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才能~ギフト~ ※詩の朗読台本

僕には才能がない。
好きは才能だとか、そんな生ぬるいものでは何かになれない。
そんな覚悟では他の才能に殺される。

(間)

好きな事が夢になった時、
途端に自分の世界から現実に引き戻される。

(間)

1番になりたい、何かになりたい、
でも、
誰かの方が拍手や声援が大きかったり、
誰かが夢に近づいているのを見たりすると、
僕の中にある夢を描く鉛筆は尖っていく。
自分も、自分も、
ああ、もっともっとこうしなければと思うと
研がれていく鉛筆の先端はもう、

(息を殺すように、そしてだんだん狂うように)
何かに触れた瞬間、折れてしまう。
もう、夢を描けない。
どう頑張れば、
どうすれば、

(叫ぶように)…どうしたらいい!

(間)

僕には才能がない。
好きだけで夢なんて描けるほど、僕には才能がない。
好きな事が、夢に。
そうして、夢を現実にする時は好きな事が楽しくないと感じた時、

僕は僕に期待するのをやめてしまったんだ。

[完]

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