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英訳から学ぶ英語:青のすみか/キタニタツヤ

今回は、キタニタツヤさんが担当されていた、TVアニメ『呪術廻戦』「懐玉・玉折」 オープニングテーマの「青のすみか(Where Our Blue Is)」の英訳から楽しく英語を学習してみましょう!

余談ですが、作中にある五条悟のセリフ「(負けちゃう?に対して)勝つさ」の英訳、"Nah, I'd win."が海外のネットでミーム(ネタ)としてかなり流行っています。気になった方は”Nah, I'd win”で検索して見ると面白いかも!


※歌詞と英訳は上記の公式YouTubeから抽出しています。

日: どこまでも続くような青の季節は
英: In the season of blue that seemed to go on forever

日: 四つ並ぶ眼の前を遮るものは何もない
英: Nothing obstructed the view of the four lined eyes

日: アスファルト、蝉時雨を反射して
英: The asphalt ground was echoing the chorus of cicadas

日: きみという沈黙が聞こえなくなる
英: It prevented me from hearing the silence of you


解説 1

seem: ~のように見える、思われる
go on: 進み続ける、~を続ける

上記の単語を組み合わせると、"seemed to go on"で「進み続けたような、続いたような」、となります。


日常でよく使われる表現 1.1

"What is going on?"
直訳すると「何が進行していますか?」となりますが、日常生活では「何が起きてるの?」という意味で使われます。また挨拶として「よっ、何してるの?」という意味で、"Hey, what's going on?"も頻繁に使われる表現です。


nothing: 何も
obstruct: ~を妨害する、邪魔をする
view: 眺め
line: 一列に並べる

"Nothing obstructed (the view)"で、「何も(眺めの)邪魔をしなかった、遮らなかった」となります。"line"として聞きなじみのある単語ですが、動詞では、「一列に並べる」という意味があります。線もまっすぐなのでイメージしやすいですね。


日常でよく使われる表現 1.2

一列に並べるという意味のある"line"ですが、「列に並んで待つ」という表現ももちろんlineを使って表わすことができます。例えば、"Let's wait in line!"と言えば、「列に並んで待ちましょう!」という意味になります。ここで"in line"とは、「一列になって」という意味が含まれています。


echo: (音が)反響する
chorus: 合唱、(虫などの)声
cicada: セミ

"echo"(エコー)は日本語でも使いますね。"(The asphalt ground was) echoing the chorus"で、「(アスファルトの地面が)合唱を反響させていた」。誰の合唱かと言えば、"the chorus of cicadas"とあるので、「セミの合唱、鳴き声」ということになります。


prevent 〇〇 from 動詞のing形: 〇〇が~するのを防ぐ 
hear: (音を)聞く
silence: 静寂、沈黙

"It prevents me from hearing"で、「私が聞こえるのを防ぐ聞こえなくなる」という意味になります。他には、"Wearing masks prevents people from getting COVID"と言えば、「マスクをすることは、人々がコロナに感染するのを防ぐ」と表わすこともできます。とても使える表現なので、是非とも覚えてみてくださいね。


日: この日々が色褪せる
英: Those days faded away

日: 僕と違うきみの匂いを知ってしまっても
英: Even after I got to know the smell of you, different from mine

日: 置き忘れてきた永遠の底に
英: In the depths of eternity that left behind


解説 2

days: 日々
fade away: 消え去る
even after ~: ~の後でさえ
got to + 動詞の原形: ~できた、~する機会があった
smell: 匂い
different from 〇〇: 〇〇とは違う
depth: どん底
eternity: 永遠
leave behind: 置き去りにする


日常でよく使われる表現 2.1

"Even after"もとても便利な表現です。"even"には、「~でさえ」という意味があり、"after"(後)と組み合わせることで、「~の後でさえ」という表現ができます。

そしてさらに日常で良く使う表現として、"got to"があります。"got to"には"could"と同じ「~できた」という意味がありますが、"could"とほんの少し違うのは、"got to"には、「~する機会があった、チャンスがあった」というニュアンスが含まれています。

例えば、"I finally got to see the movie!" と言えば、「あの映画をやっと(機会があったから)見れた!」と表現することができ、一方で、"I could finally see the movie!"と言えば、「(機会関係なく)やっとあの映画を見ることができた!」となり、「見ることができたこと」に焦点を当てています。どちらを使っても間違いにはならないので、場面によって使い分けてみましょう。


さて、歌詞の解説に戻りましょう。"I got to know"で、「私は(知る機会があったから)知れた」。何を知れたのかというと、"the smell of you"(あなたの匂い)。ここでの"the smell of you"は、"your smell"と置き換えることも可能です。"different from mine"で、「私のとは違う匂い」となります。"even after"と組み合わせることで、「私が私と違う匂いを知ることができた後でさえ」、という意味になります。

そして"leave behind"という表現。"leave"(そのままにして置いておく)と"behind"(後ろに)が組み合わさった表現ですが、「(そのままの状態で)後ろに置いておく=置き去りにする」、とイメージするとわかりやすいです。"Don't leave me behind!"と言えば、「私を後ろに置いていかないで=私を置き去りにしないで」という意味になります。


日: 今でも青が棲んでいる
英: Our blue still lives

日: 今でも青は澄んでいる
英: Our blue is still clear

日: どんな祈りも言葉
英: No prayer or word

日: 近づけるのに、届かなかった
英: could ever reach you, no matter how close they could get to you
 
日: まるで、静かな恋のような
英: In such a color as if it were a silent love
 
日: 頬を伝った夏のような色のなか
英: Or as if it were a summer rolling down a cheek
 
日: きみを呪う言葉がずっと喉の奥につかえてる
英: I've got a curse word for you stuck in the back of my throat

日: 「また会えるよね」って声にならない声
英: It is the unvoiced voice that says, "We'll see each other again, won't we?"


解説 3

still: まだ、今もなお
live: 住む
clear: 澄んでいる
prayer: 祈り
word: 言葉、単語
ever: 決して(ない)
reach: 手が届く、至る
no matter: ~に関係なく
close: 近い
get to ~: ~に着く 
as if it were ~: まるで~のように
roll down: 転がり落ちる
cheek: 頬
curse: 呪う
stuck: 引っかかる
throat: 喉 
unvoiced: 無声の

さて、たくさんの単語と表現が並んでいますね。
まずは、"No prayer or word could ever reach you"という表現。Noが文頭に来ることによって、文全体が否定されています。"No prayer or word could ~"とあるので、「どんな祈りも言葉も~できなかった」という意味になります。everがcouldに組み合わさっていることによって、さらに「決してできなかった」と強調されています。

続く、"no matter how close"という表現。"how"には、「どれくらい」という意味があるので、"how close"で「どれくらい近く」、そしてno matterとhow closeを組み合わせることで、「どれくらい近くても関係なく」と表現することができます。

同文に"get to"がありますが、解説 2で説明した意味とは異なり、"get to + 〇〇(場所または人)"で、「〇〇に行く、届く」という意味になります。全て合わせると、"no matter how close they could get to you"で、「(祈りや言葉が)あなたにどれだけ近づいても」と表現できます。
 
そして難しい表現である、"as if it were"。「itなのにwere? wasじゃないの?」と思いますよね。実際、"as if it was"でも間違いではなく、どちらの表現を選ぶのかネイティブの中でも人によって異なるようです。
※ここでは具体的な説明は省きますが、asを取り除いて、"if it were"や"if it was"と言う場合、この二つには明確なニュアンスの違いがあるので気をつけてください
"as if"だけで「まるで」という意味になります。


日常でよく使われる表現 3.1

"stuck"(stickの過去形、過去分詞形)は、日常でもとても役立つ英単語です。歌詞のように"stuck in the back of my throat"と言えば、「喉の奥に引っかかった」と表現することもできるし、宿題をしている時に"I'm stuck"と言えば、問題が解けなくて「行き詰まった」と表現することもできます。イメージとしては、「その場から動かない=困った」というような感じです。

「まるで」の意味をもつ、"as if"は実は単独で使うこともできるんです!例えば、"Did you pass the exam?(試験には合格できた?)"と聞かれ、"As if."と答えていたら、「そんな訳ないでしょ」、「まさか」という返答になるのです。他に似た意味合いの表現として、"I doubt it(無理だろうね)"もよく耳にする英語です。


まとめ

いかがだったでしょうか?できれば全歌詞の英訳を解説したかったのですが、さすがに長すぎたため一番だけになってしまいました。。
歌詞には詩的な表現が多く英訳も難しくなりやすいですが、好きな音楽なら楽しみながら単語力や表現力を上げることができるので、おすすめの勉強方法です!ぜひこの記事も「青のすみか」を聴きながら、勉強していただけると嬉しいです!

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