見出し画像

国保料を少しでも安くすると決意

 フリーランスになって丸3年。過去3年で何がいちばん衝撃的だったかと言えば、ネットを通じて請け負う仕事のギャラの安さではなく、仕事を始める段階でギャラがちっとも明示されないことでもなく、国民健康保険料の高さであった。

 とにかく高い。これっぽっちの手取りなのにこんなに払ったら手元になんにも残らないではないか! 老後のために2000万貯めろ? そんなのフリーでこの国民保険料を払い続ける限り不可能ですよね? と驚愕し続けること3回。真面目な私はそれでも渋々払い続けてきたが、ここへきて問題が勃発した。なんと我が夫が、

「もう田舎はいやだ、山の上に住むのもいやだ、都会に引っ越したい」

とゴネ出したのだ。そう、我が家は充分大阪に通勤圏ではあるが(ベッドタウンというやつ)、1970年代に次々と開発された地域らしくザ・山を切り拓きました系。最寄り駅まで「徒歩15分」と住宅広告に書いてあるものの、15分も山を登るんなら45分バスを待つ、というほどの勾配のきつさだ。自転車大好きな夫は、「こんな山の中に住んでると自転車に乗る気になれない!」と怒り出し、「都会に行く!」と決意したらしい。

「神戸か京都に住みたい」というのだが、ちょっと待て。国保料はどうなるの? と思って調べてみるとなんとびっくり、コロナということもあり、フリーランスとしての最低年収をたたき出した去年ベースでさえ、たっかいたっかい国民健康保険料が、他の町に引っ越したらもっと上がりまんがな!

京都市:403,480円(1か月あたり 33,623円)
神戸市:643,606円(1か月あたり 53,634円)!!!!!

私はまじでびびりまくった。万が一神戸に引っ越すことになったら、そんで生活費を今までどおり入れてたら、お小遣いが0円やがな! と。そしてなんとかして国保料を安くできないものかを調べ、結果、文芸美術国民健康保険組合、通称文美への加盟を決意。

文美は作家やコピーライター、カメラマンなどいわゆる「創作活動」をしている人のための健保なのだが、加盟のためにはまずどっかの協会に入り、推薦してもらうことが必要(写真家協会とか、NHK専属作家協会(というのがあってびっくり)とか、日本演劇協会とか)。ところが私のようなしがないフリーライターが大手を振って加盟できる協会がなく(フリーライターの連携について考えたほうがいい気もした)、比較的入会しやすいと評判の日本ネットクリエイター協会に入った上で、文美に推薦してもらった。

これがダメやったら引っ越しもなしやで……! わてら一生山の民や……! とびびっていたのだけれど、なんとか無事文美から健康保険証が届き、ほっとひと息。こちら年収と保険料は比例せず、どんなに稼いでも健保料は一定だ。二度と大江戸温泉物語に泊らずにすませるためにも(これはまた別の話)、がんばって稼ごう……と決意した5月のある1日であった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?