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パステル画展「だいたい十条」を終えて〜感想とご報告〜

2020年11月19日から始まったパステル画展「だいたい十条」。12月9日に無事終えることができました。会場に足を運んでくださったみなさま、場所を提供してくださった「梅の木十条店」のマスター、スタッフのみなさま、何かと気にかけてくださったみなさま、本当にありがとうございました!感想はもう「楽しかったー!!」のひとことに尽きます。

今回の個展でお世話になった方々、そして「行きたかったけど行けなかった〜!」という方々へのご報告も兼ねて、このあたりでパステル画展を少し振り返ってみようと思います。ちょっと長くなりますが、おつきあいいただければ幸いです。

<絵の販売について>

展示した絵は12枚で、最終的に4枚の絵をご購入いただきました。買ってくださったみなさま、本当にありがとうございました!

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値段は1枚1万円。「初心者がよくそんな値段つけたな!」と言われそうですが、いや、ほんとにそうですよね(笑)。

「せっかくやるなら販売もしよう」というのは最初から決めていたのですが、値付けにはけっこう悩みました。絵を描くのも初めてなら、それを販売するのも初めて。どれくらいの値段にすればいいのか、さっぱり見当がつきませんでした。

そこでまず参考にしたのは、パステル画を始めるきっかけとなった坂口恭平さん。彼は原画を1枚15万円で販売しているそうですが、その坂口さんがパステル画を始めたのは確か今年の5月。ちなみに僕が始めたのは9月。

「じゃあ、僕も3万円くらいで販売すればいいかな?」と安易に考えたのですが、それをアートに詳しい友人に話したら、マジでドン引きしていたので(笑)、ちょっと考え直すことにしました。

よく考えたら坂口さんは僕と違って有名人ですので、そもそも参考にする人を間違っていました(笑)。そしてちょうどその頃、たまたま表参道あたりにある画廊を覗く機会がありました。

すると、プロが描いたであろう絵でも、1万円そこそこで売っているではありませんか。もちろんめちゃくちゃ上手です。友人がドン引きしていたのも納得です(笑)。それからネットでもいろいろ調べてみて、最終的には「絵の値段に確たる基準はないらしい」ということがわかりました(笑)。

1枚3千円〜5千円くらいで販売する人もいるそうですが、この世にたったひとつの原画がその値段では、ちょっとトキメキがありません(笑)。そして僕が何より心配したのは、「正直ぜんぜん好きな絵じゃないけど、まあせっかくだから……」と、いわゆる「おつきあい」で絵を購入されることでした。

本当は気に入っていない絵を買うことは、買った本人にとっても、作者にとっても、絵にとっても残念なことになりかねません。僕の知り合いは優しい人ばかりですので、もしかすると「思いやりだけで絵を買ってくださる」ということがないとも限りません。

そこで考えたのは、「おつきあいで買うには明らかに高すぎる(作家もそれを期待していないことがわかる)値段」だけれども、「本当に気に入ってくれた人にとってはお手頃価格」、それでいて、売れた時に僕が「わーい!」と思える値段設定。そのバランスから導き出されたのが、「1枚1万円」という金額でした。

細かいのが苦手な僕にとって「1万円」はなかなかいい数字です。ちなみに僕は消費税が大嫌いで、あの細かい数字を処理する手間や時間、わずらわしさからくる精神的ストレスは、消費税による税収よりもはるかに高コストになっているのではないか、と本気で思っています(笑)。

なにはともあれ、1枚1万円という値段にはそういう背景があったのでした。

<再会のきっかけとして>

今回パステル画展をやってよかったことのひとつに、「ご無沙汰していた方々と久々にお会いするきっかけになった」ということがあります。

前に住んでいた家のご近所さん、大学院時代の学友、以前の職場の同僚、友人のお母さんなど。特に職場の同僚は、同じ会社の同僚ではなく、3つの別の会社の同僚でした。「どんだけ会社を転々としてきたんだ!」と自分に突っ込みました(ちなみに30社以上)。その中で、今でもつながりのある同僚と出会えたことは、本当に幸運なことだったと思います。

それは時に、「今回会わなければ、もしかすると一生会わなかったかもしれない」というような再会だったりもします。この価値はもはやプライスレス。僕も死ぬ直前に一生を振り返る機会があったら、「そういえば、梅の木でパステル画展やったなあ。いろんな人が来てくれたなあ……」と思い出すに違いありません。もはや個展は大人の必修科目にした方がいいのではないか、と思うほどです。……いや、それは言い過ぎだな(笑)。

ご来場くださった人数が一番多かったのは、初日の11月19日でした。しかもその日に来てくださった方が、さっそく絵を1枚購入してくださったのです。「幸先がいい」とはまさにこのことで、「きっとこの個展はうまくいくな!」と確信したのもその時でした。

もちろん買ってくださった方は、そういうことも含めて考えられていたのかもしれません。買ってくださると聞いた時に、思わず「本当にいいんですか?絶対気を遣わないでくださいね!」と何度も確認してしまいました(笑)。このへんが、僕の商売人として上手じゃないところですね。

来てくださった方の多くが、空の表現を褒めてくださったのですが、初日に来てくださったある方は、「杉原さんの空は、ちゃんと宇宙とつながっていますね」と言ってくださいました。そして僕の描く空を「スギハラ・ブルー」と名付けてくれたのでした。僕が個展の間、むやみやたらに「スギハラ・ブルー」を連呼し続けたことは言うまでもありません(笑)。

11青空と十条銀座

本来ならば、人生初の個展ですので、大々的に宣伝して、どうしても来て欲しい人には個別にご連絡したりするところだと思います。しかし今回はこのコロナ下。あまり積極的にお声掛けすることもためらわれ、ひとまずTwitterやFacebookで開催告知をする程度にとどめました。

幸いにも会場である「梅の木十条店」は、喫茶店としてはかなり広く、じゅうぶんな距離をとることができます。こまめな消毒や換気などは言うまでもなく、コロナ対策にはそうとう気を使われています。

とはいえ、この難しい状況の中、最大限の注意を払いつつ足を運んでくださったみなさまには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。コロナの収束が見えない中で、まだまだ油断できない日々が続きそうですが、人間が健やかに生きていく上で、直接人と会うことの大切さを改めて実感した次第です。

<「感想ノート」を置いてみた結果>

個展の会場でよく見る「感想ノート」。最初は置くつもりはなかったのですが、会場の準備を終えた段階で、マスターが「感想ノートは置かないんですか?」とお声掛けくださいました。

それに対して、「だって、ディスられたらイヤじゃないですか。『描き始めて2カ月の初心者が値段つけてんじゃねーよ!』とか書かれたら立ち直れないっすよ〜云々……」とネガティブなことをブツブツ言っていると、「大丈夫ですよ(笑)」と背中を押してくださいました。「素直が服を着て歩いている」と評判の僕は、言われるがままに「感想ノート」を置くことにしたのでした。

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結果、これが大正解!僕が在店していない時に来てくれた友人がメッセージを残してくれたり、「Twitterを見て来ました。お汁粉良いですね♪」「気まぐれに寄ってみたら……よかった!」などのコメントを書いてくださる方もおられました。

焼き鳥「けん助」の大将が来てくださって、僕が描いた「けん助のししとう」について、「本物以上の描写でとても感動しました」と書いてくださったのには笑いました。いやいや、本物の方がぜったい素晴らしいですから!!(笑)

4けん助のししとう

<非売品が売れてしまった>

この「けん助のししとう」、個展が終わったら「けん助」の大将と女将さんにプレゼントしようと思って、値段をつけず「非売品」にしていたのでした。それを見た大将が「これは非売品なんですか?」とおっしゃるので、「いや、実は個展が終わったらお伝えしようと思ってたんですが……」と、プレゼントしようと思っていたことを話すと、「いや、買わせてください」とおっしゃる。

「いやいや、これは最初からプレゼントするつもりでしたので……」とお断りしようとしたのですが、どうしても、とおっしゃってくださって、結局ご購入いただくことになりました。

個展終了の翌日、絵を届けるという口実のもと、「けん助」の焼き鳥を堪能しました。その時に「けん助のうずら」を一緒にプレゼントしようと持っていったら、なんとこちらまでご購入いただくことに……!!結果的に、むしろ僕が押し売りに行ったみたいな形になってしまいました(笑)。

もちろん、この2枚の絵の売上は全て、「けん助」での飲食に利用させていただくことにしました。僕が日本一の焼き鳥屋だと思っている「けん助」で、心置きなく最高の焼き鳥を堪能できる……。こんな幸せが他にあるだろうか。いや、ない。大将、女将さん、本当にありがとうございました!

7けん助のうずら

<ポストカードの販売>

個展の会場では、ポストカードや書籍の販売もさせていただいたのですが(5枚セットで500円)、なんと!個展終了後も、十条のセレクト雑貨のお店「ダイアログ」さんで、ポストカードを販売していただけることになりました!

ポストカード

「こんなセンスのいい店に、僕のポストカードを置いてもらっていいのか……?」と思うほどの素敵な品揃え。お店に入ったら心がウキウキ楽しくなること間違いなしの雑貨店さんです。お近くの方はぜひ足を運んでみてくださいませ!

クリスマス

アクセ

財布など

遠方にお住まいで、「ちょっと十条まで行けまへんわ〜」という方は、こちらまでご連絡いただければ郵送でお送りいたします。お支払い方法など返信にてお伝えいたします。お値段は、1セットでしたら500円+送料84円(計584円)、2セットでしたら1,000円+送料94円(計1,094円)になります。

<ヤギサワバルでの再展示が決定!>

「今回は行けなくて残念でした〜!」という声もたくさんいただきましたが、安心してください!すでに第2回の展示のオファーをいただいております!会場は、西東京市の西武柳沢駅から徒歩4分、最高に美味しいクラフトビールが飲めるビアバル「ヤギサワバル」です!

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開催時期などはまだ未定ですが、お近くの方はフラリとお立ち寄りくださいませ。都内ではここでしか飲めないパラダイスビアは、「究極のビール」と紹介されることもある上質なクラフトビールです。ほろ酔い気分で僕のパステル画を眺めれば、まるでゴッホ作のように見えるかもしれません(笑)。

<WEBパステル画展の開催も>

来てくださった方、来られなかった方から、「絵の解説動画をやって欲しい!」という声をいただきました。自分の絵を解説する気は全くなかったのですが、「面白がってくれる人がいるならやってもいいかな」と思いました。ただ動画は不慣れなので、このnoteやブログなどで、WEB展示会のような形でやれたらいいかな?と思っています。その際はぜひ覗きに来ていただければ幸いです。

ポストカードだけでなく、絵の購入をご希望の方も、こちらまでご連絡いただければ対応させていただきますので、お気軽にどうぞ。

以上、長くなってしまいましたが、今回のパステル画展「だいたい十条」の感想とご報告でした。お世話になったみなさま、きにかけてくださったみなさま、本当にありがとうございました!

10あの日のお富士さん




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