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ミソジニーは地域がはぐくむ?

※お祭りの名称や時期、対象年齢は変えてありますが、内容はノンフィクションです。 我が一家が引っ越してきた地域では、年に1回神社で大きなお祭りがある。大人神輿、子ども神輿のほか、「こっちゃこ」と「花みこし」という山車も出る。「こっちゃこ」は数えで10歳の男子専用、「花みこし」は数えで10歳の女子専用だという。 「こっちゃこ」に参加する男子は着物を着て足袋をはき、傘をかぶって町内を練り歩く。一方「花みこし」に参加する女子は学校指定の体操着姿に法被。「女子だって、祭装束で町内を

    • 「取材されやすい店」になるには

       ほとんどのお店には常連客がついていて、ウェブや雑誌やテレビなどのメディアに露出しなくても充分なのだと思う。メディアに取り上げられると瞬間的には客が増えるがその後さっぱり、または客が増えてしまってそれまでの常連さんが離れていくから迷惑千万、ということもあるだろう。  すべてのお店が「取材されたい」と考えているわけではないというのは重々承知しているのだが、もし「取材に来てほしい、でもうちに来ないのはなぜだろう」という人がいたとしたら、ヒントになるかもしれないのでメモ。  こ

      • 「私のはなし、部落のはなし」 鑑賞記

        大学入学のため上京するまでは西日本の片田舎に住んでいて、学校で時折人権学習の授業もあった。大人たちのひそひそ話の中に、聞いてはいけないことを聞いたような記憶もうっすらある。しかし上京するとそうしたことは記憶の彼方に去り、日常生活ではまったく意識することもなくなった。 ところが数年前に関西に引っ越して来たら、なんたる既視感。不動産を借りたり買ったりする時には営業の人たちがひそひそ話をするし、住んだら住んだでかつて大人のひそひそ話を聞いていた私と同世代の人々が今度はひそひそ話を

        • 『細雪』の男はみんなサイテー ※1

           誤解しないで頂きたい。私は『細雪』ファンである。高校時代に手にとって以来、折節読み返すことたぶん6回目くらい。阪神大水害と脇役の死くらいしか大きなことは起こらず、あとはひたすら下痢・赤痢・流産Etcの病気と見合い話と食べ物の話で900ページ以上(※注:文庫版)ぐいぐい読ませるなんてさすが大谷崎だ。  しかも読み返す度に、新しいことに気が付くし感情移入する登場人物も違う。高校生の頃初めて読んだ時は「雪子って嫌な女やなー絶対友達になれんタイプ」と思い、大学時代に読んだ時は「こ

        ミソジニーは地域がはぐくむ?

          国保料を少しでも安くすると決意

           フリーランスになって丸3年。過去3年で何がいちばん衝撃的だったかと言えば、ネットを通じて請け負う仕事のギャラの安さではなく、仕事を始める段階でギャラがちっとも明示されないことでもなく、国民健康保険料の高さであった。  とにかく高い。これっぽっちの手取りなのにこんなに払ったら手元になんにも残らないではないか! 老後のために2000万貯めろ? そんなのフリーでこの国民保険料を払い続ける限り不可能ですよね? と驚愕し続けること3回。真面目な私はそれでも渋々払い続けてきたが、ここ

          国保料を少しでも安くすると決意

          花散里

           紫の上が亡くなってからというもの、すっかり気落ちして着るものや身なりさえかまわなくなったらしい。  光る君の女房から聞いたのか、こちらで召し使っているものたちがそんなうわさ話をしていました。それまでは紫の上が光る君の衣裳を用意していたのですから、衣替えなどもおぼつかなくみすぼらしい恰好をしているのかもしれません。ほら、初老の男の人なんてそんなものでしょう? それまで妻が身の回りの世話をすべてやいていたものだから、妻に急に死なれたり、入院されたりすると、やれ靴下がない、シャ

          花散里

          82年生まれ、キム・ジヨン

           巷で話題になった『82年生まれ、キム・ジヨン』を今更ながら読みました。  身につまされることがありすぎて、読むのが辛い……と思いながらも一気に読了。それほど長くなく、リーダビリティも高く、内容も興味深く、ベストセラーになるのもそりゃ当然だと思いました。ラストは「あーそーきたか。そーくるよね」という感じではありましたが……。  自分が今まで経験したことに似たようなこともいろいろあったし、何よりキム・ジヨン氏のお母さんがとても印象的だったので、母にも勧めてみました。やはりす

          82年生まれ、キム・ジヨン