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20230114 ラテンの宴(エン) テーマ「Ultimate Mambo Beat」

2023年1月のラテンの宴
レコード紹介テーマ「Ultimate Mambo Beat(究極のマンボ)」

横浜元町の"Gallery + Sushi あまね"で毎月開催している音楽ラウンジ「ラテンの宴(エン)」
そこではDJの時間とは別に、テーマを決めて音楽紹介も実施。

今回のテーマは「Ultimate Mambo Beat」、究極のマンボという意味です。
あまねで開催される「ラテンの宴」最終回という事でマンボに原点回帰!
そして今回のゲスト、DJ Takeshita氏とは長年のラテンのレコードのディグ仲間という事で一部選盤を依頼。
全曲最高のノケゾるキラーラテンばかりを選定! 発狂して踊れ!叫べ!!


【1】Woody Herman & Tito Puente / Herman's Heat & Puente's Beat (1958 US)

スイングジャズのバンドリーダー&クラリネット奏者の
ウディー・ハーマンと若き日のティト・プエンテが競演した一枚。
「究極のマンボ」と看板を広げながら、入手しやすい盤で肩透かしを
 食わされたかと思いますが、改めて聞くと演奏、録音共に文句の
つけようがないだろ?という曲かと思います。
全員白人ながらも黒人的ノリで人気を博したウディ・ハーマン楽団の
「聴衆がスイングし過ぎて床を踏み抜くんじゃない?」という演奏に呼応して
"ヤケクソ"という四文字が相応しい発狂ラテンパーカッションの応酬。
このエベレストレーベルは中々に音が良いということもあいまって、
「Mambo Herd」かなり強力なマンボではないかと。
(Select by まんぼばか)





【2】Peruchin / Guantanamera(1965 Cuba)


「究極のマンボ」と看板を広げながら、またまたジャケで肩透かしを。
「Guantanamera」はキューバの民謡。グァンタナモ(地方の)の
 農家の娘の事。それ故にこんなジャケットなんだろう…
 しかし、中身は超一級品のキューバンビックバンドジャズ !
情報が殆どなく演者や詳細情報は不明。
ピアニスト/作曲家/編曲家として高名なペルーチンの名義ゆえ
クレジットはなくとも名奏者がそろい踏みであろう(演奏が物語っている)
「Eh,Mamey Colorado」
ハイテンション+重量感+切れの良さ+メカニカル感…と全て含まれる
素晴しい過ぎるホーンアレンジにラテンの軽い切なさを奏でるピアノ…
(Select by まんぼばか)




【3】Mario Ortiz / On the Road(1963 US-PerutoRico )

トランペッター、バンドリーダーとして活躍していたマリオ・オルティス
キャリア初期にバンドリーダーとしてプエルトリコのレーベルに残した一枚。
爆裂する演奏をムリクリにテープのなかに詰め込んで、録音物(レコード)
に仕立てたかのようなハイテンションかつヤサグれた一枚。
「Mambo Infierno」 ー マンボ・インフェルノ
 邦訳すれば「地獄のマンボ」といったところだろうか?
さあ、君も声を出して叫んでごらん!「マンボっ!」と!
(Select by まんぼばか)




【4】 Tito Puente / Vaya Puente (1962 USA)

ラテン系レーベルTICOでデビューした後、大手の
RCAに移籍し、再度TICOレーベルに戻ってきた
62年頃に録音された中期プエンテの大傑作盤。
特にこの頃のTICO盤は狂気じみた迫力を纏っている。
「MAMBO GIL」
楽曲のスピード感、各楽器のハネ感、莫大な豊かさを
持っていたショウビズ界の雰囲気をにおわせる曲調…
自分にとっての究極のマンボはこの曲!
(Select by まんぼばか)




【5】Charlie Palmieri and His Duboney Orchestra / Yenquele, Maria (1966 USA)

ラテンピアニストCharlie Palmieriが66年に
マイナーレーベルB G Recordsに吹き込んだ
DUBONEY期の隠れた名作!!!
スウィング感溢れるマンボの数々に圧倒されます。
60年代マンボジャズ最高峰"Cellar Dwellers"を筆頭に、
キラーマンボ"El Tubo"や"Hold Up"、
チャチャチャ"Yenquele, Maria"など内容も粒揃い。
(Select by DJ Takeshita)




【6】Sonora de Betico Salas / Mambo Jazz (1966 Peru)

60年代ペルーで活躍していたLucho Macedo楽団の
トランペット奏者Humberto "Betico" Salasの
1stアルバムからのシングルカット。
前年にリリースされたWillie Rosario楽団の
“Yayi's Instant Mambo”をさらにハードに、
ド派手なホーンセクションで仕上げた
"Mambo Jazz"は長年のafrontierラテンクラシックス!!
アルバムは先月(2022年11月)めでたく再発されました。
(Select by DJ Takeshita)





【7】Luis Arias Y Sus Estrellas / Same (1966 Venezuela)


ドミニカ共和国出身のトランペット奏者Luis Ariasの
唯一のリーダー作。ベネズエラを代表する名門ラテン楽団
Billo's Caracas BoysやAldemaro Romero楽団で腕を磨き、
Ray PerezやGrupo Mangoの初期作品に参加するなど
同国のラテン音楽シーンを陰ながら支えてきた。
本作は彼がデスカルガやブーガルーに挑戦した一枚で
"Suena La Campana"では火を吹くような名演が楽しめる。
(Select by DJ Takeshita)



今回のゲストDJ Takeshita氏とはもう20年近くの知り合いで、知り合った当初から「オールドラテンをクラブのフロアへ投下する」というアグレッシブな姿勢でDJをしていました。

この姿勢については詳しく説明しないと判らないと思います。
オールジャンルのDJをしている人には体感でわかると思いますが、オールドラテン(マンボやサルサ)って、そのダンスのレッスンを受けたこと無い人(つまり普通の人)には致命的に受けません
つまりマンボやサルサってクラブや小箱に遊びに来る殆どの人には馴染みのないリズムです。

人間って相当にリズムについては保守的で「自分の知らないリズムで踊ってみよう」という行動をとる人はほぼいません。
「でも、オールドラテンには何か魅力がある。一般の人が多いクラブや小箱でDJするには絶対的に不利なこの音で空間を揺らしてみせる!」というスタイルを20年以上貫いていたのがDJ Takeshitaです。
それを、Bluenote系列のラグジュアリーなライブスポット「Motion Blue」という大きな会場でDJ を通じて実践していました。

motion blue (残念ながら2022年8月に閉店)


まんぼばかはそのへそ曲り感性から上と同じ様な事を考えていて意気投合し以降オールドラテンのレコードのディグや情報共有、時にDJで競演させていただいている、という関係になります。

また両人に共通しているのは「ロンドンがジャズで踊りだした!というムーブメント、UK-Jazz-DanceシーンのDJ に強烈に影響を受けた」という所でしょうか。

その体験を通じて育まれた感性でカッコいいと思うことを今でも、そして今後もやっていくんだと思います。



afrontier (DJ Takeshita所属)


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