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登校再開についてのアンケート|マレーシア在住の日本人に聞いてみたよ

マレーシア政府から「全国の学校で登校を再開する」と発表があったのは1月2日の事。昨年からその予定はあったものの、感染拡大している現状でも対面授業に戻る、と改めて発表された形です。

Twitterを見る限り、日本人の多くは対面授業再開に賛成する人が多数。(私の様な「現状では登校否定」という日本人も少数ながら居ます)

一方、Facebookグループに見るマレーシア人保護者の反応は、再開を警戒する人が圧倒的に多い。実は息子の通う中華学校(85%がローカル生徒)でも、登校再開にはとても慎重な親が多いんです。

●双方の意見を知る為にアンケートを実施

このギャップは何だろう?異なる双方の意見を知りたい!と思いTwitterでアンケートを実施しました。設問は4つですが、どれに回答するかは自由な形式。

実施した理由は主に以下の2つです。

✔︎ 勝手な憶測で判断することは避けたかった
✔︎ 人によって状況が違うことを可視化したかった

日本人は討論に慣れておらず、意見が違うと「対立構造」になりがちなので、こういう事はどんどん可視化していくのが良いと思ってます。

嬉しい人も不安な人も様々な考えがあり、またその考えは白黒でなく、グラデーションになっている」はず。型にはめて決めつけず、それぞれの選択をしていこうよ、という狙い。ある意味「実験」とも言えますね。

アンケートにご協力くださった皆さん、ありがとうございました!サンプル数は決して多くは無いものの、一定の傾向が見て取れます。

(後半部分で傾向と分析を書いています)

●アンケート回答の分析

双方はざっくりと大別されがちですが、細かい部分でグラデーションに別れているのが分かります。

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<学校別> インター:60%    ローカル:40%
<学年別> 小学校・幼稚園:53% 中学校以上:47%

📌 不安な人は、「オンライン選択を交渉+休学や転校」で81%の方がなんらかのアクションを起こしている事がわかります。

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ツーオペ(2人分大人の手がある人):27%
ワンオペ状態(両親同居・片親同居):67%
その他(寮など):6%

📌ワンオペ状態の方が多いですね。これはマレーシア移住者の割合を反映しているのかもしれません。

📌子供への感染や、その他の人への拡散を心配されている方が82%。「学校の感染対策を信用できない」も感染への不安と推測できますので、やはり圧倒的に「感染の不安=登校への不安」ということかと思います。

◇「登校が不安な人」の結果まとめ

✔︎ 学校はインター6割、ローカル4割
✔︎ 小学生以下と中学生以上、ほぼ半々
✔︎ ワンオペ7割弱
✔︎ 子どもや家族、周囲への感染拡大が心配

●「登校再開が嬉しい」という方の回答

一方「嬉しい」側、私が強く知りたかったのは、(自分とは異なる)こちらの意見なんです。

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<学校別> インター:86%    ローカル:14%
<学年別> 小学校・幼稚園:74% 中学校以上:26%

📌「インターに通う、小学生・幼稚園」が多数派で、ローカルはどちらの学年カテゴリーでもかなり少数派。「親の手がかかる低年齢がオンラインに不向き」というロックダウン中の声とも一致します。

ツーオペ(2人分大人の手がある人):33%
ワンオペ状態(両親同居・片親同居):62%
その他(寮など):5%

📌やはり移住者の割合を反映して、ワンオペ率が高い。でもその割合は「嬉しい」と「不安」でほぼ同じなので、つまり「大人の人数はあまり関係無い」という事になります。

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📌嬉しい理由「友達との交流」が多数で、少々意外でした。今まで「高額な学費のインターでオンラインは納得いかない」という声も多かったので、学費や学校設備の比重が高いと思っていたんですが、違う様です。

📌「感染は心配だが登校には変えられない」が64%、これも驚きました。心配だけど、感染よりも対面式を優先するという事になり、これは学校への強い期待が感じられます。卒業試験を控えた最終学年(Year11)というケースもあり得るけど、中学生以上は26%なので、「小学生以下で登校に重きを置く親が多い」という事になります。

◇「登校が嬉しい人」の結果まとめ

✔︎ 学校はインター9割弱、ローカル1割強
✔︎ 小学生以下 7割強、中学生以上3割弱
✔︎ ワンオペ 6割
✔︎ 感染は心配だが登校には変えられない 6割、心配ない4割

●さいごに

アンケート結果、いかがでしたか?

個人的に興味深かったのは「不安はあるけど登校には変えられない」と思っている親が多い点。

不安を推してでも学校へ行かねばならない強い何かがあり、それは友達との交流であり、対面ならではの授業方式かもしれません。

そして「再開が嬉しい人も、不安を抱えている」ということ。一見対立する意見に思えても、双方の気持ちはどこかで(一部は)繋がっている、と感じられました。

そんな事がわかったアンケート。ご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。この分析が、少しでもどなたかのお役に立てれば幸いです。

そして、万が一感染しても、誰も悪くない。それだけは強調してお伝えしたいな、と思います。

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