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デッポコ書きました(短編小説など)

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短編小説とかです。
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短編小説「たこやきのない世界」

「友達と仲良くしましょう」 「将来の夢を持ちましょう」 「素敵な恋人を作りましょう」 「…

共食魚骨・断編集「魚の骨は猫でも食べない」

―1―【オメラスの地下牢】 廃墟は嫌いだ、時間が止まってるから…… 廃墟は嫌いだ、世界に…

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死者に花束を、生者には銀の杭を

「この世で最も偉大なものは神、あるいは人類の頭脳であるのは疑うべき点は無いが、ではこの世…

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鬼が笑う

かつてこの国には鬼と呼ばれる大悪たちが存在した。 しかし時代の流れと共に、鬼はかつての地…

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アンダードッグ&プッシーキャット

世の中に対して言いたいことなんて無いけど、ひとつだけ言わせてもらうとするならば、バンド活…

5

竜と六畳間

「起きて半畳、寝て一畳、だけども商売は繁盛していたい!」 そう語ったのは家具職人の祖父で…

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酒とマサカリ ~ Bar&Hatchetation ~

1911年6月9日、アメリカ合衆国アーカンソー州ユリーカ・スプリングズ公園。 その日、ひとりの破壊者が大絶叫をあげながら憤死した。6フィートの上背と175ポンドの巨体で酒場に繰り出し、酒樽や酒瓶を叩き壊して回る破壊者は、珍妙な異名で呼ばれる家で聖書を読み耽り、神の声を聴き、最初の夫の命を奪った上に自身の結婚生活を捻じ曲げた酒というものに対して偏執狂な逆恨みの感情を抱き、自らを神の犬と称して破壊の限りを尽くした。 そんな怪物のような女の死の報せに、ある者は安堵を浮かべ、またある

小説「会いたい喋りたい捕食したい」

毎朝同じように鏡の前で顔を洗い、口に水を含んでぶくぶくと液体を流動させて吐き出し、歯を磨…

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家出少女・オブ・ザ・デッド

夜の町を歩くのは様々だ。 仕事帰りの人、勤務中の人、部活終わりの学生、今から塾に通う学生…

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いつかの夏休みの宿題、或いは『拝啓 カツサンドマスタードソース様へ』

夏休みの宿題は夏休みの内に済ませておいた方がいい。 それを口癖のようにしつこく語ってくれ…

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お部屋を片付けてたらなんか出てきた

おはようございます。デッポコちゃんです。 最近体調がカスなので、小説書かなきゃと思いつつ…

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短編小説「ふしぎな神様とチョコレートトッピングましましワッフル」

山の天気は気まぐれだ。 今朝は雲ひとつないくらい晴れていたのに、昼を待たずに爪の先くらい…

短編小説「ランタンの灯」

その日は、冬にはまだ早い季節にしては朝から凍えるような寒さだった。空を分厚い雲が覆い、早…

短編小説「ギガ恐竜ガール」

産みのお母さんのことは正直よく覚えてないけど、とても気の強い人だったことは覚えてる。 口より先に手が出るし、考えるより先に行動する、そんな江戸っ子野郎を絵に描いたような人だった。 そして恋多き人だった。 それが母、三角真理愛。 故人、享年26歳。 あだ名はブラックホール聖母。 シングルマザーだった母は、店で知り合った男とだいたい15分くらいで恋に落ちて、だいたい1時間くらいで付き合って、だいたい日付が変わる前に家に連れ込んだ。 家に連れてきた男の中には優柔不断な男もいて、