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3月8日 略語はなんだか品がなくなる感じがしますが、そこがいいんでしょうね。イケメン、カスハラ、転売ヤー。

略語、というのは微妙なものだ。

自分で先陣を切ることはできなくとも、少なくとも「初期使用者」ぐらいだと使うのが楽しいが、日本語話者の体感5割以上が使いだしてから使いだすのはなんというか「やらされ感」が出るだろう。

「自分だけが知っている」あるいは「少数の鋭いヤツらが知っている」と思うのは気分がいい。一方で「なんだかこの言葉が昔と違ってスタンダードになったらしいから、あんまり上品な(=自分の力で知ることがなく残念な、の意味もこめ)言葉ではないがしょうがないなあ、つかうかなあ」という気もちで使う言葉は嫌なものである。

古くは「イケメン」。いけてるメンズ、の略だと思うが、メンズのメンズはメンズノンノの影響はあるのだろうか。どこかで英語文法的にはメンは既に複数形なのでおかしい、という負け犬的遠吠え的意見も読んだ気がするが(私も負け犬です)。。

日本語のなかの外来語とは、本来の言葉へのレスペクトは使用者にはないものだ。言葉を作った人にあるのみだろう。

イケメンは古くはハンサムとか長くて「かっこいい男」という風に言われていたのだろう。いま「ハンサム」なんて聞くとほぼ古語のように感じる。
(だけど行って帰って「古典的な良家の顔がいいひと」という感じが出る気もしますね)

かっこいい男、では長すぎる。長すぎたことがイケメンという語が標準となったことの一因なのだろう。

まあしかし、「イケてる」と「メンズ」ですよ。これはいわゆる(そんな人とは出会ったことがないが)脳内で想像する「上品な話者」(たぶん今はもうほとんど存在しない)か、「ご老人」(きちんとした日本語しゃべらんかい、と怒るひと=たぶんこういうひとももういないと思う)にとっては、「口にするのも汚らわしい」「脳みそ侵略すんなよ」という言葉かもしれない。

タイトルのように思ったのは「カスハラ」の語を聞いて。関西弁話者の私としては「カス」というのは人を罵る際の結構最上位に近い言葉であるのだ。

使う時はまさに「吐き捨てる」感じ。

それに比べれば「アホ」はもう既に誉め言葉のようなものだ。
(この感覚は別の地区ではわかりにくいでしょうね。。名古屋で「たわけ」といわれましたが全く怒りはわかず、「たわしかな」と思ったものです)

本来「お客様」の意味である「カスタマー」は、本音ではカネのため我慢して祭り上げているだけの単なる「カス」な奴。略して「カス」と言える爽快さに、稼ぎ人が群がって使用する理由の一端が、

あるに違いない、と思っている。

(「カスハラ」の身もふたもない感じは、口にすると悪いことなんだが悪いことではない、とされちゃっている感につながり、そこが略語の肝(この言い方も昔はなかった?)のような気がします。。似た語感に、「転売ヤー」がある気がします。絶対最後の「ヤー」は「やーさん」の意味が籠ってますよね。バイヤーの略、というのはあとつけの理由だと思う)

お志本当に嬉しく思います。インプットに努めよきアウトプットが出来るように努力致します。