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なんにもないとバージニア。



1年後自分が何をしているのか分からない。
学生時代は、まだまだ先があるレールの上に乗っていて、それは働き始めてからも変わらないと思っていた。


普通に就職して、程々に働き、程々に遊び、程々に恋愛をして、よいタイミングで結婚し、子どもを産む。


わたしはそのレールを、就職後のわずか4ヶ月で外れてしまった(わたしはよく「3ヶ月で仕事辞めた」と言うが、よく考えると4ヶ月だった)。


わたしの目の前にあった「まともな人生」と名付けたレールを外れ、半年ほどフラフラ生活していた。大好きな彼氏の家に居座り、朝ごはんを作り、見送ったあと、ひっそりと仕事に行った。帰りは深夜だった。夏頃までは調子がよかったが、秋から冬になると全ては不調になった。


運がいいことに転機があり、昨年頭に今の職場で働き始めた。
今の職場は、以前から知り合いが働いていた場所で、私の憧れの場所だった。
今でもやりがいを感じている。
でも、1年後の自分が想像できない。
このままふわふわと歳をとるかと思うとぞっとする。


特に秀でた趣味はない。追っかけもそこそこ、写真は下手、私の仕事は誰にだってできる。センスもない。本当は歌もダンスも好きだけど、どっちも下手だ。


全てにおいて周りと比較して、自分の出来なさに死にたくなるが、それに対して努力も継続してできず、それもまた死にたくなる。




仲のいい同級生からは結婚の報告が相次ぎ、Instagramは2ヶ月に1度は結婚式の画像が上がる。


親や親戚からは「彼氏はいないの?」「そろそろ結婚もあるでしょ」とジワジワ急かされる。




こうも周りが動いていると、自分の「何もなさ」に焦る。


周りにはちょっとの才能と多大なる努力を詰んでいるのが常識な人間が沢山いて、私は本当に無価値だ。




何も無いんだ。



私の実体があると思う場所には「無」があって、宇宙の中にあるのに宇宙の外側だ。




私には、捧げるための愛しか無い。

あなたにあげる愛しか無い。


だから、それを少しでも我慢すると、空っぽになっちゃうんだ。



からっぽの私は、いつも吸わない煙草を買う。

吸ってもむせるだけの煙草は、「私、これから煙草吸っちゃうんだ」という背徳感を生み出し、わたしを満たしてくれる。バージニアロゼ。可愛いでしょ。



ちょっと吸ってみた。噎せたし、ちょっと涙が出た。

でも満たされた。

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