【読書】若だんな抜きでがんばる妖たち~『またあおう しゃばけ外伝』(畠中恵)~
文庫オリジナルの、しゃばけシリーズ外伝です。
↑kindle版
外伝ということで、すべての話が若だんな抜きで進行します。若だんながいなくても、問題解決のために一生懸命がんばる妖たちが健気です。特に屏風のぞきは、「若だんなであったら、こう考える」といって、いつになく(?)鋭い推測を、表題作の「またあおう」で見せます。
「はじめての使い」は、戸塚だの品農坂だの境木だの保土ケ谷だの、横浜市民にお馴染みの地名が出てきて、楽しかったです。とはいえ楽しいだけではなく、とら次が自分の未熟さを思い知る話なので、ちょっと身につまされ、切なくもありましたが。
なおシリーズ第20弾の『もういちど」』を読んだ時、もう一つ話がつながらないなと思っていたのですが、今巻の「一つ足りない」を踏まえていたのだと、合点がいきました。
『もういちど』では、そろそろしゃばけシリーズを読むのをやめようかとも思っていたのですが、この外伝は楽しくするする読むことができました。畠中さんの作品は、出来に波があるから、逆に気になって読んでしまうんですよね。
見出し画像は、「またあおう」にちなみ、桃太郎を題材にした倉敷市のマンホール蓋です。
↑文庫版
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