見出し画像

前回からのつづき。"給食業界のナイチンゲール”大西先生にインタビュー🎤

こんにちわ。モルツウェルnote中の人、野津昭子です。
前回「モルツウェルとゆかいな仲間たち#5」で紹介させていただいた、私が勝手に"給食業界のナイチンゲール"と読んでいる株式会社ジャスタウェイの大西直已先生にお話を伺いました。


1)先生のお仕事内容を教えてください。

主に医療・福祉等の事業所給食に関する経営分析・計画、運営計画、衛生管理計画等を行うコンサルティングをしています。

2)このお仕事をはじめられた思い、原体験を教えてください。

起業する以前は、電力会社のサラリーマンでした。サラリーマン時代は電力をお使いいただくために、設備(ハード)面に特化した営業を行っていましたが、クライアント様に真に必要なものは何かを考えたときに、「ハードではなくソフトが重要」との結論に至りました。しかし、ソフト中心の営業活動を行う場合、電力会社では何かと制約等も多く、十分な対応が出来なかったことからスカイツリーのてっぺんから飛び降りる覚悟(笑)で一念発起し起業しました。

病院や施設内の厨房の問題は、経営、現場責任者など、それぞれ抱えている問題があり、それがつながっていないことが多いいんです。その「切れている問題」をつなげていくのが私の役目だと思っています。

【切れている問題の例】
①経営計画(経営やお金のこと)
②運営計画(設計や何をしたいか)
⓷人員計画(何人でやるか)
④使うアイテム(何を使ってやるのか)


この①~④がつながっておらず、それぞれの立場で何から手を付けてよいかわからない状態になっている組織が多いです。そこに私が横ぐしをさしていく中で、軌道修正をしたり、わからないことがあったら導いたり、一緒に考えたりします。期間はやはり、1年半から2年はかかりますね。短い期間で詰め込んでも、みなさん息切れしてしまいます。しっかり寄り添って成果をだすには、時間は必要です。


でもあくまでも、やるのはクライアントの皆さん。自分たちで目指す姿を見えるようにして、組織が同じゴールに向かって「やってみよ!」と前向きになれる環境をつくるのが私の仕事だと思っています。


3)全国の病院や介護施設などの相談を多数受けられていますよね。全国の給食現場で今何が起こっていますか?

給食現場に限りませんが、「人手不足」「技術力の低下」「コストアップ」等、様々な問題に直面し、どちらの事業所さまも苦闘をされていらっしゃいます。特に給食現場は「いわゆる3K職場」の一つでもあることから、人手不足は特に深刻です。このことは都市部や地方問わず共通な問題です。



4)どんな役職の方からの相談が多いですか?

5年くらい前は給食現場の責任者クラスからのご相談が圧倒的に多かったのですが、ここ2~3年は経営者層(病院では事務長や事務部長、社会福祉法人では理事長や施設長等)からのご相談が多いです。

5)経営判断をされる方々からの相談が多くなったというところから、現場の危機感が伝わってきますね。
具体的に相談事はどんなことが多いですか?
相談事ランキング1位から5位を教えてください。

さまざまな相談事がありますが、相談数から言うと、

1位 給食業務調査(給食委託費と業務内容)

2位 セントラルキッチンやクックチル導入計画の策定・導入支援

3位 業務運営計画や改善計画の策定

4位 HACCP導入支援

5位 調理スタッフ教育

ですね。



6)全国各地で様々な現場があり、立場もそれぞれの方々からの相談に対応されるのはとても大変だと思いますが、指導をされる中で、障壁になるものは何がありますか?

業界はわりと保守的な方が多く、新しいことを受け入れにくい風土が強いです。このため、新しい仕組みや効率化策を提示しても反発や反応の悪さがあります。

そうですよね。モルツウェルも真空調理済み食材の販売を始めた頃は、「うちは手作りにこだわっているんだ。レトルトカレーを利用者に出せるか!」と言われたことがありますww
「変える」ということには人は勇気がいりますよね。


7)先生はその障壁にどう対応されていますか?


介護施設厨房の相談だと、役職ごとに悩みがそれぞれ違ってきます。



できるだけ丁寧で、かつ平易な言葉で繰り返し説明します。例えば、厨房管理者さんへの対応だと、仕組みを変えることでプレーヤーである調理スタッフ自身にメリットが生じるることを説明し、納得感を得てもらうように努めています。


8)お客さまからの質問で一番多いことはなんですか?

質問としてかしこまったほどでもないですが、最近多いのがいろいろなメーカーさんや業者さんから提案を受けられた際に、弊社へ客観的な意見を聞かれることが多くなりました。この点、弊社はコンサルタント会社ですので、公平で客観的な視点でジャッジすることができます。想像ですが、この点を評価・期待していただいているのではないかと思います。


9)モルツウェルの取組について、どう思いますか?

今後ますます人手不足は顕在化してきます。その中において、食事の製造・販売を行う御社の取り組みは、とても重要で、かつ、市場性のある取り組みだと思います。
また、食事販売以外のサービスも手掛けられていることから、食事販売と他のサービスをパッケージ化することで同業他社との差別化が可能ではないかと推察します。


10)モルツウェルの真空調理済み食材「楽盛」の良さを教えてください。

安心安全で美味しく食べられる点がとても良いと思います。また、調理スタッフの労力軽減にも大変寄与していると考えます。また、楽盛は、単品(アイテム)利用も可能なことから、食事のバリエーションも大きく増えるため、利用者さんにとって「飽きのこない」食事を継続して提供できることも強みだと思います。


11)ズバリ、理想の厨房はどんな厨房だと思いますか?

理想の厨房の定義は難しいですね。ただ、美味しい食事が食べれて、働く方が楽しく働き甲斐のある厨房だと皆が「幸せを実感できる」のではないでしょうか?それが、理想と言われればそうかも知れません。

12)最後に一言、メッセージをお願いします。

最近、いろいろな面で余裕がなくなっていると思います。当方が社会人になりたてだった30年前と比べて、スピード感が格段に違い、心の余裕やゆとりが少なくなっているのを実感しています。そんな中で、ぜひ美味しいものを食べている時だけでも、笑顔で時間をゆったり持って過ごしたいと思っています。

ホントそうですよね。
「食事が一番の楽しみです」と私たちもたくさんのお客さまからお話を伺ってきました。これからも、「みんなが幸せになれる厨房づくり」に、柔軟に、そして愚直に、取り組んでいきたいと思います。大西先生、ありがとうございました。


モルツウェル㈱と㈱ジャスタウェイは、「みんなが幸せになれる厨房づくり」のために、今後全国各地で、
給食事業に携わる皆様のスキルアップスクールやセミナーを開催予定です。
詳細が決まりましたら、随時お知らせをしていきます。
どうぞご期待ください♪

つづく。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?