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インター校でのカルチャーショック〜「コンフォートゾーン」から抜け出した高校生

マレーシアの新聞TheStarで読んだ、ローカル高校生の手記がとても面白かったのでご紹介します。

この女子高校生は、小中で「アジア型の教育」(おそらく公立校)を受けた後に国際バカロレア(IB)のインターナショナルスクールへ転校。そこで感じた「欧米型教育のカルチャーショック」を綴っています。

コンフォートゾーンを抜けた先に見えるもの

手記を読むと、最初は驚きと大きな戸惑いがあり、その後学びの楽しさに目覚める様子がわかります。

これは野本響子さんもよく書かれてる、「アンラーニング=学びほぐし」ですね。ちょうど今、この本を読み始めたところでタイムリーでした。

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この手記、これから留学するお子さんにも参考になると思うので、全文翻訳を掲載しますね。文末にちょっとした「ワーク」もあるので、ぜひご家族でやってみてください。

マレーシアの公立教育について
多民族国家ゆえに、各人種の言語で履修する学校や宗教学校など多様性あり。その一方、身だしなみの罰則は厳しく、クラスが成績順で決まったり、国の統一試験でのプレッシャーも。概して「管理型教育」という背景があります。

※このnoteは、カリキュラムの良し悪しを指摘するのではなく、「コンフォートゾーンから出た子どもの変化」を紹介する趣旨で書いています。

My Culture Shock in an international school

こちらが元記事。手記を書いたセランゴール州の Shinz Joさん(18歳)は、The Star紙がジャーナリスト志望の若者向けに実施するプログラムのメンバーだそう。

以下の日本語訳は湾曲的な所を意訳したり、わかりやすく太字で強調してあります。(もし捉え方が間違っていたら教えてください!)

「さあ、隣の人とディスカッションしましょう」

みんなは間髪入れず、自分の解答について話し始めた。

クラスメイトは期待に胸を膨らませて私の方を振り向いたが、私は無表情で見つめるだけでした。

(これは、先生が採点基準を示すんじゃないのか?自分の答えが正しいかどうかわからないのに、どうして議論する必要があるんだろう?)

と混乱する中で、唯一認識できたのは、欧米の教育制度とアジアの教育制度の違いを甘く見ていたことでした。

私は初等・中等教育を通じて、アジア式の教育を受けたのです。

だから、大学準備プログラムの際に環境を変えたくて、IB(国際バカロレア)取得のインターナショナルスクールを選びました。

最初の1週間が終わったときに混乱と喪失感に襲われるとは、思いもしませんでした。

私の社交性の電池はパンクし、頭は学んだことを理解しようとし、そして心は、これから直面するであろうチャレンジに対して「過去の自分のメンタルを準備させるタイムマシン」を切望していたのです。

分厚いノートや参考書の山といった “昔からの馴染みの仲間” は、この新たな環境ではどこにも見当たりませんでした。

その代わり、どの授業でも現実社会での実例と ”友人になる” ことを強制され、理論に現実を当てはめることを要求された私は、恐怖を覚えました。

また、線と円が広がる「マインドマップ」に慣れるのにも時間がかかりました。

The Star


さらなる知識を定着させるために、教科書や章末の練習問題ではなく、クラスメートに目を向けるように、と言われました。

単独で取り組むことに慣れていた私にとって、一見ランダムに見えるクラスディスカッションが定期的に行われる事は驚きでした。

だから、英語の授業で「いろいろな種類のテキストを探す」と言われたり、化学の授業で「体を揺らして粒子の状態の違いをモデル化する」と言われたとき、どれほど戸惑ったか想像できるでしょう?

クリエイティブな試みであることは理解できるけれど、パワーポイントや箇条書きのメモと比べて、どのように概念を説明するのだろう?と懐疑的になりました。

これらの学習コンセプトに対して、自分が異質な存在であることは、これまでもずっと学生だった私にとっては奇妙な感覚でした。それでも、私は自分のコンフォートゾーンを押し広げ、学習観の幅を広げるためにこの道を選んだんじゃなかったのか?

The Star

ディスカッションで友人が意見を述べたり、先生から戸惑いを指摘されたりする中で、次第に生徒が積極的に参加する環境の良さや、好奇心の強さを実感できるようになりました。

難問を前にすると、クラスメートの思考回路を手本にして解答を導き出す自分に気づきました。また、苦手だった数学の試験でも、関数に関するシミュレーションでどのような変数を加えたかを思い出し、学んだ知識をイメージして応用するようにしました。

そのような時に初めて、答えや結果といった成果物から、その本質を理解しているかどうかという学習プロセスへと、自分の意識がシフトしていることに気づかされたのです。


今、半年前と同じようにコンフォートゾーンを飛び出す決断をするか、と問われれば、私は迷わずYESと答えるでしょう。

そうしなければ、新たな学習スタイルを発見することも、それに伴うメリットを享受することもなかったでのですから。

The Star

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*以下は、文末にあるThe Star NiEプログラムからの引用を日本語訳し、一部加筆・画像を加えたものです。お子さんと一緒にぜひやってみて下さい。

新たな環境に挑むご家族へ

子どもが新たな環境でチャレンジするとき、このShinz Joさんのように、居心地が悪かったり、場違いだと感じたりすることがあるかもしれません。

マインドマップのススメ

そんな時、この記事に出てきた「マインドマップ」で気持ちを整理したり、情報を視覚的に表現するのも一つの方法。この記事の情報をもとに、コンフォートゾーンを抜けるためのマインドマップを描いてみませんか?

ご家族や兄弟姉妹で、一緒にやってみましょう。終わったら、発見したことをお互いに共有してみましょう。

ご自由にお使いください!


あなたがShinz Joさんの親友だったら?

想像してみてください。新しい授業スタイルに慣れるのに苦労している最初の数週間、あなたならどのように彼女を励ましますか?

友達や家族と一緒に、あなたとShinz Joの電話での会話を設定しましょう。彼女が苦労していることを話し、あなたが精神的なサポートと励ましを与える。ロールプレイを録音して、後で自分の演技を見直すと発見があるかもしれません。

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