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大学法人化を検証する②/研究費配分について【動画解説】#00016

動画解説

 吉野先生の鋭い指摘と大爆笑のユーモアが炸裂した回でした。

 森本教授のMBA論文の中で一番衝撃的だったグラフが、割り当てられた大学数に対する科研費予算配分割合です。競争的資金である科研費の80%以上が日本の大学の10校に配分されています。また、1番と10番の間でも、1番の大学の16%しか10番目の大学に配分されていないなど(大学名は動画をご覧ください)、ああ、九州歯科大学での研究は前途多難だということを感じました。動画では、大爆笑していますが・・・。

 日本では1994年にポスドク1万人計画(5年間:Wikipedia参照)がかつて打ち出されましたが、残念ながら。うまくいきませんでした。ポスドクとは雇われ(任期付き)研究者ですが、日本では人材の流動性がそもそも低かったことが原因と考えられています。この流動性には、予算配分方式にも原因があったということを動画では指摘しています。

 法人化後の大学勤務時間の僅かな増加に対し、研究時間は年間300時間以上減少していたというのも衝撃的です。おおよそ2か月分丸々を研究しなくなったというわけですから驚きです。

 とはいえ、大学教員は研究だけではなく、教育も行うわけです。適切な研究時間というのはわかりません。大学は学生によって成り立っていますので、教育に力を抜いてはいけないわけです。次回は、教育の話になります!

補足・修正

 九州歯科大学は公立大学法人でして、福岡県の管轄下にあります。肝心の公立大学の運営費交付金については、森本先生は解析対象にしていません。というのも、自治体により対応が様々でケースバイケースの振れ幅が大きいため、解析が難しいとのことでした。

 動画では、人材の海外流出やデータの捏造の危険性について指摘していますが、あくまでも「おそれ」であって、それらが横行しているわけではありません。

編集者から

使用機材
 変更ありません。詳しくはこちらを参照してください。

動画の内容について
 今回の動画ですが、研究費配分の現実に驚きの連続でした……。マナビ研究室のメンバーはみんなポジティブでユーモアのある方ばかりなのでシビアな内容でも笑いに変えることができるようです。(さすが!( ´∀` ))

効果音
 個人的に銅鑼の勢いのある音が動画で映えると思っているので所々で使っています!


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