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新しい僕らの街は

むき出しになった八重歯 
言葉の刃に傷ついた僕の体が運ばれる焼き場
言葉の花は焼畑 一夜づけの優しさでは救えない花畑 一夜の争いで焼け野原の一夜

怒りのダンスを僕らは踊る 無力であること 加味して噛みしめ神に祈る
夜に奏でる歯軋りの音 病として 名付けられ 管理され 鳥かごの中
集まるな人よ 一夜にして距離を置け人よ 人でなしの人達の夜


悪意ある言葉を消化して昇華しても大人達は刺さったふりをして送り続ける善意の小包

それら山積みになる粗大ゴミを片づけるのはいつも僕ら 

時が費やされ 疲れさせられ 「身を滅ぼす争いが」と不安煽り煽られ

神経をすり減らされ 知らぬ間の消耗戦 

押し込まれ 丸め込まれ 噴水のように突き上げられ 水蒸気となり 天に昇り雲となる そして 天井から降りてくるただの空気に僕らはさらに支配される

砂漠で干からびかけた僕らに酒を配る者達に
踊らされるな 喉が焼ける前に

沈黙の圧力と言葉の銃弾 武器を持たずして 僕らは戦う 右手に一輪の花左手に冷めた思考 真っ赤な情熱を胸に 集いうたを唄う 

雲の上にある巣箱に小鳥達は集落を作る
僕らはこの空に河川引き 雲を耕し文明を作る


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僕らの天井で蠢くコウモリや過ぎ去りし夏を留守にする渡り鳥と同じ力を

得て 空につぶやき繋がり合う言葉は肉体を離れ世界を巡り現実を変える 

東の空 舞台袖出番を待つ自由と共に 戸惑い捨て顔を出す真っ赤な月よ

今こそ出て 田畑耕す 僕らを照らせ



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