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YouTube動画解説:マナビ研究室

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マナビ研究室が公開しているYouTube動画の解説記事を集めています。動画の補足説明や、訂正などをしています。影機材・設備・編集・音楽などの情報も記録しています。
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#動画編集

簡単に解説!糖尿病編【動画解説】#00036

動画解説病気の機序については説明ができるものの、その知識と臨床現場での対応が結びついていない、もったいない学生さんによく遭遇することから、この動画を作ろうと思いました。 また、臨床現場での対応は解っているけど、どうしてそうなるのか解らない…でも勉強が億劫だし…という方が興味を持つきっかけにもなれば良いなと思います。 今回は歯科で注意すべき糖尿病についての内容でした。 ポイントは ・糖が体内に取り込まれない ・血流に影響する の二点から起こりうる症状や合併症は…、と考えて頂け

生殖~ヒトの配偶子~【動画解説】#00030

動画解説減数分裂:両性生殖を行う生物は、生殖細胞の減数分裂により配偶子を形成します。そして減数分裂は生殖細胞でしか起こりません。 配偶子形成:精子と卵の形成過程において、体細胞分裂と減数分裂を行う時期が大きく異なります。また、1つの精母細胞から4つの精子ができるのに対し、1つの卵母細胞からは1つの卵子かできません(3つは極体)。 受精・着床・妊娠:ヒトの場合、これらはすべて女性器内で起こります。卵巣から排卵された卵子は、卵管采から子宮に入ります。受精の場は卵管膨大部で、着

免疫組織化学③【動画解説】#00028

動画解説免疫組織化学シリーズ第3回目は、「モノクローナル抗体」ってなんだ?というお話し。 前回はポリクローナル抗体について説明しました(#00027)。 今回はモノクローナル抗体について掘り下げてます🐭 ポリクローナル抗体と比べて、モノクローナル抗体は作るのが難しく、 時間、手間、高度な技術が必要です。 動画の中では説明しきれなかった、 「ハイブリドーマ(融合細胞)の作りかた」 「特異性の高い抗体のスクリーニング方法」 については👇で説明します! 補足・訂正 【融合細

免疫組織化学②【動画解説】#00027

動画解説免疫組織化学シリーズ第2回目は、「ポリクローナル抗体」ってなんだ?というお話し。 免疫組織化学とは、抗原抗体反応を応用した方法です(#00026見てね)。 免疫組織化学で使用する抗体には「ポリクローナル抗体」と「モノクローナル抗体」の2種類があるのですが、 この2つの違いは何なのでしょうか? 今回はポリクローナル抗体について掘り下げて説明してみました! ポリクロとモノクロの違いについては、国家試験レベルではあまり問われないですが、 実際に研究をしていると、ポリク

免疫組織化学①【動画解説】#00026

動画解説今回から免疫組織化学シリーズを3回に渡ってお送りします。 第一回目の今回は、「免疫組織化学」ってなんだ?というお話し。 以前のyoutube動画で抗原抗体反応についてお話ししましたが、 この反応を利用しているのが免疫組織化学です。 体の中には色々なタンパク質が存在しています(というか、体がタンパク質でできてます)。 数多くのタンパク質の中から、目的のタンパク質を染めて可視化する技術が「免疫組織化学」。 研究の現場ではタンパク質の機能を調べるためにこの反応が使われ

オーラルフレイル・歯科治療効果を判定する咀嚼能力検査法:九歯大生理学実習(咀嚼)

動画説明 歯の機能は「食べ物を咀嚼すること」です。虫歯や歯周病により歯を喪失したり、噛み合わせが悪いと、食物を噛みにくくなります。このような状態は「咀嚼能力が低下した」といいます。  歯医者の仕事には、虫歯の治療、入れ歯、歯科矯正…など色々ありますが、どの治療も最終的な目標は咀嚼能力の回復です。なので、治療の前後で咀嚼能力を客観的に評価することはとても大切なことなのです。  そこで、今回の動画では、咀嚼能力を評価する代表的な方法として ①篩分法(しぶんほう) ②グミゼリーを

味覚障害の診断のための味覚検査法:九歯大生理学実習(味覚)

動画説明 今回は味覚です。「秋の味覚」といえば、松茸、秋刀魚、サツマイモなど、一般的な味覚は食材全体からくる「味・風味」のことを指します。研究の世界で味覚というと、味だけで匂いは含みません。舌や軟口蓋に「味蕾」という細長い細胞がつぼみのように集まってできた構造物があります。そのつぼみの先端が口の中に突き出ており、そこに食材の味物質が唾液を介して結合することで味覚の引き金が引かれます。  味蕾に集まった細胞を味細胞といいます。甘さを感じるもの、苦味を感じるものといったそれぞれ

ドライマウスの診断に使える唾液分泌能検査:九歯大生理学実習(唾液)

動画説明 唾液分泌に関しては、近年よく歯科医師国家試験に出題されています。超高齢社会となった日本では高齢者医療に取り組むべく、加齢と共に機能障害を引き起こす病態に関しての出題が増えつつあります。結果的に、「歯科」の枠が拡張され、「歯」以外の口腔機能である唾液や嚥下などが最近の出題のヤマとなっています。  生理学実習では唾液分泌能の検査を取り上げました。動画を見ていただくとわかると思いますが、自宅でもできるような検査法です。イグノーベル賞を受賞した渡部茂教授(明海大学)が、3

誰でもできる心電図の測定法:九歯大生理学実習(心電図)

動画説明 心臓は、心筋細胞がギャップ結合により電気的に連絡した合胞体であり、あたかも一つの細胞のように振る舞います。引き起こされる心臓内での電気活動は電場の動きとして体に装着した電極から電位差を記録することができます。心電図は、手足首に付けた肢電極から前額断(冠状断)面での心臓活動、胸部に付けた水平断面での心臓活動を記録することができます。簡便に、身体を傷つけることなく心臓の動きを解析できるという利点があります。  歯学部で心電図の実習を行うことに意味があるのか?と思われる

誰でもできる血圧計の使い方:九歯大生理学実習(血圧)

動画解説 九州歯科大学歯学科2年生は、生理学実習で血圧測定について学びます。動画では、水銀レス血圧計を使った触診法と聴診法が解説されています。 カフ(マンシェット)の巻き方① 肘関節を伸展させ、測定部位(カフを巻く位置)が心臓(乳頭が目安)と同じ高さになるようにする。 ② 空気を完全に抜いたカフの中央(チューブがある部位)が、上腕動脈(肘関節から4~5cm上の内側で拍動を感じる部位)にかかるように巻く。 ③ カフの下縁が肘関節の2~3cm上になっていること、またカフと上腕の

大学法人化を検証する⑥/一括編集【動画解説】#00020

動画解説 北九州市立大学でMBAを取得した九州歯科大学歯科放射線学分野の森本教授による自作パワーポイント動画です。初めに、小野と吉野が挨拶をしています。森本教授より原稿を頂いたので、下にご紹介させていただきます。動画と合わせてお読みになることをお勧めします。 ーーーーーーーーーーー 国公立大学の運営資金の変化と日本の高等教育や研究の現状 (森本泰宏)  研究の背景は大学教員の研究時間が大いに減少していることを感じるからです。その結果、日本の教育レベルは低下すると思います

大学法人化を検証する⑤/大学の経済効果とは!【動画解説】#00019

動画解説 総まとめです。激論が続きました。長すぎて、中富先生は帰らなくてはいけなくなりました。  さて、教育とは何なのでしょうか?大学の経済面からの評価をしてみたいと思います。評価項目として「収益率」があり、以下の3つに分けられます。 ・私的収益率:大学に進学して個人が得した割合 ・財政的収益率:大学に進学して国が得した割合 ・社会的収益率:大学に進学して社会全体が得した割合  日本はいずれもプラスの値をとっており、個人、国、社会全体において大学は経済的に有意義であるこ

大学法人化を検証する④/大学の財政はどうなってるの?【動画解説】#00018

動画解説 OECD加盟国中、大学への公財政支出が最低です。公的資金だけでなく、日本では企業や財団といった民間からの研究資金投入もかなり少ない状況です。質疑応答で出てきますが、日本の大学学費はかなり安いのです!  そうなると、吉野先生の疑問は「日本は超低予算でやってるのか?」ということでした。森本先生の答えはYesです。  あまり大きな声で言えませんが、日本の大学教員の給与もかなり低いです。細かいことを抜きにすると、アメリカでポスドク(雇われ研究者)やっている時の手取りと、

大学法人化を検証する②/研究費配分について【動画解説】#00016

動画解説 吉野先生の鋭い指摘と大爆笑のユーモアが炸裂した回でした。  森本教授のMBA論文の中で一番衝撃的だったグラフが、割り当てられた大学数に対する科研費予算配分割合です。競争的資金である科研費の80%以上が日本の大学の10校に配分されています。また、1番と10番の間でも、1番の大学の16%しか10番目の大学に配分されていないなど(大学名は動画をご覧ください)、ああ、九州歯科大学での研究は前途多難だということを感じました。動画では、大爆笑していますが・・・。  日本では