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忘れてた思い出

編集さんから電話だと思ったら現像所からの電話だった。うっかり八兵衛で登録を間違えていた。フィルムは出していないのに何だろう、と思ったら受け取り忘れているネガが一本あるとの連絡。気分転換に外に行くついでに、ハガキの裏にメモした控えのフィルム番号を持って向かう。

控えの番号と電話番号を伝えて、フィルムは私のところに戻ってきた。この、フィルムを受け取る瞬間とか、メンテナンスから帰ってきたカメラを受け取る瞬間とか、「ただいま〜」という声が聞こえる。「忘れててゴメン。」と伝える。そんなやりとりが実はあるのだ。誰にも見えなければ誰にも聞こえないが、実際にそのやりとりは必ずある。

この日のことを思い出した。いつものように散歩した日だった。忘れていたのに蘇ってくる。私が覚えていなくても、写真は覚えているのだからすごい。写真にはもしかしたら、念のようなものもあるのかもしれないな。

だから生きているうちに写真を撮りたくなって、文章を書きたくなるんじゃないか。私がいなくなっても、私がいたことの証明となるから。あまりにもデカい夢を託されている私の写真。まあ、写真やカメラたちにはテキトーに聞き流しておいてほしいな。

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