20211113 ラテンの宴(エン) レコード紹介テーマ「ヴィブラフォン」

横浜元町の"Gallery + Sushi あまね"で毎月開催している音楽ラウンジ「ラテンの宴(エン)」そこではDJの時間とは別に、テーマを決めて音楽紹介も実施。
今回のレコード紹介のテーマは「ヴィブラフォン」です。

ラテンのパーカッションなどの”暑苦しい"要素をその金属的・知的な響きでまとめあげるような、たとえると細い銀の鎖で纏め上げるようなヴィブラフォンという楽器。
何故かラテン音楽ではこの楽器が使われることが多く、その音を使っている曲を紹介します。(一部ジャズを含む)


Tito Puente / Mambo Diablo (1985 US)

ラテン音楽界のキング、Tito Puenteが80年代中盤に残した名盤。
有名なジャズ曲の「Take Five」も収録。
「都会の夜の音楽って何?」っていわれたらコレを出せばまず間違いないんじゃない?

ちなみに、この盤の「Take Five」をDJでかけていると、「この曲は我が町ニューヨークの曲なんだ!」と何度か外国人(アメリカ人、なんだよね?)にいわれた事があるのですが、そうなんでしょうか?
「Take Five」はNew Yorkの歌なんでしょうかね?
(そんなんカッコよすぎやろ、ズリィぞ)



Cal Tjader / 「Gozame! Pero Ya…」(1980 US)

ラテンでヴィブラフォン奏者といったらこの人を置いて他にいない、カル・ジェイダー。長いキャリアを持つ人でラテン界のみならずジャズ系のレーベルにも多く作品を残している。、本盤は80年に録音された後期の名盤。「Jazzで踊る」80年代後期のロンドンのUKJazzDanceシーンのアンセム(代表定番曲)としても有名。


Joe Cuba /「El Pito(I'll Never Go Back To Georgia)」(1966 US)

50年代から活躍するジョー・キューバ。
時代によって多少スタイルが変わる事はあるものの、基本は自身のヴィブラフォンを中心としたスモールコンボの楽団であり、根幹は最初期から変化していないと思う。最初期の頃から他の楽団とは雰囲気を異にしており目だっていたという。
この盤はブーガル期に発表された一枚で、時勢の流行りも取り入れているためソウルの風味やロックリズムに近似しているチャチャチャやグァヒーラ的リズムを採用している。
勢い溢れる、言い方を帰ると野蛮で粗野な…トラックが今の耳でも面白いのではないかと。


Joe Cuba / 「I Tried To Dance All Night」(1958 US)



上で紹介したジョー・キューバの初期の音源。
「Swinging Mambo」という英語詩のついたマンボ。
マンボといっても、ハンドクラッピングが入ったり、曲が相当にポップだったりで、ラテン界(スペイン語文化圏) 以外へのアプローチを考えてたのかな?なんて想像させる。
(実際に、別の曲「MAMBO OF THE TIMES」なんて曲もDJ時に、"普通の人"にすごく受けがよいです)


Michael naura quintet  European Jazz Sounds  (1963 Germany)

欧州ジャズのヴィブラフォンものを1つ。
タビー・ヘイズ版も有名な「Down In The Village」という曲を。
ジャズダンサー受けする曲として昔から有名でした。
華麗さと知的な翳りの両方を含むこの曲はDJで使うと一発で「ジャズ」の雰囲気に空間を塗り替えられます。

この手の欧州ジャズの超レア盤は2005年頃に大阪の澤野工房が凄まじいクオリティで再発してくれスキモノたちは狂喜したものです。


Teodoro Morales - Torrid Latin Dances (1961 / US )

当時、凡百とあったニワカづくりのレコードレーベル。
だれがやってんだが皆目正体不明な演奏者がイージー・リスニングやら当時の流行音源やらをヤッツケで作成している。そして昔は権利意識なんか0だったようで「ジャケ違い、中身同じ」とか「レコードAの音源とレコードBの音源を混ぜてレコードCをでっち上げちゃう」とか山のようにあったようです。(訳け分からぬゴミ・ラテンを一山買ってきたまんぼの経験から)

本盤もそんな『ラテンレコード総当り」してた時に見つけたもの。
熱苦しくブロウされるトロンボーン、引っ叩かれるパーカッション、それらを細い鎖で纏め上げるかのようなヴィヴラフォンの冷徹な響き…
刺激的な一枚。

本盤に関しては殆ど情報がない(インターネット上でも)のですが、
どうやら有名ミューシャンの兄弟が残したもののようです。
(また権利の関係で具体的な曲目が一切かかれていないとうわさで聞いた)

本当にコアな情報って何時の時代にもアクセスできにくく、
コグスが出来て色々情報が共有されているなぁとは思いつつ、
間違っている事や書かれてないこともおおいよなぁと。
結局カタログ見てるだけでは本質的で面白いことは得られないんですよね


Benny Velarde / 「Ay que Rico」(1962 US)

パナマ人のジャズパーカッショニスト。
一般的には殆ど名前が知られていないが、
Fantasyレーベルにのこされたこの一枚はラウンジ的な音としては大傑作。

レアグルーヴの有名盤で知られるFrancisco Aguabella(フランシスコ・アグアベージャ)の初期のオーケストラの作品が本盤と似た雰囲気を持つ兄弟盤ではないかと思う。



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