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インド留学帰りの飛行機こぼれ話

インドから帰国して早2ヵ月。
友人たちにインドの話をしたところ「その話面白いからnoteに書きなよ」と言われた、わりとどうでもいい帰国の“こぼれ話”をつらつらとまとめたいと思います。
つまり、これと言ってヨガと関係がないんだけど「あー、旅行ってこんな感じだよね」なんてエピソードなので、よかったらお付き合いください。

国内線で泣いた話


結局行きも帰りも定刻通りだった

帰国当日。
アシュラムを14時半に出て、デラドゥーンに16時前に到着。
国内線では荷物が15㎏までだったのをすっかり忘れていて4kgもオーバー。
「オーバーしてるなら荷物出すよ」と日本語で言いながら身振り手振りで伝える。行きの飛行機だったら顔が青ざめていただろうに。すっかり図太くなった。
18時発デリー行きまで空港でおとなしく待つことに。
デラドゥーンからデリーには約1時間で到着するが、遅延などを考慮しデリー空港内のホテルで1泊。翌日のフライトで帰国する予定をしていた。

ぼんやりと本を読みながら待っていると、横で女の子がカップラーメンを食べだした。
(インドではカップラーメンもカレーの匂いだなぁ)なんて思ったら、急に泣きたくなってきた。
「インドのカップラーメンもカレー1択なんだね。」と話す相手がいないことに気が付いてしまったのだ。
ついさっきまでみんなでワイワイとヨガをしていたのに。
この1ヵ月いつだって誰かが横にいたのに、今はたった1人!!!
「くしゃみをしても一人」のインド版だ。
1回寂しいと思うと、もうずっと寂しい。
本を読んでも寂しい。何か食べようと思っても寂しくて食欲がわかない。
隣に誰もいなかったのでほろほろと泣きながら離陸。

ドキドキのデリー着。ホテルはどこ?


国内線の象

デリー空港に到着。リシケシはみんないい人ばかりだったが、ここは都会。泣いている場合ではないと心のふんどしを締め直す。
国内線から国際線への移動は徒歩5分ほど。わかりやすく道案内が出ているので迷うことはない。幸いタクシーの客引きにも合わず空港の近くまで到着。
とにかくお腹がすいたので空港の外にあるフードコートのような場所へ。wifiが通じるので家族に連絡を取りつつ、モモを食べることに。
1ヵ月ぶりの肉。やはりべジモモと全然違う圧倒的な存在感。
大感動するかと思ったが「うーん、肉の味・・・」という感想しか出てこなかった。
さて、空港内のホテルとはいえ、本当に空港の中から行くのだろうか、それとも外からぐるっと回って入り口などがあるのだろうか。
空港の外にいるスタッフに聞いたところ、「中から行けるよ」と親切に教えてもらえたので軍人さんのチェックを受け空港内に。
かといって空港内からどこがホテルの入り口なのかが全く分からない。
またもやスタッフを捕まえホテルに行くのはどうすればよいか聞くと
ス:「セキュリティチェックを受けて中に入ったら通路があるわよ」
私:「え、でも翌日の便だからまだ航空券ないんだけど!?」
ス:「大丈夫大丈夫。ここに並んで!」
私:「あ、ありがと、、ゴザイマス」
てことでセキュリティチェックに並ぶことに。
ちなみにインドはとにかく人口が多いのでこのセキュリティチェックは長蛇の列。本当にいいのだろうかと手に汗握りながら並ぶこと40分。
「next」と呼ばれおじさんの前に。
お:「航空券とパスポートを出してください」
私:「あ、あの明日の便なんですけどホテルに泊まりたいんです」
お:「え?航空券は?」
私:「まだです。明日なのでチェックインしてません」
お:「・・・(溜息)だめだよ」
私:「あ、あの泊まるのはこのホテルで(ガサガサとプリントアウトした紙を出しながら)」
お:「あのね、航空券内とは入れないの、明日来なさいね。はい、next」

ここでクイズです。
やっぱりそうだよね、というあきらめの気持ちと、おいおい何なんだよぉ、という落胆の気持ちが絡み合うと、人間はどんな顔になるでしょうか!?

正解は、不敵な笑みを浮かべる、でした!!!

てことで不敵な笑みを浮かべながらベンチに腰掛ける。
(いっそのこと成田行きの直通便を今買ってやろうか。)
大胆な思考が浮かぶ。
しかし、ホテル代2万円+チケット代7万円を思うと胸が、いやお財布が痛い。
一度落ち着こうと上海に住む姉に電話。
姉「成田行きを買いなさい。お金は使うためにある。」
想像通り大胆なアドバイス。

我が家では母が私よりも怒りっぽいので母に腹が立つ話をすると私の100倍はキレるのでむしろ私の怒りのボルテージが下がる。
こんな調子で、大胆な姉の話を聞いたおかげで私の大胆ボルテージが下がり、冷静になってきた。

話がずれた。

冷静になった私は水を買うついでに売店のスタッフにホテルのことを聞くとひとこと。
「インフォメーションセンターに行きな」
・・・インフォメーションセンター!
そうだ、なぜ思いつかなかったのだろう!そうだインフォメーションセンターだ。
インフォメーションセンターを探しながら歩いていると看板に「HOTEL→」の文字。
こ、これは私が泊まるホテルのことだ!やっと看板を見つけ矢印通りにあるいていくと何にもない空港の壁際に軍人さんが座っている。
(また騙された)と思った瞬間、ホテルのロゴがついたポロシャツのスタッフがこちらに向かって歩いてくる。
これを逃してなるものかと勢いよくスタッフを捕まえ、やっとホテルに入ることができた。
(ホテルに入るまでのあれこれは省略。結構なんやかんやあった。)
空港で泊まりたい方のために情報を載せておきます。

空港内ホテル

ホリデイ イン エクスプレス ニューデリー インターナショナル エアポート T3

https://www.ihg.com/holidayinnexpress/hotels/us/en/new-delhi/delax/hoteldetail?cm_mmc=GoogleMaps-_-EX-_-IN-_-DELAX


清潔感はある

日本で4500円くらいで泊まれそうなレベルのホテルですが、お値段は超強気の2万円台です。安全を買いたい方はこちらをどうぞ。

インドマダムに充電器を貸す


写真はイメージです

翌日。
事前に「インドは人が多いから5時間前にチェックインをしないと間に合わない」とのウワサを真に受けた私は超早起きして再び空港ロビーへ。
ホテルのスタッフが荷物をもって下までついてきてくれる。
しかし、ゲートがない。正確にいうとFゲートでチェックインをするのだがFゲートがドバイ行きと書いてある。
ホテルのスタッフがなにやらFゲートの人と話をして、「OKついてこい」とFゲートの列から少し外れた場所に荷物を置く。
「Here.stay.」
(え?)きょとん顔で見つめる私に彼は自信に満ちた顔でもう一度
「Here.stay.」
と言い残し足早に去って知ってしまった。
えーっと?ヒアーにステイと言われても???
頭の中は?だらけだ。
インド人はみんな親切で、困っている人を放置しない。
私が明らかに困っているので、あれこれといろんな人が話しかけてくる。
「ここにいればいいよ」「あっちに回ればいいんだよ」「この列に並びなよ」
みんなありがとう!という気持ちでいっぱいになる。しかし残念ながら全部嘘なのだ。インド人は親切心で何か言ってあげようと、適当なことを言う。

昨日ホテルの件で学習した私は、3名ほどの親切なインド人に嘘を教えてもらったところでインフォメーションセンターに行くことに。
するとフライトの2時間前しかゲートはあかないよ、という超初歩的な理由を教えてもらった。
5時間前にチェックインというウワサがもう嘘だったのだ。
すっかりやけっぱちな気分でベンチに腰掛ける。

しばらくするとずいぶんお金持ちそうなインドマダムが話しかけてきた。
どうやら携帯の充電がなく、チェックインができないから充電器を貸してほしいらしい。
しかしやけっぱちな私は、面倒ごとに巻き込まれるといやなので、英語がわからないふりをして逃げようとした。
しかしマダムがぐいぐい来る。最終的にはパスポートを出し「私はスイス国籍だから」と、よくある空港で騙そうとする悪いインド人ではないとアピール。
それならば、と充電器を貸すことにした。
空港には充電スタンドがあり、結局一緒についていき、充電中マダムとおしゃべりすることに。
マダムはスイスに住んでいて、インドには友人に会ったりヨガをしに来たらしい。
私:「私もリシケシでヨガの勉強をしてきました。」
マ:「リシケシ最高よね。リシケシのガンガーは飲めるのよ、世界一よ!」
私:「の、飲める!?」
マ:「そうよ、ヒマラヤの水だもの。ここらへんで売ってるミネラルウォーターは全部ヒマラヤの水よ。世界一よ!だからリシケシのガンガーも飲んでいいのよ!!」
私:「へ、へ~・・・」
マダムは日本が好きらしく、いつか日本に行きたいと言いながら私にワッツアップ(海外版Lineみたいなやつ)をやっているか聞いてきたのでNoと答えると私の携帯を開き、facebookで自分のページにメッセージを送り出した。姉以上に大胆だ。

センキューと言い軽やかにマダムは去っていった。
ちなみにその後メッセージが既読になることはなかった。
マダム、お返事、今でも待ってますよ。



パキスタンギャルに大いに褒められる


写真はイメージです

やっとセキュリティチェックを通り搭乗ゲートの近くで座っていた時のことだ。
デリー空港ではインドの電話番号がないとフリーWi-Fiに繋ぐことができないので、レンタルWi-Fiでスマホを見ていると若い女の子5人組から「madam?」と声をかけられた。
どうやってWi-Fiに繋いでいるのか、と聞くのでこれだよ、とレンタルWi-Fiを見せると貸してほしいと頼まれた。
ついさっき容量を追加したばかりだったので余裕があり、パスワードを教えてあげることに。

若い女の子たちはパキスタン出身で、タイのプーケットに行くらしい。
私は日本に帰るんですよ、なんて話してたら、パキスタンギャルのうちのひとりが早口で何か質問をしてきた。
全く聞き取れない。
何回か聞き返すと私でもわかるようにゆっくりとこう言った。
「Your skin is Perfect.」

ぱ、パーフェクト!?
(パーフェクト、パーフェクト、パーフェクト・・・)
心の中でつい反芻してしまう。

年齢を聞かれるので35歳で子供がいる。今はノーメイクと伝えるとパキスタンギャルたちが口々に「amazing」「oh!」と感嘆の単語をつぶやくので笑ってしまった。

ギャ:「何のクリーム使ってる教えて?」
私:「ココナッツオイルだよ」
ギャ:「違う違う、クリーム」
私:「ココナッツオイルだけよ」
ギャ:「(ゆっくりと)フェイスクリームを、教えて」

本当にココナッツオイルだけなのに英語が通じないと思われている。
どうしようと思案していると手荷物カバンの中に乾燥防止のヒルドイドクリーム(体がかゆくなった時に皮膚科でもらったのを持っていた)が入ってることを思い出し、それを恐る恐る取り出す。
それそれと言わんばかりに手を伸ばすので差し出すとスマホで写真を取り出した。
私:「それ、病院でもらったのよ」
ギャ:「おっけーおっけー、ネットで買うから」
写真を撮ってさよならをしたけど、パキスタンギャルはネットでヒルドイドをゲットできたのだろうか。
それにしても、Wi-Fiを5分貸しただけでこんなに褒められるなんて・・・。
いい気分。

英語が話せないネパール人に自分を重ねる


写真はイメージです

タイで長いトランジットを過ごすために、なるべく人がいなくて充電できるところを探すと、搭乗ゲートの近くにちょうどいい場所を見つけた。
腰を落ち着かせ、パソコンを開いたら女の子が話しかけてきた。
どうやら全く英語が話せなさそう。
でもこのゲートから乗るのか?と多分聞いてきている。
違うよ、ここで休憩しているだけ、と伝えるが、まったく伝わらない。
とにかく不安そうでおどおどしている。デリー空港での自分を見ているようだ。
スワンナプーム空港はフリーWi-Fiが使えるのでgoogle翻訳の出番。
ドラえもんの「翻訳こんにゃく」のようにうまくはいかないが、どうやら彼女はネパール人で、このゲートから飛行機に乗るのだが、誰もいないし飛行機は来ていないし、困ってる、ということだった。
インドで教訓を得た私はあれこれ言わずに、インフォメーションで聞く事を提案。でもなぜか断られてしまった。(伝わってなかったかも?)
肩がキュッと上がってびくびくしている彼女に「リラァ~クス」と伝えるとやっと笑ってくれた。
一緒にインフォメーションに行こうと再度提案。
しかし首を小さく振ってごみ捨てスタッフに質問しに行ってしまった。(そしてI don't noと言われていた)
充電ができていなかったので別の場所に移動するためにその場を離れた。
その後彼女はちゃんと乗れたのだろうか?異国で英語がわからなくて一人だと不安だよね。
お友達になりたかったがフラれて終了。

まとめ


帰国までのエピソードでした。
空港でこんなたくさんの人と話す。これぞ一人旅って感じですよね。
英語がわからないからもったいないことしたなぁと今でも思います。
あの時であった皆さん、どうぞお元気で。
そして2023年は絶対英語の勉強をしよう。

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