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先生のためのやさしいブリーフセラピー

以前この記事で

相手の困りごと、なやみごとを聞くときに
「共感」ばかりに終始すると

その先に進めないばかりか
どんどんネガティブモードにはまってしまう

そんな場合もあるのだなあということを書きました。

そこで読んでいるのがこの本

「やさしい」といいつつも
なんだか専門的で難しいのでは…と思いながら読み始めると

よみやすい!!おもしろい!!

私は文章の理解力がとぼしく
無機質な言葉が並ぶ文章は苦手なため
ユーチューブのように話し言葉で聞く方が頭に入ります。

この本はそんな感じで、
筆者である森先生から直接教わっているような感覚で
すらすら読めます。

ブリーフセラピーとはこのように書かれています。

ブリーフ(Brief)とはパンツのことではなくて通常「短期」と訳される言葉です。したがってブリーフセラピー(Brief Therapy)を直訳しますと「短期療法」ということになります。
~以下略~
ブリーフというのは、期間や回数そのものを問題としているというよりも治療の効果性や効率性を問題としている概念なのです。

そのなかでもいくつかモデル理論があるとのことですが
自分に合いそうなモデルのみを深めたり
良い部分をかいつまんだりするのみでも十分とのこと

こう言ってくれるのはありがたい(笑)

筆者がブリーフセラピーのエッセンスだと考えている点の中のひとつが
すごく大切なことだとかんじました。

(5)治療者は、クライエントに対して、常に敬意を払っていること。
「敬意を払う」とは、治療者が以下のことを信じていることである。
ークライエントの ”中” に「問題」はない
ークライエントは皆、良い変化に必要な「能力」を持っている。
ー良い変化の方向は、クライエントが知っている。
(6)…などという条件に、治療者は、あまり縛られないでもいられること

今まで私は、相手の悩みを聞くとき
「共感に徹する」か
「アドバイス」する
の両極端になってしまっていたと気づかされました。

後半では、セラピーの具体的な進め方が登場するのですが
森先生がいかに相手の中の変化に注目しているかが
よくわかります。

クライエント自らが良い変化の方向性に気づくための
手助けをしていくのが
ブリーフセラピーの基本姿勢なのだと私は解釈しました。

教師時代も、母親になってからも
自分の経験値だけでものを考え、
相手を諭そうとしていた自分が恥ずかしくなりました。

余談ですが、「生徒”指導”」っていうけど
”指導”となるとなんだか
大人側の価値観を与える感があって
あまり好きでない言葉…

そして筆者の先生が一貫して繰り返し伝えていること
それは

援助者がクライエントのなかに
「問題」を「発見」しようとしない姿勢が大事。

クライエント自らが方向性を見つけることが必要なのであって
こちら側が提示するものではないということ。

おうむ返しも共感も、
タイミングや使い方、クライエントとの関係性によっては
「問題」を大きくするきっかけにもなりかねない。

ここが私に足りない部分だとかんじました。

ですが難しく考える必要はないと。

とにかく、
どうしたら「解決のことを話し合える関係になれるか?」
関係ができれば、自然と解決の構築ができる。
そのためには、こちら側が常に「解決モード」でいること。

具体的には

「クライエントはどうなりたいんだろう?」
「よくなった時、どうなっているんだろう?」
「クライエントは何が得意/好きなんだろう?」
「何がもう既にできているんだろう?」
「何を使えるんだろう?」
といったことに、援助者が興味津々でいるということです。

親や先生という立場になると
どうしても「自分が良い方向へ導かなければならない」
と思いがちです。
まじめで一生懸命な人ならなおさら。

相手の中に「問題」を見つけてアドバイスしてあげよう!
とするのではなく
(それをするとさらに問題が大きくなってしまう)

こちら側が「解決モード」になり
相手が問題よりも解決に目を向けられるよう
引き出してあげる

それだけで良いのだなと改めて気づかされました。

最後に、なるほどー!と思ったのが
「外在化」と「例外探し」の手法。

例えば「外在化」は
痛みなどの身体症状を訴える子に
「痛み」を対象化して取りだし
その対処法を指導すること。

「痛いの痛いのとんでいけ~」

はきっとこれですよね。

また「例外探し」の「例外」とは

すでに起こっている解決の一部、あるいは例外的に存在している解決の状態

とのこと。
うまくいっている部分に気づかせてあげることですね。

このように、
一辺倒ではなく
相手をよく見て様々なカードを出すわけです。

これって世の親御さんが
毎日試行錯誤してやっていることですよね。
こどもってほんとに、
大人のコミュケーション力を高めてくれる師匠ですね。

話がとっちらかってきたので
ここらで終わりにします。

こうやって感想を書くことで
さらに内容が頭に入りますね~

冬休みはいろんな本をよんで
感想文を書こうと思います。


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