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ロックダウンのマレーシア、政府と国民が協力し合える5つの理由

マレーシア、MCO/ロックダウンのさらなる延長が発表されました。2回目の2週間延長で、4月28日まで。次は第3フェーズとなります。

4月1日からの第2フェーズでは厳しくなり、買物や車の乗車は一家で1人限定、エッセンシャルサービスの営業時間は8:00am〜8:00pm、コンド内の散歩も禁止、と本格的なロックダウンに近い状態。(下記は新聞社が作った第2フェーズのインフォグラフィック)

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なんと、マラソンや野鳥観察で逮捕される外国人まで出てしまいました。それほど厳しくしても感染者数は増えていたので「第3フェーズへの延長は仕方ない」という意見が多く、周囲でも政府の方針に文句を言う人はまず見られません。

マレーシアという多人種の国でこれだけ一致団結しているのってすごい事だな、それはなぜだろうと考えて「マレーシアの本気、5つの理由」にたどり着きました。

理由1. 子どもを守る姿勢

期間延長は予測しつつも、ドキドキしながら4pmの首相会見を待っていたワケですが、その直前に読んだこちらの記事。副教育省の言葉には感銘を受けました。

「MCOの解除と子どもの登校再開は別問題、子どもの安全を最優先に考える」と教育省がはっきり述べているんですね。教育省の指針には、公立はもちろん私立校も従うので、インター校等に通う外国人にも大きく関係します。

「この国は子供を本気で守る意思がある」それが伝わるだけでも安心感が全く違います。それっていわば当たり前のことなんだけど、そうじゃない国から飛び出してきた身には、ありがたさが沁みるのです...。

理由2. スピード対応と先を見据えた備え

ご存知の方も多いと思いますが、普段のマレーシア人は割とノンビリ。お役所ではバラバラの指示、業者は約束時間に遅れてきたり、お部屋のオーナーも事前に点検せず不具合が起きたら対処、というのがデフォルトです。

だけど、このCovid-19に対してはスピードが桁違いに早いそして一旦感染者が増えてからは先を見据えて備えているのです。

それは全国で40,000床を備え、その内400床を4日間で準備した事からも明らか。

マレーシアは多人種多文化で多様性が重んじられ、普段はバラバラなのに「自分たちの国を良くしたい」という共通目標に対してはひとつにまとまれるのだな、と。やはり一昨年の総選挙を思い出さずにはいられません。

理由3. 情報の透明性

感染者数第一号の時も、16000人が参加したイスラム大集会でクラスターが発生した時も、政府は隠蔽しませんでした。感染者数を会見で毎日公表し、個人情報に配慮しつつ可能な限り会社名やコンドミニアム名も発表しています。下記はペナン州内のエリア別感染者数。

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クラスターの発生を知った当初は恐怖を感じたとしても、情報は包み隠さず知らされた方が安心です。隠蔽された方がよっぽどパニックに陥るんじゃないかな。マレーシアでも不安の声は聞かれるけれど、パニックは初日のTESCOくらいだったかと!(↓こんなmemeも出回りました笑) それでも、商品争奪での喧嘩などは聞かれませんでした。

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理由4. 状況ごとにルール変更する臨機応変さ

第2フェーズでルールを厳しくした一方で途中からハードウェアショップの営業が許可されたりと、状況や国民の要望に応じた変化が有りました。その臨機応変さ、決めたルールに固執しないのも大きなポイントかなと。

下記はペナンの民間ポータルサイトのインフォグラフィック。第3フェーズから営業が許可される業種もいくつかある様です。ヘアサロンは男性には特に朗報でしょうね。「髪が伸びて困る」と言う国民の声が反映されたのだと思います。

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理由5. 自分たちも変わり身が早い

急なロックダウンを受けての、民間企業や各店舗の変化も本当に早かった!

・レストランやカフェは早々に持ち帰りメニューを発表しInstagramで拡散
・スポーツジムや習い事はオンラインレッスンを提供
・生鮮品やパン屋さんもデリバリー販売を開始

と、生き残りを賭けた素早い対応が印象的。政府の生活保障やビジネスサポートも始まっているけれど、おそらく金額は足りないと見込んでか、保障を待たずに自ら早々に動き出していました。消費者側も応援体制なので、新たな商品やビジネスも続々と誕生する予感です。

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↑FBで早速流れてきた新商品。右の取手つかむヤツ、欲しいかも(笑) 

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ロックダウンのマレーシア、こんな感じです。細かく言うと「あの時こうしてれば、もっと感染者抑えられたのでは?」という声も有ります。でも概ね政府の方針は伝わり、国民に広く受け入れられている印象です。

今はとにかくCOVID-19を封じ込めること、フロントラインの人々を支えて私たちは家にいよう、お互い助け合って乗り越えよう、そういう温かい言葉の掛け合いがチャットグループでも多く聞かれます。

マレーシア在住の皆さん、他に気づいた事があったらぜひ教えてくださいね。緊急事態宣言が発令された日本も、マレーシア以上に国を良くしていくチャンスだと思っています。これはまた改めて記事にしたいと思います。


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