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わざと叱られたがる子どもたち

昨日の記事でも書かせて頂いた、2月6日発売の本の中身についてです!
タイトルは「周りの大人ができる!発達障害(神経発達症)・グレーゾーンの子が自分で学ぶ力を身につけるための3ステップ」です!

本書の雰囲気を少し感じて頂ければということで、書内に掲載しているコラムをまるまるここに載せさせて頂きます☆

内容を読まれ、少しでも興味をもって下さった方。
本書はkindleにて99円で購入できます。また、kindle Unlimited会員読み放題対象作品です。
読みやすい価格設定になっておりますので、ぜひ一人でも多くの方に読んで頂けると嬉しい限りです。

商品リンクは↓より。
https://amzn.asia/d/2FVAXNA

本の中の記事をそのまま載せておりますので、前後で解説している用語などが出てきて分かりづらいところもあるかもしれませんが…そのあたりは試し読み、ということでご勘弁ください。

ではここから、以下ワンポイントコラムになります。


ワンポイントコラム わざと叱られたがる子どもたち


ところで、『叱る』という行為を考える際にぜひ頭に入れておいて頂きたいことがあります。
それは、場合によっては叱るという行為がお子さんにとって罰ではなく強化子になってしまうことがある、ということです。

小学生ぐらいの頃、好きな子をいじめてしまったことはありませんか?自分にはなかったとしても、そういう経験は誰でも耳にしたことはあるのではないでしょうか。
普通に考えれば、好きな子をいじめれば当然その子から嫌われます。好きな子にわざわざ嫌われることをする、というまったく理屈に合っていない行為になってしまっていますね。
このときいじめっ子の頭の中では「あの子と仲良くなりたいけど、どうしたらいいか分からない…だったら嫌がられてもいいからいじめちゃおう」という心理がはたらいています。
基本的には無意識なので自覚はありません。

本来、人が他人からもらいたい反応というのは
好ましい反応 > なにもなし > 嫌がられている反応
の順番であることが通常です。誰も、率先して人から嫌われたいとは思いませんよね。

ところが好きな子をいじめている人の心理では、ここに変化が起きてしまっています。
好ましい反応 > 嫌がられている反応 > なにもなし
となってしまっているのです。何もないぐらいなら嫌われてもいいから反応がほしい、という状態です。

なんとも不思議に思える状況ですが…これは幼いお子さんに当てはめて考えると少し分かりやすくなります。

幼い子どもにとって、何も反応をもらえないというのは生きていけないことを意味します。自分では食べ物を用意したり寝る場所を確保することが難しいわけですから…幼い子どもには文字通り死活問題というわけです。

家庭内での幼児虐待など、痛ましいニュースを目にすることがありますが、あのような環境でも子どもは必死に大人を頼ります。辛い目に合うからといって、大人から離れる子どもはいません。むしろなんとかして自分の方を向いてもらおうと、必死に大人にすがりつくのです。

つまり、子どもにとって『何も反応がない』というのは恐怖ですらある状況というわけです。上のいじめっ子の心境はこれの延長線…といいますか、実際には大人でも近いことが起こりえます。
承認欲求や社会的欲求が満たされておらず、かといってその満たし方が分からない…となると嫌われてもいいので人と関わりたい、自分をみてほしい、となって人間関係やSNSなどでトラブルを起こしてしまうケースです。

これ以上掘り下げるとどんどん本筋から離れていってしまうため話を戻しますが、要は大人ですら『無視』『なにもなし』が一番つらいという場合があるんです。
お子さんにとって罰が強化子になりうる状態というのは、これもやはり『社会的欲求』『承認欲求』を十分に満たされていないときに起こりえます。

つまり、周りの人たちとの関りが足りない、もっと関わってほしいと思うがあまり、叱られてもいいから注意を惹きたがる状態です。
怒られると分かっていてわざと、イタズラや過激な悪さなど、止めざるをえないような行為をしてしまうのです。

これについても誤解がないように2つお伝えしたいことがあります。
ひとつは、定型発達とよばれ人との関りが満たされているお子さんであってもこうした状態は起こりえます。子どもは様々な突拍子もないことを思いつき、ときに親を困らせ、その経験の中で成長していくものです。
わざと怒られる行為をしたからといって、イコールご両親の愛情が足りていないとかそういった話ではまったくないので安心してください。

もうひとつは、ご両親や周囲との愛着の大小に関わらず、生まれつきこうした周りを困らせる行為で注意を惹きたがるお子さんもおられるということです。
僕が担当したお子さんであった例を挙げると…そのお子さんはお母さんが好きで好きでたまりません。お母さんと一緒にいるととてもいい笑顔をみせてくれますし、訓練に来られた当初はお母さんと離れるのも不安そうでした。

お母さんもとても優しく関わっておられ、良好といえる愛着関係です。
ですが、そのお子さんはお母さんと関わりたいと思ったとき、どうしても褒められることより叱られる行動を選んでしまうのです。
とても頭のいい子で、ありとあらゆる方法でお母さんがすぐに止めざるを得ないイタズラを考えだします。

発達に偏りのあるお子さんはこうした、大人からみると「なぜ?」と思いたくなるような行動を選んでしまう場合が多々あります。
冒頭でも述べましたが、それについては脳の発達の偏りが主な原因といわれています。だからこそ専門家と一緒に成長の手助けをしていくことが大切です。

ですから繰り返しになりますが、ご両親や周囲の関りが悪いのではと自分や人を責めることはしないでくださいね。

そのうえでお伝えします。もしお子さんの不適切な行動が、大人の注意を惹くためにしているのかもしれないと感じたら…それに対して叱ることは不適切な行動を強化してしまいます。

もしそうかもしれないと感じたら、できれば叱るのではなく他の場面でもたくさん関わってください。たくさん褒めてあげてください。不適切な行動をしたときには、叱るのではなく「どうすればよかったか」を教えてあげてください。

このあたりは、本当は個別にそのご家庭に合わせて関わり方を相談したいところです。僕の表現力では文章でお伝えできるのはここまでになります…ご容赦下さい。


以上、本書内の一部をそのまま掲載させて頂きました☆

前置きも含め長文になってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございましたm(__)m


可能な限り低価格で各種相談サービスを継続し、悩める方々の助けになれたらと考えています。サポート頂けると本気で助かりますm(__)m