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イギリスの音楽ビジネスは生き残れるのか?小さなパブ・ヴェニューを救うことはできるのだろうか(泣)

7月4日より、ロックダウンの一部が緩和された。パブやレストランでは、従来の持ち帰りやデリバリーに加えて店内飲食も可能になり、待ちに待った美容室や床屋も営業再開。博物館やギャラリーなどもオープンし、公園もやテーマパークも開園された。ロックダウンに入ったのが3月23日だったので、実に3か月以上ぶりの営業開始だ。

初日の7月4日は「スーパー・サタデー」と呼ばれ、特に賛否両論のあったパブの営業再開には、ロンドン市長のサディク・カーンも「大晦日パーティではない(注:イギリスではクリスマスよりも大晦日を友人や仲間たちと過ごす。パブやナイトクラブなどでは事前にチケットを販売しパーティを主催するところも)ので、一人ひとりが節度を持ち、ソーシャル・ディスタンスを守って」とインタビューで何度も何度も繰り返した。

実際の土曜日の夜の様子に関しては(朝6時から開いていたパブもあったが、汗)日本でも報道されていたように、ロンドン中心部ソーホーなどは日曜の朝方まで若者を中心に人が集まった。

私はもう若くもないし、開いたからといって、慌ててパブに飛び込むこともなかったのだが(パブは大好きだけど)、今回の営業再開に関して、私の好きなパブ兼音楽ヴェニューである、The Lexington (レキシントン)が以下のような投稿をインスタグラムにしていたのが目についた。


要約すると、「土曜日の営業再開はありません。レキシントンとここで働くスタッフの未来を長期的に考えることにフォーカスしなければなりません。ソーシャルディスタンス下では、音楽をかけることもバンドの演奏も不可能です。楽しみにしていた人たち、ごめん」とのこと。

ここは1階がガストロ・パブで2階がミュージック・べニューとなっており、私も何度かここでバンドの演奏を観た。本当に小さなヴェニューだがミュージシャンたちをステージの真ん前で観ることが出来、しかもリラックスした雰囲気の中でライブを楽しめるので、大好きなヴェニューの一つだった。

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トラヴィス

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エイロス・チャイルド(元ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキ)

上は私がレキシントンで観たミュージシャン。写真からも分かるように、バンドメンバーに手が届きそうなほど近くで観れる。

「#LetTheMusicPlay」

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ライブミュージック産業は2019年6040億円をイギリス経済に貢献しており、英国内において20万人の雇用を維持している。しかし、その50%は失業の危機に面しており、それは壊滅的な技術損失につながる。また、90%もの地元密着型のミュージック・ヴェニューは閉鎖の危機に瀕しており、今すぐにでも救済が必要だ。

ああ、レキシントンもその一つなのだろうか…。

「レディオヘッド、ザ・キュアー、ニック・ケイヴ、PJハーヴェイ、ジョニー・マー、ディジー・ラスカル、プライマル・スクリーム、ポール・マッカートニー、デュア・リパ、ザ・ローリング・ストーンズ、コールドプレイらは新型コロナウイルスのロックダウンによって音楽業界に対する「壊滅的な被害」を防ぐために早急な行動を求める「#LetTheMusicPlay」の公開書簡に署名している。」

ウチの夫もジャズを弾く人なので、ライブミュージックが開催されないのは正直他人事ではない。


ただ、2100億円では、すべてのエンターテイメントビジネスを救うことは不可能だと。

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エコー・アンド・ザ・バニーメンの2021年のUKツアーのチケットを購入した。サービスを享受するわけなので、寄付とは違うが少しでも売り上げに協力できたら、と思っていたら、ロンドン公演は即行ソールド・アウト。追加公演が発表された。来年の5月だけどとても楽しみ。

最後に #LetTheMusicPlay キャンペーンの一環で、「ロックダウン前、最後に行ったギグを投稿」というのがあったので、私も参加。

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スーパーグラス@Alexandra Palace London 3月6日

思えばこれもぎりぎりだったな。本当に本当に楽しかった。

私にとっては、音楽ヴェニューの再オープンがとても待ち遠しいところだ。ライブミュージック無くしては人生を語れないほど音楽が好きだ。ライブに行きたい。



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