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20221217 ラテンの宴(エン) テーマ「マゼマゼ(MIX解説)」

2022年1月のラテンの宴
レコード紹介テーマ「マゼマゼ(MIX解説)」

横浜元町の"Gallery + Sushi あまね"で毎月開催している音楽ラウンジ「ラテンの宴(エン)」

そこではDJの時間とは別に、テーマを決めて音楽紹介も実施。
2022年12月のテーマは「マゼマゼ(MIX解説)」と題してラテン音楽をDJ
で使う自分なりの考えや手法を言葉にしてみました。


ラテン音楽というと「陽気・ノリノリ」という定型的なイメージがあるとおもいますが、DJとしてラテン音楽をプレイするようになるとすぐに直面する問題があります。

「伝統的なラテンのリズムでは普通の人は踊らない(踊れない)」という現実です。

これは所謂「生音系の小箱」なんかでDJプレイをしている人は実感しているかと思います。

(生音系とは生演奏を主体とした古い音源でDJするシーンのこと。小箱は小さなクラブや音楽バーのことを指します。この手の場所には総じて「音楽好き」が集まり、1つではなく多様なジャンルの音楽が鳴っていることが多いです。 またDJ文化も「そもそもそのレコードがつくられた目的がどうであれ、ダンストラックとして機能するなら何でも使う」という雑食性の文化です。
なので生音系DJには古いラテンをDJに取り入れようとチャレンジしたことのある人も多いはずかと)


「ラテンが好きです」とフロアのお客さんにいわれても信じてはいけない。その言葉が意味するところとしては「ロックやソウルやハウス・テクノといったオンビートのダンストラックに振り掛けられた香辛料としてのラテンが好き」といっているに過ぎません。

「ラテンが好き」という言葉を字義どうり信頼してサルサやらワワンコーやらボンバやらかけると、ほぼ100%の確立でフロアはドン引きします。ほぼ100%ドン引きするのです!!(大事な事なので2回言いました)

まぁ、フロアをドン引きさせてきた歴史こそまんぼばかの歴史といっても過言ではありません。

香辛料100%のカレー粉をそのまま吸い込むと確実に全員ムセます。
やっぱりチャーハンやヤキソバに入れたり、トーストのとろけるチーズの上にちょいと乗っけたり、磯部焼きの餅と海苔の間にほんのひとつまみ落としたり、トリ胸肉をつけこむ際のソミュール液に混ぜ込んだりしたほうが良いです、カレー粉は。(何の話?)

話を元にもどすと、つまりまんぼばかがラテンの要素をどのように使いDJの中に組み伏せてきたのかを言葉で説明してみようという回です。



【1】「LatinJazzFusion」→「BurazilianFusin(Samba)」/ サンバの2拍子でリズムの安定感を解決MIX



 Clare Fisher / African Flute (1980 西ドイツ)
 →→ To Be / Samba for Heino.R (1977 西ドイツ)



ポイント
前半の曲はラテンリズム、後半の曲はサンバのリズム。
両曲とも雰囲気が似ているフュージョン。(電気ピアノのリフの繰り返しによる催眠性等)
ラテンのリズムは普通の人にはとりにくいがサンバは低音で2拍子を刻んでいるのでなじみやすい。
前半の曲のパーカッションソロから後半の曲のローをキワ立たせて(ハイやミドルを切る)差し込んでゆく感じでMIXしてゆく。
前半の曲のリズムは普通の人には寄り所が無い感じがすると思うが、後半の曲は「なんとなーくハウスやテクノ的な感じがする」といった安定感のある落しどころを目指したMIXです。



【2】「SambaRock」→「和モノSamba」 / 結局サンバは幸せMIX


 ○Jorge Ben / Taj Mahal(1974 フランス)
 →→ ○ The BOOM / 風になりたい (1995 日本)




ポイント

サンバロックの雰囲気をもった2曲をMIX。
前半のジョルジ・ベン「Taj Mahal」は初めて聞いても歌えるキャッチーなサンバロックの曲。そこにサンバのビートを共通項としてド定番な和モノサンバを差し込むMIX。
前半の曲の4:30辺りからベースソロになるのでそこで後半の曲を差込。
ある意味、王道かつ正統派選曲の流れかと思うのだけれど、「反則だ~!w」「キタネエやりくちだ~!w」「最高!もっとやれ!」等々 罵声&絶賛を受けられるMIX。

このMIXに限らず、知らない盛り上がる曲 → ピークでド定番の和モノをぶち込んで流れを解決させると、フロアー大騒ぎになり「ちっちゃいの」(横浜の方言でテキーラのショットの事)が飛び交い、シコタマのまされ無事翌日ポンコツになります。



【3】「mambo」→「mambo」→「mambo」/ もはや躍らせようと思ってねーよMIX

○ Frank Hernandez Y Su Orq / Guasabeando(1968ベネズエラ)
→→○  Frank Hernandez Y Su Orq / A Sunny Ray(1965 ベネズエラ)
 →→→→○  Frank Hernandez Y Su Orq / Congo Blues(1966 ベネズエラ)





ポイント

数年マンボをかけ続け”その驚異的なウケの悪さ(一般人へのダンス誘発性の低さ)"について、いくら”ばか”でも気付き始めた頃に「ならいっその事、躍らせないDJ」をしたらどうか?と開きなおった挙句「まんぼ全部乗せ」みたいなDJをしていた時期に発見。
とにかくマンボのスピード感やリフのかっこよさ、引っぱたく太鼓のかっこよさを突き詰めてみたMIX。 
同じミュージシャンのマンボを連続してMIX。

「鳴かぬなら、鳴かせてみよう、ホトトギス」とか詠んだ武将がいたと思うが、これを思いついたときに「踊らぬなら、(そもそも)躍らせねーよ、まんぼばか」と詠んだとか詠まなかったとか。




【4】「新興宗教モノ」→「王道ポップス」→「クラブジャズ」/BPM?なにそれウマイノ?MIX


○ The Sufi Choir / Bismillah(1973 カナダ)
→→ ○ Carpenters / All I Can Do(1973 アメリカ)
→→→→ ○ KOOP / Summer Sun(2001 ドイツ)




ポイント
「躍らせないDJ」の可能性が見えると必然的に「どう聞かせるか?」を考えだす。
視聴体験として面白ければお客さんの記憶に良い意味で”傷”を残せる。
つまり「躍らせなくても満足してくれんじゃね?」と。

カナダの新興宗教もの(インドの楽器タブラのリズム)→カーペンターズのジャズロックワルツ(3拍子)→2000年代クラブトラックという突拍子ない流れでも面白がってくれることを発見したMIX。

1曲目~2曲目の間はコーラスの親和性でつなぎ、2曲目~3曲目は2曲目最後の盛り上がりの着地点を3曲目のイントロで受けるという感じで選曲。
この流れに整合性を感じるかどうかは御自身の耳で聞いてみてください。
ちなみにこの手のMIXの時にはもうBPMとか全然考えてない。(このMIXにはラテンも入っていない)



自分の好きな音が一般的にはウケが悪かったからこそ色々考えて「そもそもDJって何が正解なんだろう?」と。
現状での自分の解としては「フロアにいる人の音楽知性に傷をのこす。たとえフロアにいる人がダンスしていなくてもその傷を残すことができる」という事を考えています。

DJというとほとんど「DJ用につくられたトラック」か「DJ用につくられたトラックとして解釈できる古い音源」ばかりをプレイしている人が多いと思うけど、別にそのスタイルの曲に固執しなくても良いんじゃないかと個人的には思います。

フロアの人が満足すれば何をプレイしてもOKかと。
そうするとDJって極論「フロアーにいる人とのコミュニケーション」なんじゃないかな?と。



横浜 元町 Gallery + sushi あまね
https://amane.gallery/

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