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ムセイオンの描写が素晴らしい~『プリニウス 8巻』(ヤマザキマリ、とり・みき)~

*この記事は、2019年4月のブログの記事を再構成したものです。


前巻は、ちょっと中だるみかなぁと思っていたのですが、今巻でまた巻き返してきた感じです。

↑kindle版


プリニウスの旅は、まだまだ続きます。今回は、アレクサンドリアにクレタ島、最後はロードス島に着いたところで、次巻へ続く、でした。


アレクサンドリアのムセイオン、それに付属する図書館は、こんな感じだったのかと感心します。とり・みきの想像で描かれたものではありますが、そう外れてはいない気がします。

アレクサンドリアで一行が出会った発明家のじいさん、すごくアルキメデスっぽいのですが、プリニウスの時代より300年近く前に死んでいるので、違いますね。アルキメデスの発明家としての遺伝子を受け継ぐ人、といったところでしょうか。


クレタ島でのミノタウロス退治では、フェリクスさんが大活躍ですが、まさかあのお守りが役に立つとは(^-^;


ローマパートでは、ネロがポッパエアの死をきっかけに、ますます常軌を逸していきます。ポッパエアも決してまともとは言いがたいですが、せっかく死の直前には正しいことをしようとしていたのに……。

それにしても、憎たらしいのはティゲリヌス! どういう目的でネロの道を誤らせているのか分からないところが、不気味です。


あと、今巻ではプリニウスとカラス使いの子の火山の噴火についての対話で、プリニウスの死が暗示されています。

「総督は何でも面白がってすぐ見にいっちゃうから、そういう時は逃げなきゃだめだよ」「心配無用だ。そのくらいの判断は私にもつく」

いや、結局あなた、その判断がつかなかったでしょうが(T_T)


続きが気になる上、そろそろ今までの巻の内容があやしくなってきたので、現在7巻を読み返し中です。


見出し画像には、アレクサンドリアのムセイオンは図書館も付属していたので、図書館の写真を使わせていただきました。


↑コミック版



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