第十の叫び-私が死ねばいいんですか!-
時代は少しさかのぼり。
小学校の頃、僕は不登校だった。
学校が嫌いではなかった。学校が怖かった。
家庭が怖かった。
後で祖母が母に話したことがあるらしい。
「この子は、寝ているときでもおびえた、悲しい表情をしているよ」
不登校が続いたある日、学校の担任から自宅に電話がかかってきた。
不登校がつづいたことを心配したのだろう。まあ、担任なら当然のことだ。
電話口でのやりとりはわからないが、母はしきりにこう言っていた。
「いや・・・特に変わりはないですね。本人が『甘えている』だけだと思うんですけど」
そうだ、確かにそうだよ。僕は逃げていた。怖かったから。すべてが。
そんなやりとりが何度かあったのちの、ある日。
電話で突然怒鳴る母の声が聞こえた。
「私が死ねばいいんですか!」
何度も書くが、電話口でのやりとりはわからない。
どんな言葉のやりとりがあったのかは。
ただ、まさか担任の先生が、「お母さん、死んでください」なんて言うことはないだろう。
返答に困ったら、母はよく怒鳴る。いわゆる「逆切れ」っていうやつかな。
父のほうは、僕が不登校だと知ると思い切り殴りつけてきた日もあった。
殴られることはどうでもよかった。少し(身体的に)痛い思いをすればいいだけのことだから。
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