見出し画像

【ショートストーリー】ウロボロスの夢(文字数400文字)

森の中、人が一人倒れている。白い透明感のあるワンピースを着てうつ伏せになっている。

その周りを大量の蛇が囲いっている。何かの意志でも介在しているかのように円の形に。いくつかの蛇は倒れている人に噛みついてるようだ。

さらにその周りを大勢の人が囲っている。倒れている人を遠巻きに見ている人、写真を撮る人、蛇を駆除しようと勇敢に立ち向かう人と様々な様相だ。

なぜ、このようなことに?

わからない。そもそも私はなぜこのような光景を眺めているのかもわからない。部屋で寝ていたら、突然周囲が騒がしくなり、知人が呼びに来た。知人に連れられるままに付いて行ったら遭遇したのだ。

倒れている人は無事なのだろうか、何が起こったのだろうか。

知りたい。

不謹慎ではあるが、真実を知りたいという想いの萌芽を止められない。

人混みから抜け出し、蛇の輪に近づく。

ここで目が覚めた。どうやら夢だったらしい。

「起きてるか?」

おっと知人が来たようだ。

この記事が参加している募集

スキしてみて

ここまで読んでくださってありがとうございます! もし応援していただけたら自分への投資とNPO法人東京キャットガーディアンへの募金に使わせていただきます。