見出し画像

【趣味コン③】 説明は上手だけど、会話のキャッチボールがない理系

ハズレだった宇宙ミュージアムでの趣味コン。一人だけ、私もMちゃんも「お、(いいかも?)」と、一瞬目を輝かせた人物がいた。Sくんとする。

自己紹介のとき、Sくんはこう言った。
「僕ロマン系なんで、宇宙とか好きなんですよ」
え、ロマン系ってなに?? 気になる。

そのままグループでミュージアムをめぐっている最中、Mちゃんが銀河の写真の前で立ち止まった。
「これ、ブラックホールですか?」
総ツッコミを受ける。そもそもブラックホールって写真に写せるのか?

「いま私、ブラックホールのなかにいるんです※」と続けるMちゃん。
※鬱々とした精神状態に陥りなかなか抜けられないこと。詳しくは【趣味コン①】を参照。
私以外の人から見たら、完全な不思議ちゃんである。

ところがSくんは、ブラックホールのなかに入ったらどうなるかを解説し始めた。
「外の時間がゆっくり流れているように見えるらしいですよ」
ちょっと待って、それってどういう状況?
「わかるー」とMちゃん。
わかるんかいっ!
「どうすれば出れるんですか?」
これがMちゃんの悩み相談であることなどつゆ知らず、Sくんは「出れないんじゃないですか」とバッサリ。はらはらする。
「もし出れた場合は、もう人間ではなくなっているらしいですよ」
え、だからさっきからどういう状況よ。
「こわい・・・」
どんな想像してるのよ。

正確かどうかは置いておいて、Sくんは宇宙に関する知識が豊富で、それを楽しそうに披露した。静かで理路整然としたしゃべり方は知的な印象を与えた。いい大学を出ているんだろうなぁ、と容易に想像できた。
「細胞の研究をしていた時期がある」とも言っていたから、理系の院生だったのかな。

私は、こういう知性の香りがする男性に、めっぽう弱い。
それは言葉の使い方、例えば 説明の上手さ に現れる。Sくんは、宇宙の仕組みの説明がなかなかに上手で、私をちょっとだけうっとりさせた。

しかしプログラムが終わってから、Mちゃんはこう言った。

「ありゃあ付き合ったら幸せになれないですよ」

曰く、Sくんは自分が興味のあること以外には無関心。つまり、相手の話(自分が興味のあること以外)を聞く気がない
「グループが変わってからもずっとSくんを観察してたんですよ」
すると、ほかの女の子と話しているときも、Sくんの独壇場で、会話のキャッチボールが成立していなかったという。

なるほど。。

「あいつと同じですよ」
Mちゃんはソーシャルアパートメント時代に同じ屋根の下で過ごした、某高学歴・理系男を思い出していた。
最近結婚したが、すぐに妻がメンヘラDV女へと豹変した。私たちはあやつの理数脳のせいだとふんでいる。追い追い書きたいと思う。

<つづく>
※このnoteに書いていることはすべて実話です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?