【起業から半年】浅く広くスキルを強みに

今、弊社は20名ほどの業務委託のメンバーに支えられて
2つのソフトウェアサービスを展開しています。

創業から半年経って、過去の振り返りをしながら
最近の考えをまとめようと思ったとき、
掲題の件が思い浮かびました。


短所の裏返しは、長所なんて話があるが、私は何のプロフェッショナルか?と聞かれたら飲み会の幹事以外に、謙遜なしで語れる、強いプロフェッショナル肩書きや職種名がなくて困っていました。

逆に、エンジニア以外の仕事は、
2社の就業経験と、そのあとのスタートアップ複数社での業務委託経験を通じて、薄〜いものも含めると、割となんでもやってきています。


思えば新卒就活を始めたとき(※今はマインド変わったところもあり)も
困っていました。

理由としては、
・ビジネスマンとしての解像度の高い野望はない
・体育会部活動経験ない・負けず嫌いじゃない
・インターンをしていた訳ではない(ので、ビジネススキルに自分の何が何にいきるのか不明)
・目がギラついてない(高校生までデフォルトがチベスナ顔)
・「成長」とは何かが、よく分からない

今思うと、自分が描く「強そうな就活生像」との解離なだけだった気もするが、根本の困っていた内容は今と変わらない気がします。

目力が強い人が多い会社の就活にいくと、先輩社員や内定者が
「会社に入って、鼻を折られた」
と言っていて、何故社会に出ていないのに、社会で通用するという自信があったのか聞きたかったくらいだったが、反面その自己肯定感が羨ましかったです。

結局、新卒就活では、
・4年続けた厳しいアルバイトの話
・サークル内での人を巻き込む力の話
・サークル内の活動を通した自己認識の話
をしていました。
これらの話を通じて、入りたい会社からは内定をもらえ、就活を通しての自己分析と社会の入り口勉強としてはそれなりの結果満足度を自分に与えていました。


ただ、会社に入社すると
改めて「負けず嫌い」精神の弱さに起因する様々なことに困り始めます。

1社目は、大手人材派遣会社です。
営業→採用企画→マーケティングの部門を3部署経験させてもらえました。

ただ、自分があの会社に何を貢献できたのか分からない。

毎回360度評価では、ムードメーカー(笑)という良い(???)評価と共に、「業務の優先順位を間違えている」という定性コメントを毎度もらっていました。(恥)

マネージャーや、先輩、営業アシスタントさんから言われたことに
対応しなきゃと焦り、心に言われたことが刻まれ、時に傷つき
心に言葉は浸透しているのだが、、、
たぶん、今思うと、一番して欲しかったであろう仕事、

つまり

・営業部門では「電話を貪欲にかけまくる(目的:新規アポ獲得、営業クロージング)」
・企画部門では「貪欲にPDCAを回す」「定期報告書類の作成」
といったような仕事は、常に頭の中に大きく占めているものの
優先度としては「どうせやるし」というスタンスで後回しにしていて
「貪欲に結果を追う」とは温度感の違う、責任感でのみ行動していました。常に貪欲に数字を追うマインドを持っている人たちにある種の羨ましさを感じていました。

責任感はそれなりにあるので、完全に投げ出すことはしない一方、
優先度を2番目以下にしていた私は、優先度高として何をしていたかというと、
・他部署からの依頼 / 問い合わせや顧客からの要望に応えたり
(緊急度は高いが、半期ごとにミッションを設ける当社としては、メンバーの役割としては全く求められていない)
・できる仕事 / 得意な仕事(大体年齢的下っ端ということもあり、チームの盛り上げ施策など)
をしていました。
故に、就業時間が少ないという訳でもなかったです。
(が、これらは、会社のほかの人(の多く)からしたらいったん後回しにするタスクでした。)

私は、大きなチャンスとたくさんの教えをくれたこの会社を4年ちょっとで退職しました。

もっと早く転職してもよかったような感覚もあるのですが、実際の転職をするまではベンチャーの方が向いていそうだ、という感覚以上には
何も降りてきていなかったので、フットワークが軽い自分ですら、具体行動があまりにイメージできないため、転職活動もしていなかったです。
「自分は一体、何をしたいのだろうか?」
「何もできない自分が、今転職して何を新たな会社に提供だろうか?」

人材系の会社にいると、毎日毎日、自社のサービスを使ってくれている方々の就職活動に触れます。
「この人たちはきちんと自己PRができている。キャリアを積んでいる。私は何のプロフェッショナルなのだろうか?」
この気持ちと戦っている人も多い。私もその一人でした。

やがて、新卒3年目頃になると、「ここは自分の活躍フィールドではない」という感覚はどんどん強くなってきました。でも仕事の話ができる・相談できる相手は、自社の人ばかり。(とても面倒見のよい風通しのよい会社ということもあり)

それもあってか、自社以外にいる自分は何をしている姿なのか、全くイメージがわかなかったのです。
マーケティング部門にいたので、毎日千〜万単位の求人データと睨めっこしているのに、です。


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時を経て。

大学を卒業して、2社経験した後、私は起業をすることにしました。
現在、創業して半年経ちました。
(今まで感じてきた矛盾と、それに対しての変化があった話は
今回は割愛。)



コンプレックスだった、「浅く広く」「優先順位問題」が
今、強みになってきている感覚があります。

エンジニアリング以外の仕事を一通り薄〜く関わり
手や頭を動かしたりして触れてきたことで、
浅く広いなりにどう強みになったのか…?

【考える強み】
①自分と違う能力を強みとする人の仕事に感謝・感激ができる
②買い叩きたくない気持ちを持てる
③自分が早い作業・遅い作業を認識している
④あるタスクを依頼される人の辛み・成長できるスキルが分かる



食わず嫌いでなく、業務を一通りやった上での
実体験を通じた感覚があるからできるはず。
(※主に「浅く広く」の方の強みについてなので、「優先順位問題」についてはまた今度。)


あれ。
これって、結構、
起業人としてはいいスキルじゃない?


と思ったのが最近です。


起業をする人のイメージは、
・会社での成績が良い人がする
・最速出世の人がする
・学生時代から起業を想定していた人がする
ものだと思っていたし、そうあるべきともちょっと思っていました。


「そうでない人間も、実は、別の観点で起業家に向いているのかもしれない。」

長い間、悩んでいた自分のスキルセットを肯定できる、
肯定しなければ、と思えるようになってきました。


こういう実体験から、
「仕事は好きだし、頑張っているのに何故か空回りする…」


という自分みたいな仕事好きだけど、仕事を通じての自己肯定感に悩んでいる人に、
起業というハードルを下げ、活躍の場の一つとして
考えてもらえる社会にできたらいいなと思うようになりました。

転職、フリーランスになる
という行動以外の、社会活躍の場としての選択肢を
一つ増やしてもらいたいです。

今の自分の実績で、それを新たに思ってもらえるにはまだまだですし
きちんと社会に価値提供できてからが起業家としての一人前。

事業の成長と、もう一つの目標ができたと思って、
今後も精進していきたいと、改めて思っています。


創業から約半年のnoteでした。


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