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デッポコ書きました(短編小説など)

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短編小説とかです。
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2022年8月の記事一覧

短編小説「おまんじゅうVSボナペティ」

8月21日、午前10時05分。外気温37℃。天気、快晴。 場所、新東京拘置所。本日の被死…

短編小説「ジーマ・豚足・オトガイ結節粉砕骨折」

Hey,Yo! 私、環貫(かんぬき)ミヅキ、高校1年生! 今日は幼馴染の心音(ここね)ち…

短編小説「カトルカール」

画面の向こうでは、恋人とそれぞれの元恋人がテーブルの前でケーキを囲んでる。 彼氏彼女がケ…

短編小説「占い師・蛇増子屋珠子と神隠し事件簿」

「ご安心ください。謎はすべて解けました」 事件現場となった駅前商店街の南端、通称「魔術通…

短編小説「放課後たぬきそば」

リンゴンと鳴るチャイムの音で目が覚めた。 昼休憩ってなんでこんな一瞬で溶けちゃうんだろう…

短編小説「いも煮ピルグリム」

この世界はすべて我らのものだ 広大な空と呼ぶ天蓋の端から端まで 地平の果てまで、我らの目の…

短編小説「占い師・蛇増子屋珠子の迷推理」

「なるほど、いわゆる密室殺人ですね」 ベッドの上に放置された首なし死体と豪華な調度品が置かれた部屋を交互に見回しながら、私は人差し指をピンと立てる。 鍵のかかった上にチェーンロックも外れていなかったドア、さらにチェーンには、少し離れた位置にある大型のキャリーバッグに結ばれた防犯ブザーのピンまで、張り詰めた形でワイヤーが括られていた。 ホテルの地上18階、窓はかろうじて成人女性が頭を出せるか否かの幅しか開かない。エアコンと天井はぴっちりとくっついて開けられた形跡はない。壁も血