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安藤忠雄さん寄贈の図書館「こども本の森 中之島」に行ってきた。 【絵本1000冊チャレンジ番外編】

1000日チャレンジで絵本1000冊をしていて500回目を迎えました。ようやく半分。なんとか更新も毎日続いています。

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本屋さんで絵本に特化したところってわりとあるんですが、こども向け図書館がオープンしたと知って「行きたい〜」ってなりました。確か建築前から取組みが画期的なこともあってメディアで話題になっていた気が。寄付金を募っていた時をなんとなく覚えています(今も継続して募集中!ふるさと納税制度も使える)。

未来の子どもたちに豊かな体験と感性を与える継続的な取組みは、とても素敵です。

大阪出身の建築家である安藤忠雄氏より、「本や芸術文化を通じて子どもたちが豊かな創造力を育む施設として活用するため、中之島公園内に「(仮称)こども本の森 中之島」を整備し、大阪市に寄附するとともに、運営費用については、広く賛同者を募り大阪市への寄附を呼びかけていきたい」という提案を受けた。

「子ども等に対し、文学を中心とした良質で多様な芸術文化等に触れる機会を提供する施設として開館すること」を条件に、負担付き寄附の受納について、市会で議決。
寄附金の募集開始。

そして、2020年7月5日「こども本の森 中之島」がオープンしました。

本当は3月にオープン予定だったのですが、コロナで延期になってようやくオープンした感じ。

天井まである本棚は圧巻!いろんなテーマを眺めながら、本を手に取るのが楽しい。

図書館の建築設計、寄贈は、安藤忠雄さん、名誉館長に京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授。

行きたいーとなってから、サイトをチェックすると予約制。これがまたサイトが全然つながらないくらい大人気でして、3回目のチャレンジでやっと予約が取れました。ということで、11月中旬にようやく行ってきました!

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3階建てで、天井まで本棚が並んでいる様子は圧巻!!下から5段目以上は、ぜんぶフェイス陳列で飾りのように固定されているので手に取ることはできませんが、その下の本棚にちゃんともう一冊読む用が置いてあります。本棚は天井まであるけれど、圧迫感はありません。

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館内は写真OK。でも階段のそばと3階の回廊となっている場所は禁止されてました。

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テーマがいろいろあって、それに関する本が集めて展示してあります。

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こどもの図書館といっても子ども用だけでなく、デザイン、写真、建築、暮らし、食、SDGsみたいなテーマもあるので、大人が見ても飽きることなく楽しめる空間です。話題の漫画とかも置いてあった。

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たぶんひとつの予約枠で75名くらいがいっしょに入れたと思うのだけど、小さなお子さん連れが半分、大人同志が半分くらいだった気がします。平日だったこともあるけど。

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座ってゆっくり読むこともできます。あとちょっと狭い空間のところで秘密基地みたいに篭って読むのとかもたのしい。

子どもちゃん(たぶん2、3才らへん)がおしりぷりぷりっとしながらトコトコ歩き、選んだ絵本を「これ読んで!」ねだって、床にペタッと座り込んで読んでもらってたりするのが超可愛いくってほのぼの。

いっぱいテーマがあって、全部を巡っていると1時間半じゃ全然足りない!

安藤さんの建築の遊びゴコロの部分、想像力をかきたてる秘密の空間。

安藤さんの建築というと、コンクリート打ちっぱなしが有名です。あとちょっとした余白というか、一見何だろう?と謎の部分があるのも魅力のひとつ。この図書館では、円柱の部分で、丸い天窓が空いているだけのところ。空から降り注ぐ光を仰ぎ見ながら想像力をかきたてる秘密の空間です。

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安藤さんの建築のお話も絵本になっています。

青いりんごのオブジェがシンボル。

図書館の入り口にある青いリンゴのオブジェ。サミュエル・ウルマンの「青春」の詩がモチーフになっています。

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青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ
優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心
安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ

年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる
歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ
苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、
精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう
年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か

曰く「驚異えの愛慕心」空にひらめく星晨、その輝きにも似たる
事物や思想の対する欽迎、事に處する剛毅な挑戦、小児の如く
求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。

    人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる
    人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる
    希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる

大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大そして
偉力と霊感を受ける限り、人の若さは失われない
これらの霊感が絶え、悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、
皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至ればこの時にこそ
人は全くに老いて神の憐れみを乞う他はなくなる

赤いりんごの成熟ではなく、それに至るまでの人生のおける青春の時間、心のありよう、いつまでも輝きを失わないようになどの想いも込められています。

グッズも販売していて、記念に買っちゃいました。青リンゴアメは、大阪のパイン飴で有名なパイン株式会社が製造。

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神戸にも安藤さん寄贈のこども図書館が2021年できる予定です。

完成までの裏方スタッフが見えることも素敵。

個人的には、サイトにこれまで関わっているひとたち(普段は裏方であるひとたち)のクレジットが載っているのもなんかいいなと思いました。もちろん図書館で働いているスタッフさんたち、日常の運営と来館のおもてなしをしているひとたちが主役ですけど。あと寄付をした人びとも。

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( ↑ サイトよりキャプチャさせていただきました)

中之島は古くてあたらしいエリア、レトロな建物といっしょに愉しめるお洒落な散策コースが魅力的。

中之島エリアは大阪から一駅、歩いても15〜20分くらいにあるエリアです。堂島川と土佐堀川の近辺。大阪の土地勘がわからないひとにざっくりと説明すると、歩いたら大阪(梅田)駅 → 北新地 → 中之島 みたいな感じで行ける感じ。図書館から川をはさんだ対角には北浜があって、そこは金融エリア、そして本町は大阪のオフィス街です。わたしは地下鉄御堂筋線で「淀屋橋駅」で降りて、大阪市役所、中之島公会堂のところを通っていくことが多いかな。

歴史的でレトロ建物が残っている一方で、肥後橋エリアなどは新しい高層ビルが建築中で、オフィスがどんどん移転していてビジネス街としても勢いがあるエリア。

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また周囲はあたらしく開発工事の途中だったり。

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少し歩くと、大阪市中央公会堂があります。

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この季節、夜は御堂筋をはじめ周囲のイルミネーションがとても綺麗です。

北から南へ走っている御堂筋もイルミネーションで綺麗なので、夜の散策にもぴったり。

ランチは、北欧好きとして以前から行ってみたかった中之島図書館の中にある北欧オープンサンドのお店「スモーブローキッチン」へ。こちらもレトロな建物内にあって、雰囲気も美味しさでも超オススメ!

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中之島は近くに美術館もたくさんあるし、レトロな建物を眺めながら、水の都、大阪の歴史を堪能できる散策エリア。図書館とあわせていっしょにいろいろ巡ってほしい。

「こども本の森 中之島」の予約を取るのはちょっと大変だけど、子ども連れはもちろんのこと、大人だけでもぜひぜひ行ってみて欲しい図書館です。


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