面白く感じない理由を考えた
先日職場の飲み会にて、以下のような状況になりました。
Aさん「この間、また遅刻しちゃってさー」
Bさん「え、どうして?」
Aさん「前日また飲みすぎちゃって電車に乗り遅れたんだよねー」
Bさん「お前はいつもバカだよなー。笑」
Bさんと周囲も爆笑。私は愛想笑い。
この状況にて私は面白く感じなかったので笑わなかったのですが、周囲は爆笑。とても違和感を感じました。
「なんで皆笑っているんだろう・・?」そして「私はなんで笑えないのだろう・・?」
今回は私がなぜ面白くないと感じたのかについて深堀りをしていきたいと思います。
・笑いが発生するとき
そもそも人が笑ったり、泣いたり、怒ったりと感情が大きく動くのは自分で想像しなかった事象が起こったときだと思います。「笑う」という行為もまた、自分の想像や価値観とは異なることを見たり、聞いたり、体験したときに発生する感情の動きです。人はこのようなギャップに笑ってしまうのだと思います。
この状況でもギャップは生まれています。会社に遅刻してはいけないという前提に対して遅刻してしまうというギャップ。翌日仕事がある日の飲み過ぎはよくないということに対して飲み過ぎてしまうというギャップ。失敗は繰り返すべきではないという価値観に対して「また」遅刻してしまうというギャップ。少し考えただけでも3つのギャップが生まれています。
これだけギャップが生まれているのになぜ私は笑えなかったのでしょう?
・笑いと怒りのあいだ
一つはAさんの行為によって迷惑がかかる周囲の人を知ってしまっているからでしょう。まったくの赤の他人であればそのようなことは考えませんが、Aさんのまわりの人が被る苦労を考えてしまうと笑うことができません。ギャップの作り方を間違えると笑いは怒りにも変わるということも、このことから分かります。
しかしながら、この場合ですと例えAさんが全く別の組織に所属していても笑えなかっただろうなーと思いました。それはなぜなのでしょう?
・笑いの演出にクサさが見えてしまう
もう少し深掘りすると、なぜ笑えなかったのかが分かってきました。
ギャップが生まれるというのは具体的には、面白いことをした人(Aさん)の価値観と世間一般の価値観に基づく行為にギャップが生じるということです。そしてこの場合、そのギャップを指摘するのは当事者としての価値観を持っているAさんではなく、世間一般の価値観を持っている他の誰かでなければいけません。
私がこの状況で違和感を感じたのは「面白い行為をした当事者が第三者の目線でギャップを指摘していたから」だと思います。もし他の人がAさんの行為を指摘していたら笑えたと思います。しかし、Aさんが指摘することで”クサさ”を感じてしまい、笑えなかったのだと思います。
・自虐ネタが面白いのはなぜ?
そのように考えると「自虐ネタはどうなるの?」といった疑問が浮かびます。芸人さんの面白い自虐ネタをよく見るとわかるのですが、このような自分の価値観を自分で指摘するようなものはほとんどありません。他の人が指摘するように工夫したり、他の人から指摘されるが自分には理由がわからないというように、クサさを感じさせないテクニックを使っています。そう考えると、お笑い芸人さんは人の心をよく計算されていてすごいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この文章を書きながら「じゃあなぜ周りは笑っていたんだろう?」という疑問が生まれました。この答えは考えても見つけられませんでした。なにか合点がいくことがあれば書きたいと思います。
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