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自分にとっての働きやすさとは

最近、自分について考えることが増えた。
自分の長所・短所は何か、今不安なことは何か、過去のこと、自分が心地よいと感じること、苦手なことなどとにかくふとした瞬間に思いついたテーマでノートに書き留めている。始めた理由はこれから自分が生きやすくなるために、自分の嘘偽りのない姿を知りたいから。自分のことを考える余裕が出てきたということは、少しずついい方向に回復しているのかもしれない。

就活のときの自己分析は、正直、自分から企業に合わせてしまっていた。自分にはこんないいところがあるのだから、それを強みにこの会社で働きたい、そう考えるのが本来の在り方だろう。だけど、そんな余裕もなくなってしまうくらい、就活は残酷で、学歴やガクチカを見て判断された。周りと比べて、どれだけ自分は個性的で活躍出来る人材かをアピールしなければならない。それなのに社会に出ると会社の一員として和を乱さず、周りとの調和を大切にコミュニケーションを取れることが何よりも求められる。就活では個性を求めるのに、社会に出るとみんなで揃って横並びになることが求められるなんて矛盾しているなぁ、と思う。

新卒で社会人になって休職したけれど、大学時代の塾講師のアルバイトは自然と4年間続けられた。他にも飲食やデパ地下、結婚式場に水族館と色々やってみたものの、ことごとく合わなくてすぐに辞めてしまった。その中で唯一残ったのが塾講師だった。

バイトだから責任感が少なかったのもあるし、何より家から徒歩10分のところにあるので、電車に乗って通勤するストレスがなかった。時間的な拘束も他のバイトに比べたら少なくて2時間〜4時間くらい。夏期講習などの時期になるともう少し長くなるけれど、基本夕方からの出勤だったのでそれまでのんびりできていたのも大きい。そんな人間がいきなり都内まで朝から夜まで会社に行って毎日往復3時間かけて通勤始めたらそりゃダメージくらうよね。

バイト先の人たちはみんな人が良くて、適度な距離感だった。あくまでもバイトだけの関係で飲み会なども全くなかった。私の学年の大学生は誰もいなかったので、先輩と後輩が沢山いてそれがある意味自分にとっては楽だったのかもしれない。私が4月に入った会社は同期が20人くらいいて、距離感もサークルみたいな感じでみんなで仲良くしなきゃいけないところが精神的に少しキツかった。毎日会社で会ってるのに、半強制的に集まりに誘われたりしてなんでわざわざ休みの日に同期と集まって遊ばなきゃいけないんだ!と思っていた。

塾のバイトはやりがいも大きかった。最初は子どもと接することが苦手だったけれど、いろんな性格の子どもと接しているとそこから得られることも沢山あった。高校生くらいになるともはや対等に話せるし、中学生は部活や友達関係、勉強などの悩みを聞いてると力になってあげたくなる。小学生は一生懸命塾に来ているだけで可愛い。私が教えていた塾は、生徒が固定じゃなかったのでほとんどの生徒と関わりを持てるのも面白かった。教え方は個人の裁量に任せてもらえるので、そういう自由さも自分に合ってたんだろうなと思う。シフト制だし、今週は疲れそうだから少なめに入れようとか自分の体調を考えて調整できたのも良かったと思う。

4年間続けた塾講師だけど、一回だけ本気で辞めたいと思ったことがあった。恥ずかしながら私の努力と学力不足で、生徒に上手く教えられなくて直接文句を言われてしまったことで自信を無くしてしまった。その生徒はすごく頭の良い子だったので、その子の時間を無駄にしてしまったことが申し訳なかったし何より実力不足の自分が恥ずかしかった。

自分にとってその生徒を教えることが次第にストレスになってしまい、そのことを社員さんに打ち明けたら、「全然大丈夫だよ〜!そこまで思い詰めなくても平気だよ、私も〇〇(生徒の名前)に教えられないことあるしさ〜」と言って、担当にならないように配慮してくれた。1人で思い悩むんじゃなくて、案外言ってみるものなのだな、と人を頼ることの大切さを知った。(いまだに頼ることは苦手だけど、、、)

周りの人の良さや教えることのやりがいもあって、私は今年の3月に卒業するまで勤め上げることがてきた。このことは私にとっても自信になったし、何より教えることが楽しかった。塾のバイトは生徒に教えるだけでなくて、自分が生徒から学ぶことも多かった。私はきっと、人と直接関わることで幸せを感じるタイプなのだと思う。自分がやったことに対して、直接相手が喜んでくれる姿を見るのが嬉しい。アナログ人間なので、パソコンと一日中しかめっつらでにらめっこするよりも、人対人で関われる仕事が自分にとってのやりがいにつながるのかなぁと思う。

自分のことを知る作業って案外難しい。
自分のことを良く見せようとして、良い自分でいようとするあまり、本当の自分が見えなくなってしまう時がある。これからも働くことについて少しずつでも考えていきたいな。

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