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「実力は同じでも,評判には大きく差がでちゃうよ」という本を読んだ.

『ネットワーク科学が解明した成功者の法則 』を読みました.本書は,複雑ネットワークの専門家,多種多様なデータを分析して発見した,成功のパターンをまとめてくれています.「パフォーマンス」,「ネットワーク」,「運」,「評判」が成功にどのように影響しているのか,とても参考になりました.

以下に,参考になった点をまとめます.

1.明確な評価基準があるなら,パフォーマンスが成功を促す.(テニス選手の勝ち負けと,人気は非常に強く関係していた.)

2.明確な評価基準がないなら,ネットワークが成功を促す.(アーティストの成功は,最初の5年間にどのネットワークで活動していたかで決まっていた.最初の環境が悪くても成功した人は50万人中227人と極わずか.彼らは,新しいギャラリーを開拓し,ネットワークを広げる能力に長けていた.)

3.パフォーマンスには上限があるため,トップレベルでは「運」の影響が大きくなる.(トップレベルのピアニストどうしは演奏に差がなくなるため,演奏中の見た目が評価の決めてになる.ピアノやフィギアスケートのコンテストでは,後の人ほど評価が高くなる.これは「即時性バイアス」という,過去より今の感情に強く影響されるため.)

4.評判は評判を生む.評判には上限がないため,極一部の実力者が評判を独占し,ほとんどの人は評判を得られない.(人は評判の高いほうを選択する.評判が機会を与え,機会が評判を生む.パフォーマンスと違い評判には上限がないため,極一部の実力者が高い評判を独占し,大部分の人は評判を得られなくなる.そのため成功には「初期の評判」がとても重要になる.)

5.チームの中で,功績を認められるのは1人だけ(チームの成果は,その時点で最も実績の大きい人の手柄になる.なぜなら,誰がどれだけ貢献したかは,周りの人にはわからないためである.そのため,いつまでも実績の多い人と組んでいたら,評判が得られず埋もれてしまう.)

おわりに

「実力には上限があるが,評判には上限がない」,「人は評判の高いほうを選択する」この2つから,「極一部の実力者が評判を独占し,ほとんどの人が評判を得られない」という現状を上手く説明できていて感動しました.

たまたま評判に恵まれても,実力が伴わなければ評判は下がってしまう.実力があっても,チームの一員のままでは成果を搾取されるだけで評判は得られない.実力と評判をどう活用するか,考えさせられました.

凡人の私としては,「自分の周囲でトップレベルになれる役割」を見つけ,「評判を築く」ことができれば大成功なのかなと思いました.

以上です.最後まで読んでくれてありがとう.

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