痛かった左側の首から痺れが広がって、身体が動かなくなっていった。

私は自己診断では、出血の原因はストレートネックによる不自然な姿勢だったのではないかと思っている。

なので、姿勢、すごく大切だと思います!! 正しい姿勢は健康のベースです!
後ほど、基本のストレートネックを直し、正しい姿勢を保つための筋肉について紹介します。

手術後~退院、リハビリ生活

手術後も全身の痺れは残り、左側の痺れが特に強かった。首から下全麻痺から術後、最初に動いたのは右手で、その後も右手の動きが、全身の中では良かった。

術後しばらくは、左手がどこにあるのかわからず、右手と左手が巡り合えなかった。

寝ていて首が傾いていても、頭の位置や枕を直すことも一人ではできなかった。
入院してから2か月以上、食べられず話せずの状態。

ベッドに訪れてくるリハビリの訓練士さんに、
「何がしたいですか?」
と聞かれ、よれよれの筆談で、
「くるまいす」
と答えた。

訓練士さんが2人がかりくらいで車椅子に乗せてくれるものの、
座っている姿勢が保てず、ずり落ちてしまう。

そんな状態から1か月強でリハビリ病院に転院し、トータルで7か月入院し、2020年6月に退院のころには、どうにか両手に杖(ロフストランドクラッチ)を持って、よちよち歩けるように。

ロフストランドクラッチ↓(これを両手に持って)

ロフストランドクラッチ

今もまだ、よちよち歩きですが、今よりもっともっとヨチヨチ。よくやってこれたなあと、我ながら思います。

他でも書いているので、ここでは退院後のリハビリ状況ダイジェスト。

・2020年10月 左足に付けていた装具が取れるように。(付けないと、足首が安定しなかったため)

(オーダーメイドの)装具

・2021年お正月 バスボードを使うものの、一人で自宅のお風呂に入れるように。浴槽にバスボードを渡して、そのバスボードに一旦座り、浴槽に足を運ぶ。(浴槽をまたぐのは、実は大変なんですよー)

・2021年9月 一人で物件の階段の上り下りができるように! そして初の一人外出、タクシーで美容院へ。(美容師さんがヘルパー資格保有だからこそ、できた)

現在(2022年11月)も引き続き、リハビリ中。
通所リハビリに行き、自宅周りをヘルパーさん、あるいは一人で歩きリハビリを雨天以外、欠かさない日々。
そして、無理しないように在宅ワーク。

ヨチヨチには変わりないものの、だいぶ筋力も付き、動くのがラクになってきました。痺れはありますが、筋力が付くのと比例して薄くなってきています。焦らず、コツコツ続けることの大きな力をあらためて感じます。

痺れの感じは、歯医者さんの麻酔の感じと似ています。
腫れてないけど腫れてるようで、痺れていて、感覚が薄い。それが全身に起こっている感じ。

筋力は落ちるのは早いけど、付けるのは大変ですね。でも、自分の身体とじっくり向き合うこの時間がとても尊く思います。

この経験で救われた

体調崩して入院・手術なんて気の毒と思うかもしれませんが、実はこの経験で私は救われました。

それくらい、入院前はストレスまみれだったからです。入院しなかったほうが、破滅していたのではないかと思えるくらいに。

断っておくと、周りには話を聞いてくれる人も、「一人で悩んでちゃダメだよ」と優しい言葉を掛けてくれる人もいました。

でも結局、自分が変わる必要があったのだと思います。わかっていましたが、どうすればいいのかわからなかったのですが。

そして、緊急入院することになってやっと、私は変わることができました。逆にいうと、これくらいの想いをしなければ、私は変われませんでした。

人間性が変わったのではなく、意識改革です。とらわれていた想いからの脱出。

リハビリ生活に入り、行動が限られる不自由さはあります。でも、心は自由になり、生まれて初めて自分らしく心地良く生きられています。

スローペースではありますが、着々と回復もしています。会いたい方たちも行きたい場所もたくさんなので、目標に向けて進んでいきます。

ストレートネックを直し、正しい姿勢を保つ筋肉とは

頸椎を傷めると怖いですよ。
私のように痺れが出たり、身体が動かなくなったりするかもですよ。なので、ぜひ傷めないように心掛けてください!

首が前に落ちてしまう姿勢は、デスクワークなどの生活習慣だけではなく、加齢によっても起きてきます。

腰が曲がって、背中が丸くなり、首が前に突き出る姿勢のお年寄りの方、多いですよね。逆にその姿勢は、若くても老けて見えてしまいます。そのうえ、健康も損ねてしまう!

ストレートネック気味の人は、ストレートネックの姿勢が普通になってしまい、正しい姿勢を保つ筋肉が衰えている可能性があります。私がそうでした。

正しい姿勢を保つ筋肉が衰えてしまっていると、頑張らないと姿勢よくできないため、いつも楽なストレートネックの姿勢になってしまいます。背中を丸め、首を突き出している姿勢です。

しかし、その姿勢をしていると首が痛くなり、肩も痛くなり、背中も痛くなり、腰も痛くなります。(全部つながっているんです)

背中が丸く、首が突き出ているストレートネックの姿勢は老人のようで老けて見えるし、顔の筋肉もたるむという噂が!

正しい姿勢をとるためには、肩甲骨周りの筋肉がポイントです。

左右にある肩甲骨は本来、カチカチではなく、自由に動くようになっているとのこと。ストレートネックの人は、背中が突っ張り、肩甲骨周りもカチカチになっているはずです。

まず、丸まっている背中を直すべく、両側の肩甲骨を寄せて、胸を張ります。胸を張ることで、肺が圧迫されなくなり、呼吸が楽になります。

次に、肩甲骨の上のほうの筋肉を使い、突き出ている頭(顎)を引いて正しい位置に。

ストレートネックの姿勢をいつも取っている人は、肩甲骨を寄せる筋肉、肩甲骨の上のほうの筋肉を使っていないため衰えていて、頑張らないと正しい姿勢をとれないかもしれません。

そのため、意識的に肩甲骨周りを動かして筋肉を整え、正しい姿勢をとれるようにしてみましょう。

正しい姿勢をとってみると、首も肩も背中も突っ張らずにラクになることがわかります。

もう一度言います。正しい姿勢は、健康の基本です! 正しい姿勢をとるための筋肉を衰えさせないようにしましょう!

リハビリは続く

2022年11月現在、リハビリは続いています。
発症から半年や1年くらい経つと、回復は止まるというジンクスがあるようですが、回復し続けています。ゆっくりではありますが。

リハビリ生活を通して、さまざまな出会いや気付きがありました。
恩返ししたいし、今後も経験を通して得たことはシェアしていきたいと思います!

ご覧いただき、ありがとうございます!楽しんでいただけたら、スキしてもらえると、テンション上がります♡