酒とマサカリ ~ Bar&Hatchetation ~
1911年6月9日、アメリカ合衆国アーカンソー州ユリーカ・スプリングズ公園。
その日、ひとりの破壊者が大絶叫をあげながら憤死した。6フィートの上背と175ポンドの巨体で酒場に繰り出し、酒樽や酒瓶を叩き壊して回る破壊者は、珍妙な異名で呼ばれる家で聖書を読み耽り、神の声を聴き、最初の夫の命を奪った上に自身の結婚生活を捻じ曲げた酒というものに対して偏執狂な逆恨みの感情を抱き、自らを神の犬と称して破壊の限りを尽くした。
そんな怪物のような女の死の報せに、ある者は安堵を浮かべ、またある