台湾韓国香港から沖縄に集まったハッカソン。-沖縄における子どもの貧困について-
Code for Japan 広報チームの武貞です。6月に開催したハッカソンについてのレポートです!
Code for Japanでは台湾版Code forのg0vが開催しているg0vハッカソンからヒントを受けて、ソーシャルハックデーという定期開催のハッカソンイベントを開催しているのですが、今回はこのハックデーの元祖でもあるg0vハッカソンを定期的に開催しているg0v(ガブゼロ:台湾のCode for)と私たちCode for Japan、そして韓国のPartiが沖縄に集結し、台湾・韓国・香港・日本のシビックテッカーが集まり、2日連続でのハッカソンを開催しました。
4月の現地視察では、g0vチームのpm5やchihaoと一緒に沖縄市や現地のスタートアップ支援施設などを複数訪問し、沖縄市やコザの歴史、地域課題などについても直接伺い、今回6月に本イベントの実施となりました。
オンライン会議で各国からメンバーが適宜集まり、少しずつ準備していったのですが、現地のStartup Lab Lagoon(旧:スタートアップカフェコザ)の皆さんに多大なるご協力をいただき、開催することができました。
Facing the Oceanの日程(金夜から日曜日まで)
day0:ウェルカムパーティー
day1:ピッチ(議題共有)→テーブルに分かれて議論→途中経過報告
day2:テーブルに分かれて開発→最終成果報告→フェアウェルパーティー
最初はそれぞれがどこの国から来たか、何に興味があるかなどを共有しながら、今回のハッカソンで取り組みたいと持ち寄っったテーマについてシェアしていきました。既存のプロジェクトの継続案件の人もいれば、この場から始まる企画もあり、それぞれのチームで分かれて議論・作業が開始。
(オープニング初日のプレゼンテーションはこちら)
私は6,7年前にLITALICOジュニアの同じ横浜エリアで働いていて現在はLITALICOワークス沖縄で働いている平良さんが現地で子ども支援について主業務以外にも独自で活動をしながら頑張っているのを聞いていたので、彼女のチームを応援したく、「沖縄の子どもの貧困について考えるチーム」に入って、みんなで議論をしながらプロトタイピングを進めていきました。
チームを組む前の議題共有で平良さんが話していた内容はこちら。
沖縄の貧困率は全国と比べて2倍と高いこと
ひとり親世帯となると、その確率は2倍となること
不登校や中退も多く
それ以外にも関連する課題や問題がたくさんあることを伝え、貧困や教育、ひとり親の支援などに関心がある人には協力してもらいたいという内容でした。
競争したり作品の完成度をみられるようなイベントではないし、チームも固定ではないので、参加者同士は流動的で「この作業今からやるから〇〇できる人助けて!」みたいなラフな感じで臨機応変にかつ流動的に人が入れ替わっていきます。
子どもの貧困チームは沖縄の子どもの貧困について事前に平良さんと私で調べていたデータや参考文献を英語やマンダリンにしながら興味を持って参加してくれている同じチームの人に説明し、これらの課題に対してWEBやITを使って何ができるかを話していく中で、
沖縄の子どもの貧困チームのプロトタイピング
①対象:子どもに関わる大人(養育者だけでなく、幼保や学校の先生などを含めた人達)と子ども本人
②課題:どんな支援の選択肢があって、誰がどんな手順を踏めばその支援が受けられるのかを網羅的に集めた場所があまりない
③解決策:検索が簡単で自分の状況をチェックリストなどで選択したら受けられるものの一覧が出てきたり、使いたい支援を選んだら準備に必要なToDoを洗い出してもらえるWEBサイト
を作ろうという話になり、エンジニア・デザイナーの参加の元、少しずつプロトタイピングを進めていきました。
途中の各自活動事例報告では、昨年台湾に行った時の資料を使いながらSOCIAL FIGHTER AWARDについて発表させてもらいました。
夕方にはみんな作業を終え、近くにある居酒屋でビールを飲みながらゆる区談義していました。日本の飲み会カルチャーや、そういったシーンで使われるセリフについて話したりすることもあれば、お互いの国の政治や社会活動について議論することもあり、交流をしつつ、一緒にものを作りつつ、3日間を共に過ごしていきました。
名目としてはハッカソンではあるものの、みんなが好きなサイドワークを持ってきてそれぞれのできることをシェアし合いながら自分たちの描きたい社会を具現化していく活動はシビックテックらしいの意思の強さと受容する柔らかさの共存する独特雰囲気がありました。
最終発表では、それぞれのチームが作ってきたものの経過報告と今後の予定についてシェアをし、みんなの3日間の活動を労い、和やかに終了しました。
子どもの貧困チームは、沖縄市の子どもに関する部門の方が最終報告にも来てくださっていたので、すでに市で制作している紙のOKIIKU(おきいく)のポータルサイトの追加機能として今回のプロトタイピングの続きで一緒にできたらという話もすることができました。
実際に作ったWEBの検索画面
検索したあとに見れるページのイメージ
最初は英語・マンダリン・日本語が混ざる状況でどうやったら一緒に開発ができるのか想像ができなかったのですが、絵や図で描いて説明したり日本語が得意な台湾メンバーがサポートに入ってくれたりして台湾g0vメンバーと沖縄現地エンジニア・デザイナーさんと一緒につくることができたので、共感できる共通のテーマさえあれば言語が違っても一緒に何かすることは可能なんだなと実感しました。
最終発表の様子はこちら→https://youtu.be/ACQIh9tB6q4
このハッカソンの後にそのまま香港に帰って今回のデモに参加していたメンバーもいて、日本のニュース番組やネットで流れてくる情報とは違う、中の活動している人のメッセージや報告に触れる機会も多くなり、改めてシビックテックの役割や自分たちで情報を集めたり発信したり、どれをどう解釈するかを考えていく習慣の必要性について考えさせられる機会になりました。
Facing the Oceanは台湾のg0v、日本のCode for Japan、韓国のPartiで合同開催となった多国籍ハッカソンですが、今後もCode for ALLのコミュニティを活用したりしながら海外のCivic techとの共同企画は増やしていけたらと思いますし、せっかくなので沖縄での活動も遠隔でも参加できるような仕組みにしていけたらと思います。
8月のソーシャルハックデーは東京・神戸・静岡・札幌会場に加えて、このFacing the Oceanの会場でもあった沖縄市の会場も同時開催予定なので、是非みなさんお近くの会場に遊びにいらしてください!