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【腰戦記】筋膜リリース注射初体験

(前回までのあらすじ)四年に渡る原因不明の腰痛に苦しむ中、新しい治療法「筋膜リリース注射」が最近では多くの医院で行われていることを知り…?!

数年前はこの治療してる所ほとんどなかったのに、今はこんなにあるのか!と驚きながら、全国の様々な医院のホームページの筋膜リリース注射の解説を読みあさる。

この治療の名称は「エコーガイド下筋膜リリース注射」。筋膜リリースと言わず、ハイドロリリース、Fascia(ファシア)リリースと呼ぶところもあり、局所麻酔の有無や詳細な理論の違いがある様子。

とりあえずここではまとめて「筋膜リリース注射」と呼ぶことにする。

調べた内容をざっくりまとめると、

レントゲンやMRIで異常がない慢性疼痛は、重なる負担で筋肉を包む筋膜が厚く硬いしこりになってしまい、そこが痛みを発している「トリガーポイント」になっていることが多い。その病気を専門用語では「筋・筋膜性疼痛症候群」と呼ぶ。

ここまで読んで、たぶん私このパターンかなとは思った。


筋膜リリース注射は、筋膜が肥厚した箇所に高確率で存在するトリガーポイントへ、エコーで目視確認しながら局所麻酔や生理食塩水の薬液を注射することで、何層にも厚く重なった筋膜を一枚ずつバラバラに剥がし、痛み物質を洗い流し血流を良くし、痛みを解消する。
患者の治療の痛みや体の負担も小さく、薬液は基本的に局所麻酔や生理食塩水なので副作用もごく小さい。

日本ではごく最近の治療法で、理論や研究もまだわからないことが多いらしい。

はっきり書かれてはいないが、保険診療の施術の場合は生理食塩水に局所麻酔が含まれて一度に射せる本数は一本のみ、自費診療の施術の場合は生理食塩水オンリーで一本ごとに料金加算し一度に何本も射せるように読み取れた。(詳細は違うかもしれない)

なお、後からわかることだが保険診療では確かに注射は一度に一本のみだが、数ヵ所に分けても効果は変わらないので2〜3箇所に打ってもらうことも可能だった。医者にかかったら早めに確認するとよい。

まずは保険がきくところだろ!と通える医者を「筋膜リリース注射 保険適用 ◎◎(都道府県名)」でネットで探す。

そして関東にある整形外科個人医院へ。一時間かかるが、ネットの口コミで常に繁盛と書いてあり、ホームページの説明が丁寧でエコー診断に力を入れてるところに決めた。

(医院名を知りたい場合は、note個別問い合わせフォームや他SNSの個別メッセージでご連絡下さい)

ホームページに、筋膜リリース注射希望者は問診票に明記するか院長に直接相談するように、とあったので、初診の問診票に「筋膜リリース注射希望」と記入して提出。

正直、もうなにやっても治らないんだから今回もダメだろうな〜。たぶん四年も痛んでると痛みの神経回路がバカになっちゃってて、どんな弱い刺激でもすぐに「ハイ痛みでーす!」と流してる状態だろうしな…と気休め扱いだった。

実際「慢性疼痛」などでググると、本当に慢性疼痛は長すぎる痛みで神経回路がすぐ痛みを発するアホになってるという研究内容が出てくるので、その要素もあるだろう。

そうこうしてるうちに、順番を呼ばれて診察室へ。

医者の先生はマスクで口元は見えないが目元と声が星野源っぽいシュッとした人だった。
「筋膜リリース注射を希望とのことですが、腰はいつから痛いんですか?」
「四年前です」
「四年前!?」
というやりとりからスタートし、レントゲンやMRIで異常がないが痛みが続いていることを説明。
前屈や後屈をして痛みの度合いと箇所をチェックし、どこが一番痛むのか問診。

その後改めてレントゲンを撮り、やはり骨には異常がないのを確認。

ただ、異常はないが背骨のS字カーブが無く、筋肉に負担がかかり腰を痛めやすい骨格とのこと。ぎっくり腰で来院する人はほとんどコレという。

また余談だが、四年前はなかった軽い側彎が発生していた。明らかに背骨が左右にカーブしている。ギョエ!となったが、星野源寄りの医者いわく気にする程度ではないと完全スルー。何年もガチガチに縮んだ筋肉に左右から引っ張られ続けていると背骨も湾曲するのだろう。

星野源っぽい医者は、筋膜リリース注射の仕組みをざっくりと説明し「効果の長さや治療回数や頻度は人それぞれです。ここでは10回以内で終わる人が多いです」とのこと。1回で完治というわけには行かなそうだ。

そして、では始めます横になってくださいと促され、ペロンと腰をめくってうつぶせに。薬液が入った注射器を構え始めたので、かなり星野源な医者の顔が見えないまま慌てて念のための確認。
「あ、あの、注射する薬ってなんなんですか?」
「薄い麻酔みたいなものですよ、大丈夫です」(声が星野源)
「い、痛いですか?」
「そんなに痛くないですよ、針は太くないですから」(声が星野源)

ネットで調べた所によると、痛みを発しているトリガーポイントを探し当てることが重要で、時には痛む部分とは離れている所がトリガーポイントなこともあるとのことだった。だいたい星野源になってきた医者がトリガーポイントを探すのかな?と思ったが、
「どこが痛いですか?このあたり?」と問診で答えた痛む箇所周辺をほぼ星野源が指圧してくる。痛い自己申告の箇所を狙うスタイルだった。
「もうちょっと上です、もうちょっと内側です、あ!そこです!」と微調整してもらい、左側の背骨付け根あたりに打つ場所を決める。
そこにエコーのハンドルを当てると、枕元にもってきたエコー画面を指差し
「この黒いのが背骨で、上の白いのが皮膚です、このあたりの白いのが筋膜なのでここを狙いましょう」と星野源の声で説明してくれる。


黒い画面に白い細かい線がモヤモヤしてるばかりでよくわからないので、ハアなるほど…と曖昧に答えてると「チクッとしますよ〜」とついに星野源が注射針を皮膚にイン!

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…ハッ、ここは星野源が医者をしている世界じゃなかった。危ない危ない。

痛みについては、太い中国鍼を深くまで何本も刺して痛いので有名な北京堂の鍼を何度も経験していたため、全然余裕だった。

とは言え無痛というわけではない。小学生なら泣くかも。針が細いので皮膚をつく痛みは採血と同様のチクリ程度だが、筋肉にささるとビクッとする重い刺激と、拘縮した筋肉がさらに強くギュッと収縮する感覚がある。鍼灸で言うところの「響き」に近い。
星野源はエコー画面を見ながら針を押し進め、筋膜に届いたら薬液をいれ始める。
薬液がはいると、温かい液体がモワッ…ミリミリ…と筋肉の間に押し入る感覚が広がり、筋肉と筋肉が剥がれていくのがわかる。

数回やってから確信したが、うまくトリガーポイントに当たっていると、強い指圧をしてもらったような、そこそこ〜!まさにそこ!と言うようなイタ気持ちよさがある。トリガーポイントを外れているとあまり感じないようだ。

そして同じく後から他と比較してわかるのだが、この星野源は注射を刺し方や、トリガーポイントを狙うのがうまく腕がいい。

「画面見れますか?ここに液が入っていってますね」
と言われてエコー画面を見ると、薬液の注入に伴い、白いモヤモヤ層が上下にはがれて別れ、分散していくのがわかる。

はい終わりですと針を抜かれ、刺した箇所に小さな絆創膏を貼り、うつ伏せになってから3分ほどで終了。
初回は一番痛む部分に一ヶ所のみ。
様子をみて一週間ぐらいにまた来て下さいと言われ、リハビリ室で電気を流して終了。バイバイ星野源。

会計は初診代、レントゲン代、リハビリ代、処方代と合わせて4千数百円。筋肉を弛緩させる薬と、痛み止めと胃薬を処方された。

さて効果は…?!ゴゴゴ…

(次回へ続く)

https://note.com/mao_note/n/n829b2049cc8a


腰痛や子宮筋腫の治療代になります。