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『ダーウィン事変』1巻を読んでみました

この漫画を読んだら、いつのまにか理科、倫理の勉強になっていました。

書店員を中心に各界のマンガ好きが「今、一番薦めたい漫画」を選ぶマンガ大賞2022が発表されました。今年の大賞に選ばれたのは『ダーウィン事変』。人権や差別やテロなど人間が抱える普遍的な問題に、ヒトとチンパンジーの間に生まれた「ヒューマンジー」のチャーリーが向き合うサスペンスアクションです。

作品名にダーウィンという進化論的な言葉が入り、理科学的なものを学べる漫画だ!とさっそく読んでみました。
このnoteには出来る限り文系作品と理系作品をバランスよく載せるようしています。いつか私の娘が読んだ時、偏りなく自分で興味を探せるようにです。
しかし実際この漫画を読むと、理科系というよりは、社会問題や倫理観について考えさせられる作品でした。
動物や人間も命としては同じ1なのか。命に優劣はあるのか。なぜ人間は人間を食べないのか?
視野や思考の幅を広げてくれそうな内容で、勉強科目とはちょっと違うかもしれませんが、これはこれで学びだなと思います。

1巻では、こんな勉強ができました。(以下、内容のネタバレを含みます)

①ダーウィンの進化論

動物解放同盟という組織が生物研究所を襲撃し、出産寸前のチンパンジーを運び出し。そのチンパンジーが産んだのが、人間との交雑種ヒューマンジーのチャーリーでした。
人間の頭脳とチンパンジーの運動能力を併せ持つチャーリーの存在は人類にとって進化か、事変か。

ダーウィンや進化論は、名前は知っているものの内容はよく分かっていません。
自然科学者ダーウィンは、著書である「種の起源」で彼の進化論を綴っています。
その内容は、生物の進化は目的をもって進化するのではなく、突然変異的に生まれた個体が生き残ることによって起こる、というものでした。
例えば、キリンが首が長いのは、高い木の葉っぱを食べるために時間をかけて進化したという説があります。これが目的を持った進化です。
ダーウィンは異なり、キリンが首が長いのは、偶然生まれた首が長いキリンという個体が環境に適応したことで生き残った。
進化は「進歩」でなはく「結果」という学説を唱えたのでした。
現在、この進化論が通説となっていることからダーウィンの名前は世界的に認知されています。
私の娘はキリンも好きだし、コアラも好きです。

②ヴィーガンとは?なぜ人間は人間を食べない?

チャーリーは肉や魚を食べません。それはチャーリーの育てのバート博士夫婦がヴィーガンだからです。ヴィーガンとは「食物や衣服やその他の目的において、動物への搾取と残酷さを可能な限り排除しようとする生き方」で食生活としてはベジタリアンの一種です。
この作品では、動物解放同盟というテロリストとの闘いがストーリーの大きな軸になっており、彼らがヴィーガンである為に、他のヴィーガン達が差別を受けるシーンがあります。

チャーリーはクラスメイトにヴィーガンについて意見を問われるシーンがあります。チャーリーは、好きに何でも食べればいいさと答えます。鳥でも牛でも魚でも人間でも、と。
クラスメイトは人間を食べるわけないだろ!と言い返しますが、チャーリーは続けて言います。
「なんで人間だけ食べちゃいけないの?」と。人間だけが地球上で特別扱いされるのは、チャーリーにとって不思議なことでした。
私達の当たり前を、子供に問われた時になんて答えればいいでしょうか。子供よりも親が読んだほうがいい作品かもしれません。。


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