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また元気な姿で


「やがて海へと届く」を見た。
この映画で友人のことを思い出した。

彼とは高校1年生の時に出会った。中学からの友人と彼が同じクラスだったため、部活動見学を一緒に見に行ったのが最初だ。
3年で同じクラスになり話すようになった。
それでもよく遊ぶようになったのは高校卒業後。
共通の趣味というか波長が合っていたと思う。
アイドル好き、ファッション好き、性格も似てて、考え方も近かったので一緒にいて居心地が良かった。さらに、彼と出会って見る世界が変わった。
こんな世界があるんだといつも刺激をくれた。
ただ、お互い自分の道を進んでいくにつれて会う機会が減っていった。
私は自分の心配でいっぱいいっぱいで彼を誘うのに気が引けたり、
彼と比較してる自分にも嫌気がさしてさらに会うことがなくなった。

そして、ひさびさに彼から連絡があった。
2020年のお正月。帰省してるから会わないかと言われた。
その頃私は一人暮らしを始めていて、その年は帰省していなかった。
だから、予定が合わなかったといえば合わなかったが、会おうと思えば会えた。
しかし会おうとはしなかった。またいつでも会えると思ってたから、、、、、
でもそこから2年過ぎても会えてない。
なぜか。それは彼が病を患ったから。
複数回の手術の末、命に別状はなく現在はリハビリ中とのこと。

人生、何が起こるかわからない。
明日死ぬかもしれないし、誰もがその可能性がゼロじゃない事がすごく怖くなったと同時に、いつでも会えると思っていた自分を責めた。
今人生で後悔してることは何かと質問されたら、友人の誘いを断らなければ良かったと答える。時間を巻き戻せるなら、そこまで戻って会ってた。
しかし時間は巻き戻せない。前へ進むのみ。
彼の回復を待つしかない。

そのことを知ったときに一通のラインを送った。
既読がついたけど、返信はなかった。
誕生日にもラインを送った。
これもまた既読がついたけど返事はなかった。
話せるのか、体が動かせるのか、彼の状態すら分からないまま。
リハビリは辛いのだろうか。
ご飯は食べれてるだろうか。
痛みがあって眠れない日はないだろうか。
彼に対する心配をしても誰も答えてはくれない。
リハビリ中ということは前向きに考えていいということだろうか。元通りとはいかないけど元気な姿で会ってくれるだろうか。
そんなことばかり考えても仕方がない。
私にできることは自分に向き合うこと。
彼が戻ってくる頃には自分のことを好きな自分でいたい。
それと、当たり前を当たり前と思わないこと。
友人や恋人、家族には会えるときに会おうと思った。
人生何が起きるか分からない。
言いたいことも言えずいなくなるのは辛すぎる。
だから、会いたいと気持ちや何か伝えたいことがあるのなら後でいいやとは思わない。
あとなんてない。今を大切に生きたい。

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