千日紅

文章をまとめるところ。

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最近の記事

銀河の風に吹かれて

「いま令和だよ?いつまでそんなこと言ってるの?」 Twitterでよく見かける。Xか。 主に女性から男性に向けて。 なんかこわいなーって思う。 ただの煽り文句なんだろうけど、ひょっとしたら年号が変わった途端に考え方が変わるって本当に思っているのかな?みたいな人もたまにいる。 将来自分が「なひ令和ひきずってんの?」と言われる想像はしないんだろうか。その頃には新時代にちゃんと適応できる自信があるんだろうか。 私は今共働き(の育休中)で、夫は家事も育児も当たり前のようにしてくれる

    • 読書記録④神さまたちの遊ぶ庭/宮下奈都

      友人が貸してくれた。ゆうパックで。 「宮下さんのエッセイが好き」と彼女が言うので、私は小説しか読んだことがないからエッセイも読んでみたいな、と言ったら、「じゃあ送るわ」って。 2.3ヶ月に1回は会っているのだし今度会ったときでいいよって言ったのに、数日後にポストを覗いたら入っていた。 品名の欄にある「書籍」という字。私にとっては見慣れた友人の筆跡。夫がそれを眺めながら「本を送ってくれる友だちがいるって、ええなぁ」と言った。私もそう思う。 ということで読みかけの本が積まれてい

      • 嫉妬・幸せについて。

        幸せは他者との比較でしか感じられないものなのか? なにかに悩んでいる、つらい立場にある。そんなとき、戦争や災害に巻き込まれた人のニュースをみて、「それに比べたら自分のつらさなんてちっぽけなものだ、今ある幸せに感謝しよう」と思う。 この考え方は至極真っ当だとは思うけれど、これは『下には下がいる』という比較に他ならないのでは?ひとの不幸をみて自分の幸せを感じる。これって残酷で失礼なことではないだろうか。 「人生における幸せとは他者への貢献である」 これはアドラー心理学の本で出会

        • 疎遠になるのは寂しいけれど、

          近々会おうと連絡するのは躊躇われる。 人と会うのが億劫なときがある。 否、楽しみに思う気持ちと同時に、常に億劫な気持ちがある。どこで会おう。何時に会おう。何を話そう。 会っているときは楽しい。 別れるとまた悶々とする。今日のお店どうだったかな。時間は負担にならなかったかな。あの話はしないほうがよかったかな。あの返答はよくなかったかな。話を遮ってなかったかな。楽しかったかな。 会う約束をしながら心のどこかで延期を願っている。会ったあとは反省会がやめられない。 馬鹿馬鹿しい

        銀河の風に吹かれて

          読書記録③10万個の子宮/村中璃子

          かかりつけの小児科に置いてあって手に取っていたら、先生が「持って帰ってじっくり読んでいいですよ」と言ってくださったのでお借りした。 少女達の訴える症状は子宮頸がんワクチンの副反応ではないということを伝えるための筆者の血の滲むような努力の軌跡だと感じた。 そのなかで、本筋とはズレてしまうかもしれないけれど、感想をふたつ。 ① 「(被害者の)会は母親の自己実現の場」 被害者の少女の母親であるということが、普通の母親を特別な母親にする。 子どもに自分の夢を託す親、過度な期待

          読書記録③10万個の子宮/村中璃子

          保育園探し。

          保育所待機児童数が全国上位の、激戦区に住んでいる。育休明け、娘が1歳になるタイミングで職場復帰の予定だが、年度途中に空きがでるようなことはまずないだろうから、次の4月に1歳児としてどこかへ入れたらなぁと思っている。 プランはいくつかある。 ①公立の保育園で5歳まで預ける。 ②地域型保育事業所に2歳まで預け、3歳から   は別の保育園または幼稚園を探す。 ③無認可保育園に2歳まで預け、3歳から提携  している幼稚園、または別の保育園か幼稚  園を探す。 仮にどこにでも受か

          保育園探し。

          映画感想① SADA〜戯作・阿部定の生涯

          白い巨塔を観て以来、黒木瞳主演の映画をみてみたいと思ってたから。 白黒で始まったから凄く古い映画なのか?と混乱したけど、観終わって調べたら1998年だった。色の使い方が面白かった。血を(血だけを)黒で表現したり、岡本だけ白黒だったり。 黒木瞳の声が好き。いわゆる美人かは分からないけど美しい。うなじの綺麗さかな?視線かな?勝ち気な色気と危なかしさがあった。「おまえは頭がいいね」に対して「いいのは頭だけじゃありません」と返したところが良かった。 観終わって調べたら、阿部定以

          映画感想① SADA〜戯作・阿部定の生涯

          好きな曲①「サザン・ウインド-中森明菜」

          作詞: 来生えつこ 作曲: 玉置浩二 1984年にリリースされた、中森明菜の8枚目のシングル。 不思議なメロディだと思う。 出だしの「あいさつするのよ海風に」で既に音程がよく分からない。コード進行などの音楽理論に長けている人なら、不思議な感じの正体を説明できるんだろうか。教えてもらいたい。 イントロ、間奏も大好き。上手く表現できる語彙力がないけれど、ギリギリな感じ。音にもメロディにも、爽やかな切迫感がある。 イントロから一旦静まり、歌が始まる妖しい雰囲気がいい。 「パナマ

          好きな曲①「サザン・ウインド-中森明菜」

          いちばん悲しい人。

          祖母が亡くなったとき、悲しかった。 いまも悲しい。おばあちゃんに会いたい。 悲しみにとっぷりと浸かった頭で、ふと思う。 それでも、順番だと。 長く生きたひとが亡くなった。それは順番だ。 世の中には、子を亡くした親がいる。 考えただけで、こころがすっと冷える。 恐ろしい。そんなことが自分の身におきたら、生きていけない。でもそれは現実にあるのだ。轟音のような悲しみが、この世にはあるのだ。 そう思うと、おばあちゃんがおばあちゃんと呼ばれるまで生きて、亡くなったことは、悲しいけれど、

          いちばん悲しい人。

          読書記録② 人間失格/太宰治

          昔に読んで、うろ覚えだったので再読。 印象的だったのは以下の箇所。 1.正しい美貌、聡明な静謐の気配を持った検事に見抜かれたところ。 物静かな人に憧れる。ただ無口なだけではなく、静謐という表現がふさわしい人。憧れるけれど、会話すると居心地の悪い思いをすることがしばしばある。沈黙に耐えられず、過剰な言葉で盛り上げようとするが、静謐な人はそれに応じない。道化を演じない。 2.電線にからまった奴凧 電線にからまった奴凧に自分をみて羞恥しているのだと思った。 3.喜劇名詞

          読書記録② 人間失格/太宰治

          読書記録① 死の棘/島尾敏雄

          "女のどろどろしたものの表現が凄い"というような感想をTwitterで見かけて読んでみた。読み進めるにエネルギーがいる本で、読了するまで1ヶ月ほどかかった。疲れ果てて解説は飛ばし読みしたけれど、数年かけて執筆されたと書いてあって、納得した。同じことの繰り返しが延々と綴られてた。 夫の長年の不貞行為が露見して、妻が狂っていくのだけれど、夫婦としての関係は破綻しきってるように思えるのに、離婚にはならないのが不思議だった。今とは感覚が違うのかな。夫も共に狂ったようになるのが苛々し

          読書記録① 死の棘/島尾敏雄

          始めた理由

          祖父の「断片自分史」を読んだから。祖父の名前で検索するとページが出てきて、祖父の描いた文章が読み、欠片でも思いを知ることができる。これは貴重なことだと思った。 それと同時に、これまでの自分の文章も、遡りやすい形でひとところに集めておきたいと思った。 続けられるかどうかは分からないけれど、日々感じたことや学んだことも、新たに残しておきたいと思う。

          始めた理由