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新しいことを知るためだけの読書はやめよう

優秀な人はメモを取っている

良く聞く話ですよね。

加えて、優秀な人の中でもトップに位置する成功者の話はものすごく本質的で、とても面白いものばかりです。成功者のスピーチが多くの人に感動を与えているのがその証拠だと思います。

こういった人たちに共通するのは言葉を紡ぎ出す能力が高い、つまり“言語化”する能力が高いということです。

僕自身、メモを意識的に取り始めて1年強が経ち、言語化が持つ力が徐々に見えてきました。今回は僕自身のメモを通して気づいた言語化のパワーを考察していきます。

経験の定着は言語化なくしてありえない


人生は経験の積み重ね

これは僕が生きる上で常に意識していることです。
全ての経験が積み重なったものが人生になります。

だからこそ、

良い人生を送る=良い経験を送る

と捉えています。
決して「お金を稼いだから」「名声を集めたから」とかではなく、それらを通して“良い経験”をするからこそ“良い人生”になるのです。

となると、その“経験”が非常に重要になってきます。

そこで、質の良い経験をすることはもちろんですが、その経験を

“経験として定着させる”

ことも同等・もしくはそれ以上に重要になります。

なぜなら、せっかく良い経験をしてもそれを自分の中で積み重ねなければ、人生に結びつかないからです。この章の冒頭に書いたように「人生は経験の“積み重ね”」です。この“積み重ね”の重要性は見逃されがちな一方で、とてつもなく大切です。

さて、前置きが長くなりましたが、この“積み重ね”に必要不可欠なのが“言語化”なのです。

僕は

実際の経験+その経験の言語化=経験の定着

と考えています。

人は経験を長く定着させる、つまり脳に残すためには絶対的に言語化が必要になるということです。

例えば、野球だとプロ野球に近づくほど指導者の言語化力が高くなります。
走り方だけでも足の上げ方や上半身の姿勢から、つま先の角度まで徹底して言葉に落とし込んでいます。

スポーツは人間の行動の中で最も感覚的なモノの一つと言っていいと思います。そのスポーツこそ、トップアスリートであればあるほど感覚的な部分を言語化しているのです。

その理由は

感覚的な動きを定着させる

ためです。

感覚的な動きは言ってしまえば自分の体が経験したことです。
それを定着させるために言語化しているのです。

言語化することによって感覚的な動き(=経験)を脳で理解し、常に同じ動きができるようにしておきます。こうすることで、パフォーマンスが安定するようになります。

野球の投手で言えば、振りかぶり方から、踏み出す足の位置、ボールを離すリリースの位置まで言語化し、同じ動きを繰り返します。これが毎回バラバラだと、狙ったところにボールを投げることはできません。

長くなりましたがまとめると、

経験を定着させるためには実際の経験を言語化する必要がある

ということです。

脳は言語化しない経験をすぐに忘れてしまいます。

言語化した経験は使い回せる

実は経験の定着以外に、言語化はもうひとつ大きな力があります。

それは

一度言語化したものは様々な場面で使い回せる

というものです。

なぜなら、一度言語化することによって、対象の構造を深く理解できるからです。そして一度しっかりと理解してしまえば、その後は簡単に使えるようになります。

例えば数学はとても良い例です。

数学は必ずと言っていいほど公式とその原理を勉強すると思いますが、原理を覚えているかどうかは大きく分かれるところです。かく言う僕もバリバリの文系だったので、真面目に勉強しても理解しきれない原理はたくさんありました。

しかしながら数学が得意な人に話を聞くと、この原理を頭の中で理解しているかどうかで問題の捉え方は全く変わってくるそうです。

一度原理を理解してしまえば、どんな応用問題であれ大体の解き方はわかるそうです。なぜなら原理はとは根本的な法則であり、結局どんな問題もその法則の上に成り立っているからです。

僕みたいに公式しか覚えないような人だと、応用問題に直面した時にせっかく覚えた公式の使い方がわからず、途方に暮れてしまいます。一方で、原理を理解している人は複雑な問題に隠された本質を簡単に見抜き、颯爽と問題を解いていきます。

現実世界の事象もこれに近く、ある一つの原理や本質を言語化して理解できれば、その理解は他のことにも転用できます。

もし一度でも本質を言語化することができれば、いくつもの要素が複雑に絡まった問題だったとしても、それぞれの問題を本質ごとに切り分けて解決できる力が身につきます。

逆に言語化して理解できないと、問題に直面する度に一から解決策を考えなければならなくなります。。それは労力の無駄ですし、必ずしも同じクオリティの解決策を導き出せるかどうかもわかりません。

現実世界の問題は数学の応用問題以上に、本質が見えにくくなっていることがほとんどです。だからこそ、より本質を言語化して理解することが大切なのです。

本こそ言語化をサポートする最強のツール

ここまで言語化することの大切さを話してきましたが、どうすれば具体的に言語化力がつくかはまた別の問題です。

僕みたいにメモを取り始めるのも一つの方法だと思います。またこのnoteも自分の気づきを自分の言葉でまとめる力をつけるために始めました。

しかしながら、もっと簡単に言語化できる方法があります。

それこそ

本を読むこと

です。

本とは、作者の経験や知識を一般の人がわかるように説明した文章の集合体です。言ってしまえば、「作者が気づいた本質を誰もが理解できるように言語化された状態」と言うことです。

みなさんも、当たり前のことを言葉で見てハッと気付かされるといった経験をしたことがあると思います。今まで自分の中でモヤモヤしていたことがスッキリとわかる感じです。

その経験を最も多くさせてくれるのが本なのです。

本は言語化のプロが紡ぎ出した言葉の集まりです。
もし言語化力にまだ自信がないのであれば、まずは本の文章のまま自分の経験を言語化してしまえばいいのです。

スポーツも一緒です。自分でもどうやって動きを言語化したら良いかわからない時に、選手は必ずコーチに聞きに行きます。そしてそのコーチの解説を聞いて理解するようになるのです。

というか、スポーツだけでなく、コーチや教師といった人たちの仕事は「わかりやすく言語化して伝える」と読み替えれるとも僕は思っています。本の役割を人間が果たしているということでしょう。

つまり何が言いたいかというと、

言語化が苦手であるならばプロに任せてしまえ

ということです。

それを一人でも実現する方法が読書ということなのです。


まとめ

さて、今回もまとめていきます。

① 経験の定着には実際の経験だけでなく、それを言語化する段階が必要
② 物事の本質を言語化すると定着だけでなく転用もできるようになる
③ 言語化が苦手な時はプロに頼ればいい

僕自身まだまだ言語化力が未熟すぎるので、わからないことはわからないとはっきり表明して人に聞くように心がけています。

それこそ本質を言語化するのに一番の近道だからです。

本も自分の経験できないようなこと、つまり経験する前に読むという人が多いと思いますが、何かを経験した後に読むのも意外と面白かったりします。自分の経験と照らし合わせることで、より深く本の内容が理解できるようになります。

何はともあれ、言語化する力がついて損なことは一つもありません。
日常に小さな気づきから大きな発見まで、まずは自分なりに言語化してみるところから始めてみましょう。

そうすれば気づかぬうちに大事な本質に辿りつけると思います。


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タクトパス
読んでいただきありがとうございます!僕の経験がみなさんの生活を少しでも前に進めることができれば最高です!サポートしていただいたことでできた経験はもちろんnoteに投稿します!